華・奴隷(前・後編)

 ストーリー・森の奥に大邸宅を構えて暮らす有名画家、青木寿一郎。彼の創作エネルギーは、妻の麗華とのSMプレイだ。しかしそのただれたプレイを日々盗み見ている者がいた。内弟子の綾本薫だ。童貞の彼は、夫婦の激しい情交を目の当たりにして、絵の修行どころではなくなってしまう。やがて・・・




 ・バニラレーベルから発売された作品で、早川ナオミ氏が原作とクレジットされていますので、コミックスのアニメ化なのかもしれません。
 内容的には非常に古典的な縛りモノで、絵師が芸術のためとか何とか言って人妻をギリギリ縛り上げて人妻もアヘアヘ喜んじゃってお互いクルクルパーで良かったねというベタなストーリーです。
 オイラは例によって「人妻」記号に惹かれてフラフラと見てみたのですが、そのあまりのくだらなさ、チープさにウンザリさせられました。
 要するに本作は、「老絵師」「その若い妻」「その陰気な内弟子(書生)」「彼らの野心、芸術的探求心、獣性が幻想上の邂逅を果たす」等といった古典記号によってのみ出来ており、そこに作家の盛り込みたいテーマというものが見えないため、簡単に先読みの効く退屈な展開がダラダラ続くという印象になっています。
 エロなんですから、それでもエッチな気分にさせてくれれば文句はありませんが、本作の場合はそれもダメダメ。そこそこに淫靡な雰囲気は出ているものの、それでチンチンに来るということは全くありません。作画もヒドイので、抜くためにはほとんど使えないでしょう。
 以下、少し個人的な好き嫌いで書かせていただきますので不快に思われる方がいらっしゃいましたらお詫びしますが、早川ナオミ氏というのは、ホントにエロアニメ原作者として市場に需要などあるのでしょうか?
 オイラ個人的には、この人が絡んだエロアニで面白かった作品などとんと記憶がないのですが、なぜか「早川ナオミ原案!」などと大々的にクレジットされることも多く、業界的にはそれなりに重宝されているらしいのには首をひねるばかりです。それとも逆に、オイラの嗜好の方が市場と乖離しているのかなあ?
 本作自体の「抜ける度」は0.5。
 ちなみに業火の中でハメ続けて「気持ちいいわよ〜」なんつってる奥様と、その様をして「こ、これだ〜!」などとスケッチに興じ、自身も大火傷でぶっ倒れる内弟子というラストシーンには爆笑です。淫獣の異様さと言うより単なるアホの群れ。ったく何考えてストーリー作ってんだか。つーか何も考えてないのかも知れませんが。
(彩雲11型)


→戻る