犠母妹 壱「背徳の萌蕾(つぼみ)」

 ストーリー・主人公、恭介は実の両親とすでに死別しており、現在彼の父の再婚相手、すなわち、彼の義母にあたる恵及び彼女の前夫との間の子供である義妹の悠奈といっしょに暮らしていた。すでに亡き恭介の父、和馬は画壇の巨匠であり、彼の絵は莫大な遺産として残った。恭介と恵は和馬の遺産の件で対立していた。ある日、恵は恭介にある取引を持ちかけてきた。「私に和馬さんの遺産の管理を全て任せてもらえないかしら。その代わり、貴方は私の娘を好きなように弄んでもいいわ。」と。悪魔の取引がその時交わされるのであった。



 ・(下のりぷとー様の評では一巻、二巻を分けて評しておられますが、オイラはまとめて評させていただきます。)
ディスカバリーから二巻構成で発売された作品で、原作は例によってPCゲームらしいです。ディスカバリーもさあ、いつも作品の質は良いんですから、もっとオリジナル作品を手がけてくれないかなあ。
 なんて愚痴はさておき本作自体の内容について書きますと、非常にシンプルな義母、義妹調教モノです。画家とその遺作にまつわる因縁譚をからめて一見ややこしい内容のように見せていますが、それによってストーリーやエロシーンが特にドラマチックになったりするわけではないので、まったりと母娘調教を眺めていられます(^^)。
 そう書くと何やら退屈な印象の作品のように思われるかもしれませんがそうでもありません。確かにストーリーでグイグイ引き込むような要素はありませんが(絵画に隠された秘密・・・みたいなのが主軸にはあるんですが、オチがミエミエなのでドラマの牽引力たり得ません)、エロシーンが非常に多く、かつ描写も丁寧なので、エロアニメとしてはまずまず楽しく見ることが出来ると思います。
 また前、後編でエロの対象に差違を持たせ、メリハリを付けているのも良いと思います。
 一巻目は義妹調教オンリーで、気弱そうな少女を淫乱奴隷に仕立てていく過程が楽しめます。妹とかヒンヌー属性がツボの人にはアピールする内容でしょう。
 
対して二巻目では義母調教がメインとなり、タカビーな人妻を屈服させていく様子がエロいです。こちらは熟女、巨乳属性の人に良いでしょう。義母の恵さんのCVは非常にハスキー・・・というかガラガラ声に近いオバハン味で、好みは分かれるでしょうがオイラは良いと思いました。
 かよう、本作はストーリー面がやや弱いものの、エロシーンの誠実な作りによってそこそこの良作となっているように思います。
 カッチリした作画は淫靡さを欠くような印象もありますが、それでも十分に水準以上でしょう。
 「抜ける度」は2.5。地味だけれど見る価値のある作品だと思います。
(彩雲11型)

 ・アダルトアニメメーカー、DISCOVERYが最も油に乗っていた時期に発売された作品。以前にもどこかで言及したかもしれないが、アダルトアニメの全盛期は2000-2003年であると私はみなしている。これは同メーカーの夜勤病棟シリーズが量産された時期に重なる。いやむしろ、私は夜勤病棟シリーズに特別な思い入れがあるので、夜勤病棟シリーズ量産期=アダルトアニメの全盛期とみなしているといったほうが正確かもしれない。ただし、夜勤病棟シリーズを抜きにしても、この時期はどのメーカーも積極的にアダルトアニメを製作していたように思われる。その中でもDISCOVERYは私にとって非常に輝いて見えた。
現在冷静になって考えてみると、DISCOVERY作品は他のメーカーと同じように地雷が多いことに気づかされる。しかしながら、当時のDISCOVERYが新作を発売する度に、彼らは何かをやらかしてくれると私は常に期待したものだ。DISCOVERYの最高傑作は問答無用に夜勤病棟シリーズであると言えるが、これらはあまりにも特異的な描写、脱糞描写に頼りすぎていた(もちろん、私はこのスタンスに肯定的である。)。
脱糞描写に依存しないエロさという点では、犠母妹は夜勤病棟シリーズを上回ると私は思う。
それでは、犠母妹のどこが優れているのかを説明する。犠母妹はSELENという会社のエロゲーが原作らしい。原作をプレーしたことがないので、詳しいことは良く分からないが、SELENのホームページを見ると、原作ではエロの対象となる女が最低でも4人はいるみたいだ。アニメでも悠奈と恵の他に悠奈の友人と恵の下で働いている女がほんの短時間登場する。犠母妹は2話完結である。もし4人以上の女が出演し、彼女たちにエロシーンがまんべんなく与えられていたのならば、低密度で細切れのエロシーンばかりを見せ付けられたであろう。こうなることを恐れてか、製作者は思い切った行動に出た。エロの対象を2人だけに絞ったのである。この潔い決断は間違いなく功をせいしたように思われる。結果として、2話とも非常に密度の濃い作品に仕上がった。
登場人物を減らすということは、当然残されたキャラクターの魅力をよりいっそう高めなくてはならないというリスクを伴う。原作の設定が良かったのか、悠奈と恵は実に魅惑的なキャラクターであり、私は安心した。とりわけ、悠奈には壷にはまった。彼女は控えめで、大人しく、家庭的で、なによりもロリキャラなところが良い。私は色っぽいキャラよりも断然ロリキャラのほうが好みである。しかし、残念ながら、どうやらロリキャラ好みの人間にとって暗黒時代が到来しそうである。18禁ポルノにおいて18歳未満に見えるキャラクターは児童ポルノに認定されるらしい。2002年(ちょうど、犠母妹が発売された年である。) に児童ポルノ法改正が問題になった。あの時はどうにかなったが、今度こそいよいよ駄目そうだ。最近は東京都を中心にポルノに対する規制がより強くなっているように思われる。これらの規制を強化して得をする人間は一体誰なのか?規制肯定派の意見として最も耳にするのが、規制による性犯罪の抑止力だ。これはどれだけ有力な説であり得るのか?西洋の諺に禁じられた果実は一番おいしいというのがある。人間は禁じられれば禁じられるほど、それを行いたくなる心理をもっている。なに
もかも規制すれば良いという考えはお粗末であり、規制はむしろ犯罪を助長すらしかねないことを為政者は肝に命じるべきだ。児童ポルノ法に関して、実際の女に対する規制に関する意見は手に余るので、ここでは述べない。一方で、絵の女に関する規制には断固反対である。ポルノとは直接関係ないが、近日可決され得る共謀罪は恐ろしい法律だ。他者との間で交わされる会話や文章に犯罪性が認められれば、それだけで逮捕され得るらしい。例えば、私は上記で児童ポルノ法について言及したが、最悪の場合、それだけでロリコン犯罪者のレッテルを貼られ、逮捕されてしまう可能性がでてくるのである。現在の政府は、色々と思惑があるのだろうが、次々と表現の自由に規制を設けようと躍起である。表現の自由は集会・結社の自由とともに自由民主主義国家においてなくてはならないものである。国家の主権者たる国民は政府にNoと言うべき時はちゃんと行動すべきである。
話が大幅にずれてしまったので、本題に戻る。悠奈は上記で述べたように大人しく、控えめで淫乱とはほど遠い。結果的には恭介の調教により淫乱になってしまうのだが、その過程が実に時間をかけて描かれているのが良い。女がやたら登場するアダルトアニメでは、無垢な処女であったにも関わらず、男にいきなり挿入されると、時間の都合で何の前触れもなく、まるで経験豊かな娼婦のように感じ始め、あげくの果てに、1回のセックスシーンで終わりという散々なものに仕上がってしまうことが多い。
クライマックスでは、悠奈が恭介に縄で縛られ、洗濯はさみで乳首とクリトリスをはさまれる。このシーンは実にエロい。アダルトアニメの中でもトップクラスにエロい。その中でも悠奈の表情が特にエロい。犠母妹のキャラ絵は原作のCGよりもむしろ好みだ。CGからアニメ絵になると、キャラ絵が劣化するアニメが多い中、犠母妹は珍しい作品である。縛られている悠奈は見方によれば小○生にも見える。
もちろん、当時は児童ポルノ法改正でゆれていたこともあってか、他のシーンで悠奈は18歳であるということが強調されている。18歳と言えば、高校3年生だ。となると、彼女は同じ学校に通っている恭介と同級生ということになる。同級生がおにいちゃんと呼ぶのは変じゃないか?わざわざ悠奈を18歳であると明言しなくても良いのに、やはり圧力が相当なものだったのだろうか?そういえば、夜勤病棟Karte.4で比良坂竜二がロリキャラの児玉ひかるを犯す前に、「(児玉光は)本当に20代なのか、どう見たって10代に見えるぞ。」という発言があった。これはひかるがロリキャラであることを強調するために言ったと最初見た時に思ったが、そうではなくて、彼女が20代であることを実はアピールしたかったのかもしれない。
最後は、恭介と悠奈の和姦シーンで幕を閉じる。このシーンは、前のクライマックスシーンが盛り上がりすぎたこともあってか、残念ながらあまりエロくない。
犠母妹はストーリー構成、キャラクター設定に関して非常にバランスがとれている。そして何よりもちりばめられているエロシーンがエロい。夜勤病棟を除いて、感銘を受けたアダルトアニメで最も印象に残っているのが、この犠母妹である。よって、ちょっと甘めかもしれないが、抜ける度は最高点の5にしておく。
(りぷとー)


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