淫夢2〜恥辱の果肉祭〜「1st night」
ストーリー・バージンのユウリは、なかなか彼氏と一線を越える勇気が持てないでいた。そんなある日、ユウリは自分ソックリの風俗嬢が存在するという噂を聞く。そしてその店に彼氏が入り浸っているというショッキングな噂も・・・(「幻影」)
・2000年にピンクパイナップルから発売されたオリジナルシリーズの続編です。オムニバス形式でホラー調のショートショート風エロを描くという体裁は前作と変わりませんが、実際見てみますとかなり別物のシリーズになってしまっている感があります。 「幻影」は、淫らな快楽に溺れることを欲しながらそれを自覚できず、そのため無意識に自己破壊を望むようになってしまった女の子の話。 その妄執はやがての彼女のドッペルゲンゲルを産み、果てにはその分身の方へ自我が統一されてしまうというオチになっています。ドッペルゲンゲル(ドッペルゲンガー)と書きましたが、それはドラマ演出上そうなっているのであって、見方によっては、乖離(人格分裂)を起こした若い女性がやがて後から発生したパーソナリティに統合、吸収されてしまう心理劇だと考えることも出来るでしょう。 とか書くと何やら高級そうですが、実際の作品はかなり陳腐な出来で、そのドラマに引き込まれてしまうような迫力はありません。オチも最初からミエミエですし。 エロとしては、長く尺を割いている風俗店でのシーンより、ヒロインのユウリが妄想の中で犯されるシーンのが良かったです。台所での緊縛レイプなので、何か新妻が暴漢に犯されているようでそそりました。 「エクセンシブ・ラブ」は、ヒロインの看護婦がとても可愛く、性格的にもよい子なのでその点なごみます。 エロとしても、彼女が病室でギチギチに緊縛され、魔物と化した男にムチャクチャにされるなど美味しいです。(大木のようになったペニスを挿入されて腹がふくれあがるなどモノスゴイ) 問題はドラマです。と言いますのも、この「エクセンシブ・ラブ」で、本作はシリーズのフォーマットを完全に逸脱してしまうのです。 レビューでも書きましたが、前作は「女性側の倒錯欲求を絵にする」ということを4つの短編共通のテーマとし、それによってシリーズが括られているという、ある種パッケージの美しさがありました。 しかしこの新作ではそのテーマ性は希薄になり、「エクセンシブ・ラブ」では逆に男性側の妄執がメインとなってしまっています。 もちろん新作ではテーマを異にしたって良いんですが、どうも新しいテーマを模索しようとしてこうなったのではなく、単にネタ枯れになってるだけのような気がします。故に見ていてどうも散漫な印象を抱いてしまう。前作がシリーズを通して倒錯心理を描こうとしていたのに対し、新作は単なるエロ付き「世にも奇妙な物語」になってしまってるような・・・。いずれにせよ、前作が良かっただけにやや残念な仕上がりだと感じました。 ちなみに作画は前作よりも非常にシャープで小気味よいです。しかしそのためかえって淫靡さを欠いてしまった感もあります。この辺は好きずきでしょうが、オイラ的にはもう少し粘っこい作画の方がエロには向いていると思います。 「抜ける度」は2としておきます。(彩雲11型)
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