アドバンサー ティナ

 ストーリー・遙かな未来。アドバンサーと呼ばれる惑星探査のプロたちによって、人類は多くの植民星を開拓していた。美しい女流アドバンサーティナは、謎に包まれた惑星オメガ13の探査を引き受けるが・・・




 ・1997年に発表されたオリジナル作品で、45分という尺になっています。
 ジャンクビデオで視聴したんですが、パケを見ましたら、「グリーンバニーレーベル誕生!第一弾0VA大作!」と大書してあり、ヒエ〜そうだったのか!と仰天してしまいました。
 版元さんはビームエンターテイメントとなっていますから、グリーンバニーはそこから派生したレーベルさんだったんですね。いやはや不勉強を恥じますです。
 内容的には、未知の世界としての宇宙を舞台にした、いわゆるフロンティア冒険モノにエロをオマケとしてくっつけたような感じで、北斗の拳みたいなキャラたちが宇宙を探検し、そこで触手生物に襲われてアラ大変というだけのモノです。
 見終わっての印象は非常に中途半端で、SFチックな世界観がカッコイイわけでもなし、ハードボイルドチックなキャラたちの活躍が痛快なわけでもなし、エロとしても薄弱に過ぎます。作画もアメコミ調で、淫靡さを欠くのは難点です。
 また触手生物が女体を突き破ったり破裂させたりしてしまうスプラッタ要素も、宇宙の厳しさを表現することには一役買っているものの、別にアダルトアニメでそんなモノ見せて欲しくはない気がします。
 かようアニメとしての出来はお粗末の一言ですが、しかしオリジナルの世界観をキチンに立ち上げ、キャラたちの心情にもそれなりに気を砕いて、真面目に作品を作り上げようとしている姿勢には敬意を払いたいです。
 1997年というのは「遺作」や「亜紀子」等の人気ゲーム原作ものが多く出始めた年です。その後この業界はゲームのアニメ化作品一色となり、かえってそのパワーを衰弱させてしまった感があります。
 そう考えると、この年の前後はアダルトアニメという文化の転機となったとも言え、「アドバンサーティナ」はその端境に出現した、いかにもオリジナルらしい気概に溢れた作品として、もっと注目されても良い気はします。
 「抜ける度」は1ですが、そういう観点から一度ご覧になってみるのも悪くないでしょう。
(彩雲11型)


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