淫夢〜生贄の宴〜「1st night」
ストーリー・ある日優美は電車内で痴漢に遭ってしまう。そしてその時から、彼女は常に何者かに視姦されているという感覚に悩まされる。これは幻想なのか、それとも?・・・(第一夜)
・2000年度にピンクパイナップルから発売されたオリジナルシリーズで、15分もののミニストーリーによるオムニバス作品という形式を取っています。 一貫したテーマに括られていて、それは「女性側の倒錯欲求を絵にする」というやつです。 つまり女性も生来的に胸に秘めている背徳的、変態的願望をまず提示し、そして劇中のヒロイン達がそれに気が付く瞬間、世界観そのものが転倒してしまうという、ショートショート風の造りになっています。 と書くと何やら文学風ですが、ストーリー自体は他愛もなく、ありふれたものです。しかしそれぞれ15分という短い尺でそれをキッチリ語り、エロも高濃度に詰め込んである誠実な制作姿勢には好感が持てます。 第一夜は、心理学的に言うとヒステリー傾向の美少女の話。 「見られている!」という彼女の強迫観念は、逆に言うと「見られたい!」という潜在願望なわけで、ちょっと筒井康隆の「脱ぐ!」という作品を思わせる、ホラー調の心理劇が上手く描けています。 エロとしては、(一見)清楚なヒロインが、痴漢にあって涙ぐみながらも感じていくシーンがとても可愛いです。 第二夜は、タカビーな女王様風のヒロインが、実は辱められたり汚されたりする変態性愛を無意識に求めていたという話で、言ってみれば第一夜の倒錯内容をすげ替えただけですが、ヒロインの迫力あるキャラと、ギッチリ詰まったエロによって、小気味よいドラマに仕上がっています。 エロとしては、尺の大半を使った緊縛、羞恥プレイが圧巻!とてもエッチで良いです。 グラマーなヒロインがギチギチに縄を掛けられ、「犬」と蔑んだ男から散々言葉責めやディルドー責めなどを受け、泣きながらも歓喜の声を上げていく様は興奮必至でしょう。 以上書きましたように、本作で評価したい点は、 ・オリジナル作品であること ・陳腐なりに丁寧なシナリオを用意していること ・エロとしてまずまず濃いこと というところでありましょう。 何でもないことのように思えますが、こういうことがシッカリ出来ていない作品も多いですから、本作の誠実な仕事ぶりは高く評価したいです。 またシリーズ作品ということを強調するため、狂言回し役の女占い師(?)を設定したり、触手という意匠でエロシーンを統一したりという、丁寧な気配りも良いと思います。こういう粋な作品がもっと増えるとイイのになあ。 「抜ける度」はオマケして3です。(彩雲11型)
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