亜美3

 ストーリー・(本文参照)

 (管理人より注・「亜美3」の3は本来はローマ数字ですが、機種依存文字のため、「3」と書き換えさせていただきました)




・亜美は兄ヒロシが外国に留学させられてから孤独な日々を送っていた。ある日ふと家にかかって来た一本の電話、それはヒロシからのものだった。休暇を利用して日本に戻って来ており、近くまで来ているという。亜美はヒロシに会いに行くが、そこでヒロシから切り出された話は…その後、亜美の向かった先は…。


・くりいむレモン13作目。毎度ながら亜美のデザインがかわりますな。ちょっと太った?いや、妙にリアリティを追求しちまったか?はっきり言って無駄に凝ってますよ。そう、一見手抜きに見えるものの、この「亜美3」は凝った作りをしてるんです。ただ、凝るところを間違ってる気がします。いや、凝りたくなるのはわかりますが、エロアニメを作ってるんですよね?下手に実績を重ねたりした弊害かな?半端なメジャー意識を持ってしまったと言う感じがしないでもなし。後述したパッケージの理由から意欲がわかず、この作品を見たのはかなり先。何時だったかは忘れたが、記憶にある「見た」と思われる時は90年代になってからで、確実に記憶にあるのは96年あたりになる。

・くりいむレモンシリーズ旧16作品ををあえて分けてみるなら、あえて「年」よりも「年度」で分けた方が…それぞれの頭に亜美シリーズを配した方がしっくり来る。
 先ずは、くりいむレモンの基本形を…当時のアダルトアニメ全体の基本形と言えなくも無いものを出した「媚・妹・Baby」から「ポップチェイサー」までの84年度。いろいろあって、とにかくいろいろあって、スーパーバージンの失敗にもあったが、にぎやかな作品たちに囲まれ、とにかく「次はどんなものが見れるんだ?」と、期待でき(そう感じたんだけどね)、アニメの発展を見せた「亜美AGAIN」から「マコ・後編」までの85年度、そして終息をむかえることになる…明らかに悪い意味で大きな変化があった「亜美3」から「エスカレーション3」までの86年度だ。これらはVTパッケージの違いそのものの変化と一致していると言っても良い。なお、これらの作品は、当時の都合からと言うべきか、全て紙製のパッケージである。
 84年度は、白地のパッケージの表紙にキャラクターのセルイラストが描かれただけのシンプルなもので、イメージボードの中から適切なものを用いたようだ。作品自体を見れば判るが実のところ、パッケージに用いられたセルイラストは、作品自体とは微妙に食い違っており、パッケージで見た人は、中身とのそのギャップにちょっくら悩むことになる。
 85年度は、白地のパッケージにイメージイラストを配したものになっており、それは必ずセルイラストと言うわけではない。なお、「マコ・後編」のみ本編から抜粋しているみたいだが、それ以外では見覚えのあるシーンの元のようなイラストが目立つ。「黒猫館」のパッケージにかなり惹かれた人たちも見知った仲では多かった。
 86年度は、打って変って今までの白地のパッケージがカラーものに変更されているのだ。パッケージデザイン自体はイメージイラストを配しているもので、85年度と変わらないものの、今まで通された白地パッケージからの変更は、85年度作品まで感じてた「次はどんなものが見れるのだ?」と言った期待度を失わせるには「何故か」十分であり、現にこの86年度の四作品は、それぞれの発売までの時間はそれまでの作品となんら変わらなかったのに、何か手抜きだったり、あるいは製作に集中し切れてない(多分、取り巻く環境自体の事が大きく関わっていたのだろう、その後に控える新くりいむレモンシリーズや、レモンエンジェルや、プロジェクトA子あたりの。)、奇しくも絶えず変化する作品で視聴者を喜ばせ続けたものがパッケージの色が白からカラーに変わった事で、悪い意味での「今までとは違う」いや、「これは違う」ことを感じ取らせることになるとは。さて、スタッフ内でそのようなことがあったのか、「やはり白でなければならない」と、誰かが言ったのかは定かではないが、新くりいむレモンシリーズではプラスチックのパッケージおよびラベルは白がベースになっている。
 残念なことに年数を重ねた今となっては、レンタルで目にするいくらかのパッケージは白であれカラーであれ、経年変化により薄い茶色への変化を見せており、地元においては明らかに色合いの違う「エスカレーション3」以外のほぼ全ての作品のパッケージの色合いの違いが判らなくなってしまっている。たしか本作品はピンクの色合いだったが、地元には置いてない。残念ながら確認の術がない。

・亜美と言えば、やはり「オナニー」でしょう。今回はまさぐるシーンは二つあるが、実際にオナニーシーンと言えるものではありませんな。二箇所目の、季節柄かコタツに入り寝そべりながらのそれは、あえて言うなら退屈だからヒロシをオカズに股間をまさぐってただけ…にしか見えない。

・ヌキどころとしては後半の河野とのシーンしか。抜ける度は2くらいじゃないですか。このころの作品にしては珍しく口内発射がありまして、当時それが話題になったことがあったそうです。オレにとってはどうでもいいんですがね。

・アニメとしてのお勧め度は2。盛り上がりませんな。この年の8月に「プロジェクトA子」と共に劇場公開になる亜美シリーズ一応の完結編「旅立ち〜亜美・終章〜」の制作に追われて本編たる作品がどこと無くおろそかになってしまったのか?それとも終章の複線に成り下がってしまったのか?ストーリーの流れ全体からすればそれでも良いかもしれないが、単品、しかもアダルトアニメとしてはいかがなものか。いずれにせよスタッフのノリと、視聴者のノリが食い違っていたのでは?
 入手に関して言えば、やはりアナログメディアが良いのだが、ストーリーを知りたいだけならDVDを勧める。「なりすスクランブル」とのカップリングの単品のものを。新品でも定価の半額、中古なら500円以上は出したくないな。残念ながらこの2作品、抜くためには見れまい、買えまい。
輝川 流一


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