カンブリアン(全2巻)

 ストーリー・倫理観無視の実験を行い、学会を放逐された老科学者、山岸。彼を慕っていた美貌の研究生、恵子の前に、ある日山岸が再び現れた。何と彼は20代の若者のような外見になっていて・・・



 ・2005〜6年にミルキーレーベルから2巻構成で頒布されたアニメで、三山のぼる氏がヤングジャンプ誌に連載していたコミックが原作となっているそうです。
 内容的には一種のバイオハザードものであり、狂気の科学者の実験により、人体を変異させる因子がはびこりはじめ、巻き込まれた主人公やヒロインが色々エロい目に遭うというオハナシ。ジャンルとしてはサスペンス触手エロスとでもなりましょうか。
 さすがはコミックが原作だけあって、ストーリー構築はベタながらシッカリしていますし、キャラの心情描写もまずまずです。
 作品としての難点は、あまりにも尻切れトンボなこと。
 中途で打ち切りが茶飯事のミルキー作品にあって、キチンと「終わり」のクレジットが出るのは価値だという見方もありましょうが、これでは実質打ち切りとおんなじです。
 原作マンガを読んでいませんので確かなことは分かりませんが、物語全体のプロローグ部分がようやく終わっただけという感じ。
 ラストはヒロインがデビルマンレディみたいになってカッコイイんですが、ザコというのも馬鹿馬鹿しいチンピラを一匹くびり殺しただけで終わってしまいます。
 真の悪党たるマッドサイエンティストらもバキバキぶっ殺せばさぞかし痛快な作品になっただろうと想像され、その中途半端ぶりは残念です。
 一方で美点は、その作画の上質さに尽きます。
 同じくビジュアルの素晴らしさで評判だった「バイブルブラック」のプロデューサーさんが手がけているそうで、豊満、かつ固く張りのある女体作画はホントに美しい。それを愛でるだけで価値があると思います。
 ただ劇画調に振った絵なので、カワイイ萌え絵が好きな人にはアピールしにくいでしょうし、止め絵による表現も多いので、見る人によっては手抜きと映ることがあるかもしれません。
 また大きなウリとして多彩な触手シーンがありますが、確かに分量は多いものの、いささかネチっこさに欠ける感があり、触手好きのリビドーに強く訴えるかどうかは微妙でしょう。
 「抜ける度」は2.5とします。
(彩雲11型)


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