コール・ミー・トゥナイト

 

 ストーリー・女子高生の夏見ルミは、テレクラ「マドンナ」のオーナーだ。彼女の店を任せているエミから連絡があった。それによると電話をくれた「杉浦了」クンは、オナニーをすると体が変わってしまううえに、ヘンな幻覚も見てしまうらしい。待ち合わせた喫茶店(喫茶店と言うよりもむしろファミレスに見えたが)へ、テレクラ店員の一人として赴き、さっそく彼にここでオナニーしてと言ったがしれくれないので(当たり前だ!)彼に擦り寄りエッチな刺激を与えてみると…あれまぁ、パケモンになっちゃった…こいつ一体なんなのぉ!!


・pink noise vol.1として登場した本作、LPレコードまで発売されると言う、それなりの大きなプロジェクトだったようだ。この pink noise シリーズはC.MOONレーベルのオリジナルでちょっとえっちなタイプのモノ用だったようだ。よって、ほぼ同時期に出た原作付き作品「傷追い人」シリーズでは pink noiseシリーズとの記載はなく、その後に登場する「魔龍戦紀」シリーズがvol.2以降の作品になる。なお、このコールミートゥナイトの続編は出てないようだ。

・1986年の夏、他の夏休みアニメ群の中にこの作品はあった。まぁ、夏休みアニメったってそれは単に発売時期からそう呼んでるのであって、これも併せて自分で借りたり、または友達が借りて来たりで、あの夏は確かにいろいろ見たなぁ、どれが本命だったかなんてのはなく、OVAだったので見れる限り見た。では本作の周囲でどのような作品群だったかいくつかを挙げてみよう。 先ずは話題作の「童話めいた戦史 ウインダリア」、キャラクター名こそ同じだが時代すらも変わり、TVシリーズとは違う完全オリジナル構成作品となった「機甲界ガリアン 鉄の紋章」、TV最終回のラストシーンへと続く前日談となる「装甲騎兵ボトムズ ビッグ・バトル」、ヒロインが裸になる意義を問いたくなるが、なんだかんだと喜ばせて頂いた「戦え!! イクサー1 ACT2 イクサーΣの挑戦」、劇場公開もされたらしい、実は小説版は総ページの半分がエロエロ(しかも、ずぅれぇのみ)な「ガルフォース エターナルストーリー」、ここまでは60分クラスかそれ以上の作品ばかり。加えてこのサイトでも紹介されている「バイオレンスジャック」、後でも少し触れる事になる「傷追い人」と、なかなかでかいタイトルのラッシュだな。おっと、さらに言えばオリジナル長編作品「プロジェクトA子」と、同時上映で亜美シリーズ最終章となる「旅立ちー亜美・終章ー」も発売されることとなる。
 ならば当サイトにて本命足る18禁アニメならば如何なるタイトルが上がってるのかな?エロアニメの質を疑ってしまう「なりすスクランブル」…あれ?パワー不足もいい所だね。スタッフ名を隠さないオリジナル18禁アニメとして「リヨン伝説フレア」が登場、加えて原作付きでも「愛しのベティ 魔物語」が登場っと。…んっ?でも「愛しの…」は販売18禁作品で劇場公開15禁作品なので、厳密には純粋な18禁作品ではないがね。 何かと「話題作」には欠いてはいませんがな。

・自称15禁アニメ、どの様な立ち位置を示せたのだろうか?オナニーだのエロ本だの、個室ビデオやらエッチな映画やら…一般では使わんようなネタを使ったから15禁か?…シチュエーションは色々あるんだが、イマイチ魅力に欠ける。…裸体の描写そのものが控えめと言うことだな…もちろん女性のね。先ずそちらでしょ、15禁を名乗るためには。裸体描写による集客力については、ぶっちゃけ厳しい…そこに関して言えば、裸体表現のある他の一般OVAを見たほうがよっぽど良いのだ。その演出を差っ引いても十分面白い作品たちと言えよう。15禁を名乗る前にOVA、放送ルールなんて関係ないんだから。いろんな、感覚は人それぞれとは言え、下手に15禁を名乗った所為か、余計に枷をはめてしまうことになってしまったようだ。その、単純にどど〜んと言った表現ではなく、複雑なシチュを使ったのが逆に「表現したかった事」と「表現した事」とのギャップと化したのだろう。

・では、そのシーン全体でどうだったのかだが、先ずは了くんの部屋のエロポスター、まぁ15禁を名乗るからにはこれ位は当然か。ついでに言えば、微妙にずらしてと言うか、ズボンのアップだけだが、了くんのオナニーのシーンは要らん。わかりずらかったし…ふっ、でもさぁ、この年度の冬にうろつき童子が出て、南雲のオナニーがあることからすると、この年度は、男のオナニーが目立つよなぁ。おっと、次に入ったのが、エロい映画を見るシーンだな。触手型っぽいエイリアンに、なんかの宇宙船の女性クルーが絡まれて、あれやこれや。次にヒロインのルミのシャワーシーンが入るのだが、これが問題。乳首の塗り分けをしたキャラが、実は初めのポスターの女性だけで、メインのルミも、先ほどの映画のヒロインも、次に述べる人のも塗り分け無し。加えてそのシャワーシーンでアップと言えるアップも無く、程々引いたカットでシャワーを浴びてるだけ。一般的なアニメでは、顔のアップだけとかにするだろうが、その顔アップも入らないのでヒロインの印象付けのみでも弱い…ようやくのヒロインのおハダなのに。んで、最後にスケ番おユキさんの、どう見ても了くんに乗っかってるとしか見えないシーン。まぁ、そこでも乳首の色の塗り分けは無かったが、その、乗っかってるの意味ね、そのシーンの前に、了くんのズボンのチャックに手をかけてたし、その、あけたと思われるところに全裸で座ってたら…ですよねぇ、やってますよねぇ。一般アニメでなにしてんだか。…とは言え、エンディングのあのシーンを思えば、やはり「直に」やってないことには、辻褄が合わないように思えなくも無い、止むなしか?今ならやはりアダルトアニメ向きだろうな…アダルトアニメで作ってください。

・どうにも全編突っ込みどころ満載だったために、どうまとめればよかったのか、訳がわかんないんで、もう、こうするしか…テレクラって、そんなに簡単に使えるもんなの?ルミのテクニックはどこから出てるの?テレクラのオーナーがお客と親密になるのは、不味くないかね?スケ番のおユキさん、一年中スケ番セーラーを着てんの?あんたが居たあの喫茶店、どう見たって喫茶店には見えないし、おまけに未成年が酒とタバコやれるなんて、ヘンだろ?ついでに、あんたのその何年前のものかわからん格好はどうにもなりませんかね?メガネのマッチョねーさんさ、バズーカって、あの距離では爆発する?周りの人を巻き込んだりしないの?う〜んと、それから結局誰と誰がどういう関係だったの?エンディング曲の歌手名に「夏美エミ」ってあったけど、歌手名?それともキャラ名?キャラ名なら事実上、ルミがオーナーってのは名貸しだよね?おっと、忘れるところだった、了クン、エンディング間際のあのセリフ、ルミと会った時に言ってたあのセリフ、おかしくないかね?ストーリーがその日一日だけのものであれば、さして問題があるとは思えないが、それなりに仲良くなるだけの日数、経ってましたよねぇ、あれでは。…とにかく突っ込みすぎの突っ込みどころだらけでした。

・演出のキメとなるシーンがあれ、了くんの見てる前、ルミが公園で、雨に打たれて下着を透けさせるというもの。うん、映像的には結構いいよ、表情とかポーズとか、今見たら「ほぉ、これはこれは。」ってな感じで。当時はどうとも思わんかったけどね。でもそれで良かったのかな?周りには誰もいなかったんだから、いっそ全裸になっちまった方が良かったんでね?彼のHな刺激へ慣れさせるための対応、どのレベルで必要だったのかな?エロ本とかエロビデオを見せるレベル、透け下着のレベル、裸を見せるレベル。そうだ、裸といえばどっかのホテルに一旦逃げたときに、ルミはバスタオル一枚になったりもしてたわけで、いっそその場で見せても良かったんでないかとも思うんだ、あの後でHな刺激に慣れさせようと思ったわけだけど。ラスでもそう、彼がまともになったかどうかで肌を見せて確かめるけど、それも下着は付けたままだったしね。でも、本来期待した表現からしたら、上ぐらいは全見せでしょ?下はともかくね。
 ついでにふと…「下着が透けるまで雨に打たれる場合、一時間当たり○○ミリの降雨量で○○秒かかる。」これって…トリビアになりません?

・抜ける度は例外的に「なし」とします。 サイトの便宜上としては「1」でしょうけど。 そもそもエッチなネタを用いただけでなおかつ自称15禁アニメ…実際にはそう名乗ってるだけの只のOVAなので、抜ける度がどうこうと言うものでは。抜ける度を考慮しないのが妥当でしょう。ストーリーの所為か、意図的にエッチなシチュは程々ありますけど、そう言う事です。

・アニメとしてのお勧め度は2〜3。まぁ、80年代当時のOVAを適当にチョイスして視聴する分には「まぁ、こんなもんぢゃないの?」と言える程度は十分と思われ、ダメダメってまでにはならんでしょう。折角のOVAと言うステージでネタを活かし切れなかったうえに、詰め込み過ぎてしまったようにも見える。せめてネタを半分くらいに切り詰めるべきだったろうが、まぁ、やむなしだろうな。
 入手関係、ね。今回はレンタルでVTを借りてきた。そんなもんでいいんとちゃうの?もし、どこかの店で知らず格安で売ってたら、多分買うかなぁ、特にあれが付いて来てたら間違いなく買うだろうね。パッケージにはいわゆる初回特典として「留守番電話メッセージ」カセットテープが付いていたとの記述があった。なるほど、そうゆう時代でしたか。もし今、DVDでも出るのなら、音声特典として付いてくるはずのものが、この頃はこのような形だったんだな。まぁ、このアニメが色々な音声データのおまけなら、おまけとして30分のアニメが付いてきてたのなら、この程度でも大満足というか、むしろ喝采するかも知れないけど。
(輝川流一)


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