淫獣学園EX(全4巻)

 ストーリー・雨の中で出会ったハンサムな青年、松永秀正に一目惚れをしてしまった巫女。初恋に気もそぞろな彼女だが、しかし色魔淫界では、大王が謎の笛の音に苦しめられていた。異変の背後には、400年前に恨みを呑んで果てた武将、狂屍郎と、その許嫁であった色魔、遮那姫の怨念があったのだ。甦った遮那姫は若い娘の生気を奪って次々と死に至らしめ、一方狂屍郎も魔物として甦り、秀正をさらってしまう。果たして巫女は秀正を、そして色魔淫界を救えるのか?




 ・EXと名の付いた新シリーズで、全4巻かけて巫女ちゃんの初恋悲恋を描いています。と言っても内容的に特に目新しいモノがあるわけではなく、いつも通りに因縁譚を絡めた淫術合戦という感じですね。
 戦国の奸雄、松永久秀のエピソードがモチーフとして使われており、オハナシ的にも戦国へのタイムスリップシーンがあるなど、全体の構成は長尺シリーズらしく壮大です。またしばらく出番の無かった
夜久ちゃんがレギュラーとして復帰し、巫女や吹雪と共闘するなど、シリーズオールスター的なサービスもファンには嬉しいところでしょう。
 しかし「エロとして弱い!」ということが、この豪華シリーズを台無しにしています。各巻それぞれにエロシーンは結構入っているのですが、どれも印象の薄い、おざなりな感じになっているのは残念です。
 せっかく出てきた
夜久ちゃんや吹雪ちゃんも、一応犯されるシーンはあるものの、何だかルーチンワークのような、脂っこさのない処理をされています。吹雪が狂屍郎の淫術にかかって下僕になってしまうなど、ネタとしてはとても美味しいのに、演出が悪くてちっともチンポに来ないのです。
 要のエロがそうですと、全4巻という長尺も、豪華と言うよりはただダラダラと冗長に思えてしまいます。逆に言うと、尺の長さがスタッフの緊張感を薄めてしまった気がしますね。人間は余裕があると努力をしません。アイルマニアックスが15分でムチャ濃いエロを作ったように、制約があるとかえって気合いの入った仕事が出来たりします。本作も、せめて半分の尺にして、脚本の段階からもっと工夫をこらし、エロを詰め込むべきだったと思います。
 ちなみに復活した
夜久ちゃんはCVが交代になっていて、別人のように(別人だけど)上手な演技が楽しめます。この点は良かったですね。
 全4巻まとめての「抜ける度」は1.5です。この4巻分で、一応最初の「淫獣学園」シリーズは全完ということになります。
(彩雲11型)


→戻る