秘湯めぐり かくれ湯 上下巻
ストーリー・半年ぶりに故郷に戻った美紀男は、老舗温泉旅館「金峰楼」を訪ねた。そこの若女将・雪野ちとせは、彼の美しい幼馴染みなのだ。しかしその夜、彼を驚愕させる事件が起こって・・・・
・メリージェーンという比較的新しいレーベルから発売された作品で、僕が以前レビューさせていただいたハレンチレストラン・アムール版の「秘湯めぐり」と同じゲームを原作としてアニメ化されています。一つの原作が別の企業によって複数回アニメ化することはちょくちょくありますが、この作品もそうです。「かくれ湯」のサブタイトルはアムール版との差別化の為でしょう。 さて、この作品の最大の特徴は値段と尺です。普通OAVは買うと大体1本6000円前後するものですが、この作品はなんと上下共に4000円程。非常にリーズナブルノと、思いきや実は尺が各巻20分ずつしかないという仕様になっています。テレビで放映された後にDVD化する通常のアニメと違い、OAVは買ってみないと中身がわからないという弊害があります。ましてやクォリティの優劣が激しいアダルトアニメ業界で消費者の目を引くのは至難の業。おそらくは尺を削ってでも値段を下げ、購入しやすいようにしようという戦略でしょう。 内容は、主人公が仕事の為にヒロインのちとせと遠距離恋愛しているという風に設定が変更されている以外はアムール版と同じく王道寝取られモノです。半年ぶりに帰郷してみると、婚約者は既にノという具合です。 見た感想ですが、作画だけならかなり高いレベルです。パッケージのスクリーンショットを見てもわかると思います。正直言って僕も結構期待していました。 しかしなんと言いましょうか、実際見てみるとイマイチ盛り上がらない。作画は確かにすばらしくカットも多いのにこれでヌこうという気にあまりならないのです。おそらく緊張感が無いせいでしょう。例によって間男にヒロインが強引に犯されるわけですが、濡れ場のテンションがずっと平板で、「まだまだ序盤ですよ」とか「ハイ、ここがクライマックス!」というアピールが弱い。どこでヌいていいのかわからない。作画が良いだけに非常にもったいないです。 下巻では作画の質は維持しているものの、コマ数が少ないのか、上巻に比べると若干のカクカク感がありました。上巻で篭絡されたヒロインが自室で間男とダラダラといつまでもエッチしているという内容ですが、やはりテンションが平板でヌキどころがわかりません。 それに動きに躍動感が無い。なんというか機械の様な一定の速度の動きで迫力が無い。男が女に腰を打ち付けているんですからもっと生命力がほどばしる様な動きじゃないとダメです。 ストーリーへの不満点を述べると、何のためにいるのかわからないキャラの存在がマイナスです。ヒロインとは別に主人公の妹分(?)の様なツインテールの女の子が登場するのですが、上巻の終盤に間男がその娘にも興味があるかの様な発言をするにも関わらず、下巻にはその娘の出番が全く無いのです。ただでさえ尺が短いというのに、わざわざ伏線を張っておいて回収しないというのはガクっときました。きっと下巻製作の段階でヒロインをちとせに絞る様に方針転換したのでしょうが、だったらそもそも上巻に登場させなければその尺を濡れ場に充てることも出来たわけで、尺が短い事を強く意識して最初にしっかり方針を固めて欲しかったです。 そんなわけで、ヌける度は1。ああ、もったいない。ここまでレベルの高い作画ですからきっとお金がかかったでしょうに、結果に結びついていないというのは非常に歯がゆいです。いや、僕が悔しがってもしょうがないんですけど。(テケメケ)
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