無人島物語X(全四巻)
ストーリー・社長令嬢のトウコは、クルーザーを使ったナイトパーティーを企画した。集められた5人のバイト少女たちは、現れた若いコック、アオキのイケメンぶりに心浮き立つ。しかしそこに逃亡中の強盗犯たちが現れて・・・・
・ピンパイから全四巻シリーズとして発売された作品で、原作は自社から出している人気PCゲームだそうです。(大元はSFC用にKSSから出ていた一般ゲームとも聞きますが良く分かりません。違ってたらスイマセン) 内容的には、無人島という閉鎖環境で、少女達がゴロツキ共に追い回され、生命の危機、レイプの危機から逃れようと苦闘するサバイバルサスペンスです。 エロにはそれほど重点が置かれているわけではなく、眼目となっているのは、少女達が互いに反目したり不信感をつのらせたりという内部危機を乗り越え、やがて手を取り合っていくという群像ドラマです。これがまあまあ上手い。 まずキャラが(ステレオタイプながら)それぞれに立っており、互いの我や立場をガチでぶつけ合い、争うのみならず、自分だけ助かろうと逃げ出したり他人を陥れたりというドラマにそれなりの迫力を与えています(要するに「マタンゴ」ですね)。 普通なら単なるトラブルメーカーとして描かれるニヒルなキャラも、一方で芯の強さと優しさを持ち合わせた深みのある人間として描かれていたり、またパターン通りなら気弱で清楚な印象に描かれるはずのメガネっ娘が、実は大胆かつ狡猾な性格だったりと、ちょっとした外し方も良いです。 反面エロとしては相当に弱く、一応ヒロインら全員分のレイプシーンがあるものの、どれもおざなりで脂っこさを欠く印象。プレイ内容も平板ですし。 女の子達もわりと図太く、レイプされてもすぐにまた立ち直り、キャッキャと水遊びをするわ美味しくトロピカルフルーツを堪能しちゃうわと脳天気な展開で、精神的に苛まれるという雰囲気がないのは、鬼畜好きの人にはマイナスでしょう。 それと全体に拘束シチュが少なく、唯一それらしい包帯巻きプレイも、四肢それぞれに巻き付けるだけ(つまり自由を奪っていない)という意味不明の描写なのは残念です。もしかして作品の方針として縛りNGなのかなあ? 総括しますと、尺がダラダラ長すぎる、エロが薄味等の欠点はありますが、キチンとドラマの入っているそこそこに誠実な作りだと思います。こういうサスペンスエロスが好みの人は見てみても良いのではないでしょうか。 作画はあまり良くありませんが、女の子がまずまず可愛らしい表情に描けているのは悪くないと思います。「抜ける度」は2。 ちなみにオイラは、ヒトミちゃんという女の子が一番可愛いと思いました。 以前コラムで揶揄したアーパーピンクヘアーのキャラですが、非常に素直、かつ思いやりにあふれた性格でグッときたです。(彩雲11型)
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