淫夢〜生贄の宴〜「2nd night」

 ストーリー・水泳部の桜木亜紀は、ボーイッシュな先輩、比奈川泉美に憧れの念を抱いていた。しかし泉美の方でも秘かに亜紀を意識していたのだ。亜紀の下着を盗み、1人淫靡な愉悦に浸る泉美。しかしある日、亜紀がボーイフレンドとデートをすると聞いた泉美は・・・。(第三夜)

 女子大生の葵は、対人関係が上手く結べず、孤独な世界に引き籠もっていた。ある日奇妙なアンティークショップで美しい人形を購入した彼女は、その人形を相手にひたすら自慰を繰り返すようになる。やがて登校することもやめてしまった彼女に、突然人形が語りかけてきた・・・。(第四夜)




 ・オリジナルシリーズの二巻目にして完結編です。一巻目同様、女性側の倒錯願望にスポットを当てたショートショート風心理劇という構成になっています。
 第三夜は百合願望、というか、可愛い後輩の女の子を、むしろ男性的に支配したいというマニッシュな女性の心理を描いています。
 ありきたりではありますが、女子校などではホントにありそうなドラマで、
泉美の屈折ぶりとも相まってそこそこ飽きさせません。
 エロシーンは大きく分けて2つで、1つは
泉美のやたらと長いオナシーン。亜紀のスキャンティーを嗅ぎながらハァハァする様子はもろオヤジですが、自慰ネタの好きな人には楽しめるでしょう。
 もう1つはクライマックスとなる強制レズシーンで、これはプールの中での行為なのがちょっと珍しいかも。
 土手をねちっこくペッティングされ、とまどいながらも官能に呑まれてゆく亜紀ちゃんはとても可愛いです。オイラは百合好きということもあって好印象でした。
 第四夜は、ピグマリオンコンプレックス・・・と言うよりは、自らを人形として世界から隔絶してしまいたいという、ヒッキーな女の子の自閉心理を描いています。
 なるほど発想は面白いのですが、それが上手く性描写と結び付かなかったのが難と言えるでしょうか。
 何しろシーンのほとんどはヒロインの自慰描写ばかりで、どうもダラダラしている感じです。
 人形が自我を表明し、ヒロインを夢幻に引きずり込むクライマックスも、ヒロインの反応がボンヤリしていて緊張感に欠けます。
 それが望んだ世界であるにせよ、いざ足を踏み入れるとなると、背徳に対する恐怖と罪悪感で竦んでしまう、そういう複雑な心理がもっと活写されていればずっと良くなったと思うのですが・・・。
 この第四夜は作画も今ひとつで、他の三作に比べるとどうもシマリのない仕上がりなのが残念です。シリーズのオチとなる話なのですから、もっと気合いの入った演出をして欲しかったです。
 等々厳しいことも書きましたが、シリーズを通してみると、カッチリと丁寧に作られた良作と評せましょう。
 昨今のエロアニメというとゲーム原作ばかりが目に付きますが、こういうイケてるオリジナルシリーズを生み出す努力ももっとして欲しいです。
 2巻の「抜ける度」は2です。
(彩雲11型)


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