百舌鳥の贄(もずのにえ) 早贄
ストーリー・貴城家は由緒ある家柄だが、現当主の無能ゆえに零落が著しい。一人娘の奈々子は病弱で外出もままならないが、その胸にはある想いが燃えていた。それは・・・・
・2003年にディスカバリーレーベルから頒布された作品で、原作としてPCゲームがあるそうです。 最初は現代劇かと思って見ていたのですが、描かれる風俗その他から、どうやら大正期あたりのオハナシらしいと途中で気がつきました。 内容的には、没落した旧家を巡る陰謀譚だとか、それに巻き込まれたヒロインが娼館に堕とされてしまうとか、それを契機に怪しげな幽鬼が出現するサイコホラー的展開だとか、それなりに盛り沢山です。 しかし肝心のエロを中心に見てみますと、「病弱なヒロインが血の繋がらない義兄を想ってオナニー三昧」→「念願かなって二人は結ばれる」→「それを母親に見つかってしまう」→「義兄はイギリス留学という口実で厄介払い」といった流れになっており、ステレオタイプとか何とかいうよりも、つまりは亜美ちゃんが病弱になっただけの「媚・妹・Baby」でしかありません。 パロディのつもりなのか何なのか、どうも見ていてスッキリしない文芸だなと感じました。 またキャラやドラマが根本的に不合理に見えるのも困りもので、と言いますのもヒロインは余命幾ばくもなさそうという設定で、実際発作によって瀕死になるようなシーンもあるのに、義兄とのセックスシーンではイイワイクイクと大暴れ。どういう御都合主義の肉体でしょうか全く。 その後ヒロインは悪党どもに捕まって散々に輪姦され、ついには女郎に仕立てられてしまうなど、もうはや病弱だったという設定自体がどこかへ消えて無くなってしまいます。 こうまで作劇が混乱していますと、エロいとかエロくないとかいう以前に、ドラマに入り込めなくてシラけてしまうのは、やはり作品としてマイナスに思えました。 ラストには何やら思わせぶりのテロップが入り、未完であることを強く匂わせますが、その後長い間続巻が出る様子もありませんから、そのまま打ち切りになったものと思われます。 「抜ける度」は2と少しくらいかな。令嬢のヒロインとかがお好きな方は見てみるのも良いかもしれません。 ちなみに作画は非常に美麗でシャープ。ヒロインのビジュアルも可愛くて、その点は好印象です。 動画枚数はやや少な目に感じますが、動きで魅せるような内容でもないので気にはならないでしょう。(彩雲11型)
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