校内写生 《うるし原 智志コレクション》

 (1991/創映新社)

 ストーリー・校内写生シリーズより、うるし原智志氏がキャラデザや作画監督を手がけた作品二編を収録。計・約12分。



・「なんか、合わないもん、買っちまったな。」あの短いオープニングテーマを聞いた時そう思った。そのテーマ、歌ってる人もなんかアニメの歌を歌ってないような響きの声で、これまたアニメのオープニングに使えるとは思えないヘンな歌で…ギターぢゃんぢゃんってな伴奏に合わせて「ゆうっじん!ゆうっじん!こうないしゃせーのひみつはねっ!ゆうっじん!ゆうっじん!うーはーうーはぁなひみつはねっ!おしえてあげないおにあくまぁーげどぉー!」と、言うもの。やたら短く15秒ほどで終わったので、本作用に縮めてるのかとも思ったが…校内写生本編は一度も借りて見てないので、なんとも。

 あのころは時々、エロアニメぢゃ無いがエロアニメみたいなのが出たことが多少はあったりしたね。まぁ、誰がこんなのを求めたのかは知らんが、この二編だけをみても何となく感じるのは、いわゆる青年誌に連載されてるエッチな短編を、アニメにしたというもの。オープニングも掛け合わせて考えてみて、そう言った層向けではあるものの、それらの層が、果たしてこのような…それどころかアニメを見ようとするのか?レンタルならともかく買ってまで求めるのか?疑問しか浮かばない。作る側ももうちょっと他にやること、あったんぢゃなかろうかなぁ?

・『子供の日に帰りたい』造形工房で働く「いたばし じゅうぞう」君は、工房のそばの公園に毎日やって来て子供と戯れるある女子高生を眺めるのが、日々の小さな楽しみだ。彼は目撃してしまった、その女子高生が毎日やってくる理由を!その子供たちに木の枝でパンティーの上からおマタをつんつんさせる「くりくりあそび」をするためにやって来ていたのだ!どうしても彼女にお近づきになりたい彼のとった行動とは?

 う〜ん、エロアニメ分類ぢゃ無いのに、かなり行き過ぎたエロ表現だな。18禁にしなければ、尺さえ短けりゃおっけーすかね。その女子高生、あそこ開いてたし、おっぱいぶるんって出して、自分でもんでたり…真昼間の公園の中で!脱ぐか!するか!結局その女子高生の名前、判らんかったな。今回の分割収録ではなく、元のテープでは、ちゃんと載ってるのだろうか?ここで確認できんのが残念か。

・『気功少女』気功達人の少女「珍珍(ちんちん)」は、日本のテレビ番組に出演するためにはるばる中国からやってきた。特徴が似ていたため(飽くまで彼女の主観による)、間違った相手に付いて行った先は…なんとソープランド!

 第二話。第一話では、「第一話」と出ていたが、この第二話ではタイトルの「気功少女」とだけ。この話は「校内写生2」では第四話とのことなので、「第四話」の見出しだけは別にあったのかな。珍珍ちゃん、到着した空港で、捨てられた日のついたタバコを見つけ、その気功の力で無事灰皿ボックスの中へ…ってさぁ、あの距離なら直接いれりゃ良いぢゃんかよ!わざわざンナことせんでもさぁ。あっそうそう、ソープの客のナニを、輪郭だけは描いてたな。しかもそいつ、イクし出るし。よくやったよ、それ。一般アニメでさ。

・どの作品でも感じたことは、ヒロインが脇役であると言うことか。つまりはエロシーンのメインをそこはかとなく、やろーが主体を占めてると。一本目の『子供の…』は、名前があるのはあいつの方だし、それはよしとして、二本目の『気功…』では、名前があるのは珍珍ちゃんのほうだが、そのソープの客が主人公であるように見えるほどの表現に感じられた。まるで作者自体が、漫画を書けば書くほど、欲求が増長してしまったのではないだろうかと思えてしまうほどに。

・抜ける度は1。結構大胆な表現もあるんだが、尺が短い、やろーが余計、エロ表現時の効果音がギャグ系など、抜く気を維持しにくく思える。

・アニメとしてのお勧め度は2。レンタルがあればそちらで。「校内写生」シリーズは、全部で3本出ているはず。その「校内写生2」に収録されているので、そちらで見るのも。ちなみにこの二作品を収録したVTはリバーシブルレーベルになっている。どちらの作品をパッケージに選びたいかは、お好みでと言うことだ。メインは、購入時は「子供の…」に、なっている。高田の姉御と思しき声の人、何かと出てますな。
(輝川流一)


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