ストーリー・教会絵師見習いであるアドルフォは下賎の身でありながら、とりわけ、絵の才能に関しては誰もに認められていた。彼は非常に真面目な若者であった。アドルフォの将来の夢は絵師ではなく、神に一生を捧げたいと思っていた。身分の低い者は本来なら聖職には就けないのだが、日頃の敬虔な態度が認められ、教会の指導者であるガリアーノ師も例外を認めようとしていた。ある日、アドルフォは、彼の友人、フェルナンドに写生に行こうと誘われた。景色の美しい片田舎で、アドルフォの絵を見て感動した一人の村娘がいた。彼女の名はミカエラと言った。神に仕えることしか望んでいなかったはずのアドルフォだったが、彼女との出会いにより彼の心に情欲が芽生える。このちょっとした感情が全ての悲劇の始まりであるということも知らず・・・
・玉置勉強氏のコミックをアニメ化したものらしいです。現在はバニラレーベルからソフトが販売されていますが、発売当初からそうだったかはちと記憶が曖昧です。
さて本作は一応エロアニメという体裁をとっていますけれど、内容的にはエロ付き心理劇という感じです。つまりどちらかと言えばストーリーに重点が置かれている印象がありますが、そのストーリーがあまりにくだらないので辟易してしまいます。類型的すぎて最初からオチが読めてしまいますし、キャラにも全く魅力無し。盛りの付いたエロ兄ちゃんが悶々とする様はウザイだけです。
原作がそもそもくだらないのか、それともアニメ演出が悪いのかは分かりませんが、エロをやるならもっととことんエロく、ストーリーを見せたいならもう少しでもマシなお話しを作る努力をして欲しいです。ハッキリ言ってたった30分が退屈でたまりませんでした。
エロシーンはインキュバス(?)とアドルフォのからみが大半で、濃厚ではあるけれどもエロさはほとんど感じません。どうせ見せるならばミカエラを陵辱するシーンを濃く描くとかいう工夫が欲しかったな。まあ単にオイラの趣味に合わないだけかもしれませんが・・・。
「抜ける度」は1です。(彩雲11型)
・30分という短い時間でストーリーをそれなりに盛り込んであるので、エッチシーンが短い。これはアダルトアニメにとってはかなりの痛手である。しかも、ストーリーの都合上、夜にエッチが行われるので、暗くて見にくいったらありゃしない。この点においても減点である。顔形に関しては、アドルフォの寝込みを襲うサキュバスの顔が萌え系でなかなか良い。ちなみに彼女はアドルフォの情欲が作り出した妄想に過ぎない。彼は夢の中で彼女と交わり、そしていい年こいて夢精までしてしまうのだった。彼の神に対する敬虔な思いはぐらつき始めていた。そんな中、彼は見てはならないものを見てしまった。
尊敬していたガリアーノ師が夜な夜なシスターと姦淫していたのだ。アドルフォは教会の堕落を知り、その失意の中で完全に神と断絶してしまったのである。これらの一連のシーンにおけるエッチ描写は、夢の中でのオナニーとただの和姦に過ぎない。だから、決してエロくはなく、抜き用にはたえないのであるが、アドルフォが絶望に打ちひしがれる様は悲劇として見所である。単なるオナニーやセックスがこれほどまでに背徳行為に見えるのは、やはり性的に清くなければならない教会という舞台のせいであろう。
神への信仰心をかなぐり捨てたアドルフォはミカエラに婚約を願い出た。彼女にはすでに婚約者がおり、アドルフォもそのことを知っていた。彼はその男をあきらめろと彼女に迫った。当然、彼女は彼の申し出を丁重に断った。その時、彼の理性の箍が外れた。彼は彼女を襲い、そして姦淫した。このレイプシーンは時間の都合でほとんどカットされている。なぜだ?!と私は問いたい。視聴者が最も見たいと思うシーンはおそらくここではないのか?エロに関係の無いシーンを大幅にカットしてでも、このシーンを盛り上げた方が絶対に良かったと私は思う。
その後、物語は急展開、ミカエラは魔女として火刑に処されてしまうのだった。この展開は実に良く分からない。一方的に悪いのは強姦したアドルフォの方である。それにもかかわらず、アドルフォが無実で、ミカエラが死刑という教会の判決はいくらなんでも理不尽だ。アドルフォは絵師見習いで、教会の絵を描いていたにすぎない。しかし、庶民は彼を教会の正規の一員とみなしていたようだ。ガリアーノは教会の名誉が傷つかぬようにこのような処置をしたとかげでつぶやいた。確かに教会の権力があれば、ミカエラのような一庶民を魔女に認定し、殺してしまうのは容易いことだろう。しかしながら、アドルフォがミカエラを犯したという事実はおそらくそこら中に知れ渡っているはずだ。さすがの教会でもそれをもみ消すことはできまい。すなわち、ミカエラを殺しただけでは教会の名誉は回復しないはずだ。魔女ならばいくらでも犯しても良いという法律があるのならば話は別だが。なにはともあれ、この魔女狩りシーンは展開が急すぎて、視聴者が置いていかれることは間違いない。最後のシーンでアドルフォはなぜかシスターとセックスをしていた。サキュバスに魂を売った哀れな男の顔は醜く歪んでいた。
抜ける度は1である。(りぷとー)
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