ブラッドロイヤル Princess.2 ミルテ

 ストーリー・隻眼の悪魔はミルテと咲夜の調教を続けていた。咲夜は彼に対して従順になった。一方で、ミルテはいまだ彼に抵抗していた。彼はミルテを大人しくさせるために、どのような調教を施すのか!?そして彼女達にはどのような将来が待ち受けているのか!?




 ・前編はエロくなかった。しかし、鬼畜・調教というテーマはしっかりと生かされていた。ならば後編はどうだろうか。後編はエロくないことはさることながら、前編のテーマから180°方向転換をして愛をテーマにしていると言える。前編で、とりわけミルテに対してあれほどの鬼畜行為を行った隻眼の悪魔は後編においてまるで別人のようである。「セックスに男も女もねぇ。」彼はジェンダー・フリー信徒が喜ぶようなことを平気で言ってのける。挙句の果てに、狂ったのか、最後に2人の女奴隷を解放してし
まう。理由は愛に目覚めたからだそうだ。
咲夜は前編からテンションが低かった。彼女は調教される前から奴隷の素質があったようだ。さしたる抵抗もせず、隻眼の悪魔の行為を受け入れた。そして驚くべきことに、彼女は奴隷になることにより以前よりむしろ積極的になった。王族といえども将来いけにえになることを前提に育てられた彼女にとっては別に不思議な変化ではなかったのかもしれない。「生きる意欲を貴方(隻眼の悪魔)に教えてもらいました。」隻眼の悪魔に解放され、今にも独り立ちせんとする彼女はすがすがしい顔をして彼に最後にこう言った。こういう結末もあるのか。しかし、私はどうもはぐらかされたような気がする。一昔前までは服さえ自分で着ることができなかった彼女はこの先独りでどのように生きていくと言うのか。彼女には奴隷よりも不幸な道が待っているのかもしれない。あるいは娼婦として生きていくのだろうか。

ミルテの心境の変化は隻眼の悪魔と同じくらい訳が分からない。前編においてゲロを顔に塗りたくられ、食糞までさせられた彼女は発狂寸前だったはずだ。それにもかかわらず、後編の彼女は何事も無かったかのようにケロッとしている。前編には遠く及ばないものの彼女はいくらかの調教を受ける。そしてそれにより彼女の自我は崩壊するのかと思いきや、この過程は本当に謎なのだが、なぜか愛に目覚め、隻眼の悪魔と和姦までするようになる。終いには、海賊の一員になって、「貴方たち、いくわよー。」とほざく。彼女は隻眼の悪魔と幸せに暮らしていくのだろう。
前編のあの救いようも無い終わり方から急変して後編でハッピーエンドに持ち込む。この無理やりさがこの物語を完全に破綻させた。誰がこのような展開を望んだと言うのか。このアニメに限らず、物語の最後まで鬼畜を貫くことのできる作品はほとんどない。どこかの団体の圧力か、あるいは製作者の自主規制か、真相は私には分からない。「抜ける度」は1である。
(りぷとー)


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