鬼作魂(全3巻)

 ストーリー・天罰が当たったのか、兄たち同様に命を落としてしまった鬼作。しかし懲りない彼の魂は霊界からさまよい出て、「肉壺」たちの元へ舞い戻ってきた!



 
 ・2004〜2005年にかけて、ピンパイさんから三巻構成でリリースされたシリーズです。
 タイトルは「きさくスピリット」と読むのだそうですが、これがアニメオリジナルのスピンオフ企画なのか、あるいは原作ゲームがキチンと存在するのかは浅学にして存じません。
 さて本作は、そのタイトルからして、「鬼作」の番外編、あるいは姉妹編のような内容かと思っていたのですが、意外やそうではなく、前アニメシリーズからストーリー的にキチンと繋がっていました。
 よってキャラたちも共通していますし、彼らの境遇や心情も前作からの流れとして描写されます。だから内容をより良く理解するには、先に前シリーズを視聴しておいた方がベターでしょう。
 ドラマ内容は、死んだ鬼作の魂が、彼とソックリなサラリーマンに乗り移り、ヒロインたちを次々と犯すだけ。
 実にシンプルで分かりやすいですし、憑依されるサラリーマンが普段は気弱で三枚目というキャラのため、ちょっとスーパーマン風と言いますか、変身ヒーローもののようなノリになっていて楽しいです。
 ただ前シリーズでも感じたのですが、「鬼作」という作品はコメディとしては優れた資質を持っているのに、陵辱シーンがちと本格的すぎて、全体として中途半端な印象になってしまっているキライがあります。
 つまり鬼作という人物自体は「悪いヤツだけどちょっと憎めない」キャラとして成立しているのに、犯されるキャラたちが半端なく泣いてイヤがる展開ばかりなので(監督は金澤氏ですし)、ドラマとして鬼作のキャラを活かしきっていないように感じました。
 レイプを扱うにせよ、作品のカラーを陰惨にしない演出方は色々あると思うのですが、本作はその辺が上手くいっていない印象ですね。
 「抜ける度」はオイラ的には2.5。
 ちなみにキーキャラとして登場するナゾの少女は、その存在自体がドラマにミステリアスな緊迫感を与えていますし、彼女がシメるオチも「ああそうだったのか!」と無理なく胸に落ちる感じで、なかなか良いと思いました。
(彩雲11型)


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