ストーリー・人間族の男、ケンジとエルフ族の女、ミルファは、種族の壁を越えて、ついに結婚した。
周囲の反応には冷たいものがあったが、彼らは唯我独尊、たいへん幸せそうであった。しかし、初夜に大問題が発生した。エルフ族の特長なのか、なんとミルファのpussy(マンコ)が小さすぎて、ケンジのcock(ペニス)が挿入できないことが判明したのだ。このままではミルファと一生fuck(セックス)ができない、危機感をもったケンジは、ハーピーの愛液は究極の潤滑油であるという噂を聞きつけ、愛妻を単身家に残して、ハーピー狩りに出かけるのであった。
・1995年に大手ピンパイさんから頒布された作品で、制作は何とAICの手になります。しかも主演CVが黒田由美氏(Vガンのシャクティ役)ということで、アニメファンにとっては美味しい要素が一杯!
下の↓りぷとー様のレビューでも高評価でしたし、DVDで全集化されたモノがレンタル用に再流通し始めたので、今さらながら見てみました。
内容的には実に屈託のないアホコメディであり、人間が色んな異種族と共存しているファンタジー風の世界でオハナシが進みます。
とは言え市街地の描写は我々の世界と何も変わりませんし(八百屋や魚屋、マーケット等がある)、各家庭には電化製品が備わっていたりします。
つまりこれは真っ当なファンタジー世界ではなく、あくまで「たとえ話」としてそうなっているに過ぎません。
それはキャラの行動原理や置かれるシチュでも同じで、「エルフであるが故に、人間との婚姻をタブー視され、差別を受ける」というヒロインの境遇は、我々の社会においては、例えば「保守的な地方都市に嫁してきて冷たく遇される若妻」だとか、「被差別民として謂われのない差別、嫌がらせに遭う若妻」だとかにそのまま置き換えることが出来ます。
つまりこれは風刺コメディであって、ヒロイン達の心情は、我が身に容易に引き付けて見ることが出来ますし、それ故、「やかましいしきたりや差別なんか怖くない。大切なのは新婚の2人が愛し合い、信じ合っていることだ」というごく常識的なテーマが上手く伝わってきます。原作マンガが優れているのか、文芸の骨組みがシッカリしている感じですね。
ヒロインのミルファちゃんをはじめ、キャラもみな可愛らしく、明るさ、善良さが上手く印象づけられているのもコメディとして優れた資質です。
ギャグもそこそこ笑えて、魔女風の美女に男たちが精気を吸われてミイラ化するお約束ネタも、絵として楽しくできています。
ただエロとしては弱く、第二話でスケベ医者にミルファちゃんがエロ診療されるシーンが唯一そそるくらいで、ヌキ用にはまず使えないでしょう。故に「抜ける度」は1.5。
しかしこれは「笑って眺めるちょっとエッチな作品」ですから、そう割り切って楽しむべきですし、それで決して損はしないと思います。主題歌も可愛らしい楽曲で好印象。
ちなみに黒田氏のCVは例によってヘタクソですが、それがむしろ新妻らしい初々しさを出しているように思いました。(彩雲11型)
・新婚夫婦のラブコメディー。以前の私はほとんど陵辱物にしか興味を示さなかったが、近年、齢のせいか、あるいは見るべき陵辱物の数が少なくなってきたせいか、様々なジャンルに手を伸ばすようになってきた。そのことにより、アダルトアニメに対する視野が若干広くなったような気がする。なかなかどうして、陵辱物以外にも見るに値するアダルトアニメがそれなりに存在するではないか。この作品ははっきり言ってエロくはないが、新婚夫婦の心温まる恋愛劇は、まるで陵辱物を見すぎてすさんでしまった私の心を幾分癒してくれるかのようである。よくよく考えてみると、高校生のくせにセックスばかりしたがるマセガキや自分の子供がすでに良い年頃になってしまっている熟女妻が活躍する作品はいくらでも思い出すことができるのだが、新婚夫婦のラブストーリーは数あるアダルトアニメの中でも案外少ない。私がすぐに思いつくのは、今は亡きちぇりーそふとのダーリンくらいである。その点において、この作品は貴重であると言える。
私は以前犠母妹のレビューでアダルトアニメの全盛期は2000年から2003年にかけてであると書いたが、少し訂正させていただく。2004年以降、ただでさえ小さかったアダルトアニメ市場はさらに縮小し、今では瀕死の状態で喘いでいるのは周知の事実である。それはGREEN
BUNNYが今年市場から撤退したことからも分かる。身近なところでいうと、私は片田舎に住んでいるのだが、そこでは、いくつかのレンタルビデオショップからアダルトアニメが消えた。現在のアダルトアニメ業界がこのような体たらくであるため、必然的に過去の作品に注目がいくようになる。だから、私は今までちゃちだとみなして敬遠していた古い作品をあえて鑑賞するようになった。するとどうだろうか、意外にもこの作品を初めとしてなかなか面白いアダルトアニメが結構あるではないか。昔の作品の特徴はなにはともあれほとんどエロくない。これはアダルトアニメとしては致命的欠陥である。だから、私にとってのアダルトアニメの全盛期の認識は以前と変わらない。ただし、ストーリーや画質の面に関しては、昔のアニメを見くびっていたと私は素直に感じた。登場人物同士のやりとりに十分な時間を割くのは昔の作品の特徴である。無論
、その分だけエロシーンが短くなってしまうわけで、手放して喜べることではないが。それでも、最近の作品、とりわけ、バニラ作品に多い、使いまわしのエロシーンを多用し、無駄に時間を浪費させるよりはずいぶんとましではある。次に、画質について言及させてもらおう。私はアニメ製作の知識に関しては赤子同然であることを最初に断っておくが、アニメの画質は昔からほとんど進歩していないのではないだろうか。3D画は1990年代後半から2000年代前半にかけて飛躍的に進歩した。一方で、2D画はどうだろう。2D画は静止画と動画の2種類に分けて考えるべきだ。エロゲーCGを代表とする静止画は確かに昔に比べて綺麗になったことが素人目からも分かる(ただし、2000年以降はほとんど変化がない。)。ならば、アニメを代表とする2D動画はというと、私からすれば、昔から進歩したとはとても思えない。変わったのは絵のタッチである。昔の絵は輪郭線が太く、色彩が濃い傾向がある。一方で、最近の絵は輪郭線が細く、中間色を多用する傾向がある。私は前者が好みである。また、キャラ絵に関しては、昔のアダルトアニメに多いのは、劇画タッチである。私は劇画調のごつい女は苦手である。昔のアニメの多くをエロくないと私が思う理由はそこにもあるのかもしれない。一方で、最近のアニメのキャラ絵のいくつかは、むしろデフォルメされすぎている。怒った時のつりあがった白目、まるでニコニコマークのような単純な表情、登場人物がしばしば見せるこのような馬鹿顔は私を大いに白けさせる。このように、絵のタッチの評価は個人の好き好きであり、画質の良し悪しの判断材料にはならないだろう。素人が最も分かりやすい画質の判断材料はやはりノイズであろう。昔のアニメはノイズが多く、最近のアニメはノイズが少ないとは決して断言できない。DVDに収められた最近のアニメでも物によっては、汚いドット妨害や輪郭線の周りに大量のモスキートノイズを発生させている場合がある。結論として、最近のアニメほど画質が良いと考えるのは早計であろう。アニメの画質は発売年ではなく、ディペロッパーの技術力に大きく依存すると考えたほうが良さそうだ。以上のことから、昔に発売されたアニメだからというだけで、それを敬遠することは得策ではないということを私は認識した。
最後に、このアニメのヒロインであるミルファについて簡単に言及する。ミルファは決して大人しいわけではないが、どこか慎ましやかな雰囲気が漂う女だ。そして彼女は結婚して、人の妻になったことを素直に喜んでいる。私は彼女のこのような素朴さを大いに評価する。現在はフェミニズム全盛の時代だ。フェミニズム思想の毒牙は、文学やアニメ等のフィクションの世界にも深く及んでいる。結婚は男が女を従属させるための手段にすぎないとフェミニストたちは言う。この悲しい考えは、目には見えない形で私たちの心理を侵食していく。最近のドラマやアニメを見てみるがいい。フェミニズム思想の膨張は留まるところを知らず、ミルファのような素朴で女らしい考えをもつ人物は存在すら許されなくなってしまったように思える。せめてフィクションの世界だけは、フェミニズムの思想に縛られないかつての自由を取り戻してほしいと切に願いつつ、このレビューを締めくくらせていただく。ちなみに、抜ける度は1である。決してエロくはないが、私のおすすめのアニメである。(りぷとー)
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