ANGEL CORE(エンゼル・コア・全二巻)
ストーリー・大戦を間近に控えた世界・・・。世界制覇を目指す統一帝国は、天使の血を引く者たちからその力の結晶を取り出すことに成功した。大戦の行方を決めるとまで言われるその結晶は、「エンゼルコア」・・・
・2003年にblue eyesレーベルから頒布された作品で、原作はPCゲームだそうです。 そのゲームのスタッフがアニメのスタッフとしても参加しているというのがウリとなっていますが、クレジットを見ると、後に「姫騎士リリア」や「プリマヴェール」等を手がける浅野ヒロ氏の名前も見えます。 作品内容は、架空国家(ナチスドイツのようなイメージ)の収容所内で、ある目的のために性の慰み物にされ続ける少女たちと、優秀だが優しく情にもろいエリート兵との交流を描くモノです。 陳腐でバカバカしいお話しではありますが、それだからダメだと感じさせない、ドラマの盛り上げ方が秀逸。 たった60分の尺によって、「戦争ってイヤだなあ」「人権ってやっぱり大切だなあ」「全体主義って反吐が出るぜ」「不当に抑圧されることのない世界って素晴らしい」などという、小学生のようにシンプルな感慨に視聴者を導いてくれます。簡単そうでいて、なかなか出来ない優れたお仕事だと感じました。 おそらくは原作を使い切っていない、尻切れトンボの終わり方も、無理に詰め込みすぎないという割り切った演出なのでしょう。それで正解だと思います。 エロはロリ風味爆裂で、メインのヒロインからしてロリロリですから、そういうのがお好きな人には良いかも知れません。 しかし収容所でのお話しですから、全体に暗く陰惨なトーンのエロであり、打ち殺したり目玉をくり抜いたりという拷問シーンもありますから、痛い系が苦手には人にはツライかも。 オイラ個人的には、エロはともかく、上で書いたように文芸面だけで十分に見る価値のある作品だと思いました。 特にラストシーンの哀切は見事で、サラサ(ヒロイン)が描いたらしい拙い幼児画をアップにすることで、彼女たちが地獄の底でも希望を失わずに暮らしていたこと、また夢見ていたささやかな幸福を鮮烈に表現しており、まことにお恥ずかしい話、オイラは涙があふれました。 「抜ける度」は1.5ですが、それを度外視して見てみるのも良い作品だと思います。作画もそこそこ高品質ですし、音楽も素晴らしい。モノトーン調でまとめられた色彩設計もイイ感じです。またヒロインのCVも最高にカワイイですね。(彩雲11型)
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