かぎろひ〜匂景〜(上・下巻)

 ストーリー・とある村で崇められている古代神「イザナミ」。その生贄に捧げられることになった少女・紫陽花を救おうと、彼女に想いを寄せる少年・葵が駆け付けるが・・・・



 ・2009年から2010年にかけて「PoRO」というレーベルさんから2巻構成で頒布された作品で、PCゲームが原作となっているそうです。
 ジャンルとしては触手モノということになりましょうが、どうも肝心の触手シーンのノリが悪く、それが全体の印象までをも薄弱にしてしまっているキライがあります。
 何と言いますか、4人登場するヒロインらがそれぞれ義務的に濡れ場をこなしている印象で、制作者の「このシーンを見せたい!抜かせたい!」という気迫が伝わってきません。
 もしかしたらこれは、原作ゲームのエピソードをなるべくアニメにも盛り込もうとして、かえって中途半端な仕上がりになってしまったのではないかなと感じました。
 つまりゲームでは4人それぞれのルートがあったりするのでしょうが、それらをチョコチョコとつまみ食い的にアニメへ取り込み、「全ルートが簡単に見れてお得ですよ」的な商品に仕立てているような・・・・いえオイラの勝手な想像に過ぎませんが。
 ヒロインらの履歴や人となり、また世界観の詳しい説明が一切省かれていることも、そうした印象を助長しています。つまり、既にゲームをプレイした人に、サービスとしてアニメ版も提供しますよというスタンスが透けて見えてしまうのです。
 そうした作劇や商売も無論アリだとは思いますが、オイラのようにアニメ版だけを見るユーザーにとっては、「お話しがよく分からないな、テンションも低いな」というマイナス面ばかりが際立ってしまい、それが本作を「絵的には綺麗に作られたダイジェスト版」のような印象に見せているのは残念です。
 オイラ的に「抜ける度」は2。
 ちなみに上で書いたように作画はまずまず上質ですが、触手はプリプリしたカワイイ印象のデザインで、古代の忌み神らしい不気味さ、グロテスクさを欠く感があるのは難だと感じました。
(彩雲11型)


→戻る