ナチュラル Another(全2巻)

 ストーリー・春彦は千歳と関係を持っただけでなく、性奴隷として調教してしまった。そんな彼に恋心を募らせる、同僚の美人教師、愛姫。春彦は、彼女もまた強いマゾ性を秘めていることを看破していた・・・




 ・先に二巻完結として発売された「ナチュラル」の続編シリーズで、これも全二巻構成となっています。
 わざわざ別シリーズにしているのですから、内容的に何らかの仕切り直しがあるのかと思いましたが、見てみたら単なる続きでした。
 前シリーズの内容が尻切れトンボだっただけに、こういう続き方が自然と言えばそうですが、それなら最初から四巻構成で一つのシリーズにすれば良かったのにとも思います。まあセールス上、小出しにしていった方がリスクヘッジになるのかもしれませんが・・・
 さてそんな体裁上の問題はともかく、内容はものすごく面白いです。原作ゲームと比べてどうなのかは知りませんが、ドラマ、キャラの心情描写ともバッチリ!エロシーン以外でも全く退屈しません。
 今回のキモは愛姫先生の調教で、彼女が羞恥プレイの連続に泣き、身悶えながら、しかし生来的に秘めている強いマゾ性を爆発的に開花させていく様は圧巻です。
 また愛姫と競わされることにより、自らもマゾ性を身に付けなければ愛してもらえないという心情に追い詰められていく千歳ちゃんの煩悶も良いです。
 最後は単なる3Pというのではなく、彼らの関係が「被虐・嗜虐」という性嗜好に括られた共同体へと昇華していく様を鮮烈に描いており、ゲーム原作でもこれくらい上手くアニメドラマ化してくれれば文句なしという気分にさせられました。
 また前シリーズの評でも書きましたが、性描写が非常に丁寧なのは特筆モノに感じました。
 服を脱がせたり、お乳を触ったり吸ったり、クリを愛撫、クンニしたりという、行為の一つ一つを、セックスの流れの中にキチンと位置付けて描いている。しかも機械的に段階を踏んでいるというのでもない。互いに官能を確かめ合いながら進んでいくという臨場感があるのです(特に中盤に挿入される
穂鳥ちゃんとの交合シーンは良いです)。
 これはまさにエロシーンへの愛あればこそであり、イキナリ突っ込んでアヘアヘなどという安直なエロシーンを作っている他作品にも見習って欲しいですね。(ただBGMの配置にメリハリが無く、エロシーンでもずっと大音量で鳴りっぱなしなのは少々うるさく感じました)
 ということで総括しますと、エロとドラマのバランスが高次元で取れている、かなりの佳編だと思います。
 「抜ける度」は3ちょっと。見てみてまず損はないでしょう。
 ちなみに主人公の春彦は遺作や臭作なんぞ目じゃない鬼畜、大悪党だと思いましたが、女性がキモイ教祖様のセックス奴隷の座を争うような事例は過去たくさんあるわけで、そういう「危ないヤツに身も心も支配されたい!」という屈折した女性心理が見事に描けているのも本作の手柄でありましょう。
(彩雲11型)


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