淫夢2〜彷徨の肉奴隷〜「2nd night」

 ストーリー・カードゲーム選手権での優勝を目論む男、高坂。そのために闇のカードを手に入れた彼は、それを使ってカードゲーム界の女王、笹島レイナを陵辱、支配するが・・・(「闇のカード」)
 少年だった夏の日、男は肉感的な義母に誘惑され、禁断の一線を越えた。自ら求めたものではないその快楽に、やがて男の精神は支配されるようになり・・・(「夏に溺れて」)




 ・前シリーズから数えると4巻目にあたる作品で、これで完結ということになっているようです。
 「闇のカード」は、権勢欲に煽られて悪魔に魂を売り、身を滅ぼす男の話。童話で良くあるネタと言いますか、落語の「死神」風と言いますか、いずれにしても陳腐なプロットだと感じました。
 反面エロとしてはなかなかサービス精神にあふれていて悪くないです。
 前半はカードの精(?)である女の子たちとハメ倒し、淫らな御奉仕を強います。そして後半はカードゲームクイーンの女性を陵辱する展開です。いずれも濃厚ですし、特にカードクイーンのシーンでは精神支配みたいなノリもあってそそりますね。
 「夏に溺れて」は、義母との性交というタブーを犯した少年の話。状況説明やセリフはほとんど無く、少年の回想の中でエロシーンだけがずーっと続くという感じです。ちょっとイメージビデオっぽいかな。
 義母との行為のシーンはなかなか良く、豊満な熟女の、むさぼるようなと言いますか挑みかかるようなと言いますか、とにかく攻撃的なセックスが大迫力です。ちょっと逆レイプっぽいノリもありますので、そういうのが好きな人には良いと思います。
 また義母の毒気に当てられて頭がクルクルパーになっちゃった少年が、やがてセックスのイニシアチブを我が手に引き寄せようとするあたりもドラマとして面白いです。
 「闇のカード」、「夏に溺れて」に共通する難点としては、シリーズとしてのフォーマットを完全に踏み外してしまったことでしょう。
「1nd night」でも書いたことが、より鮮明になった感じです。
 つまり一本一本のエピソードは特にめざましい出来ではなく、話としても陳腐なのに、シリーズとしてまとめて見ると妖しい魅力を放つというのが「淫夢」というシリーズの良いところだったのに、そこがスポイルされてしまった感じです。
 キャラものの4コママンガなんかでも、一本一本はつまらないのに、単行本で読むと味わいがあったりするのがありますが、そういう良さが無くなってしまいました。一貫したテーマに括られておらず、そこそこに見られる短編をただ並べたという感じになってしまったのです。
 当然に、狂言回し役の占い師も何のために出てくるのか分からなくなっており、その統一感の無さはとても残念だと思いました。
 ちなみに作画は
「1nd night」同様かなりハイグレードです。しかし淫靡さを欠く点も同じで、ここは好みの分かれるところでしょう。
「抜ける度」は2としておきます。
(彩雲11型)


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