ネトラレ 田辺優香の独白

 ストーリー・田辺優香は美しく貞淑な若妻だ。ささやかな幸せに満足して暮らす彼女だったが、ある日暴漢に押し入られて・・・・




 ・ちちのやさんから2010年に発売された作品です。
 まず最初に申し上げてしまいますと、大変失礼ながら、本作は「エロアニメ」と呼べるほどの内容ではありません。
 なるほど所々でキャラが動くシーンはありますけれど、多くのシーンでは止め絵が使用されており、「アニメ」を見たという実感が希薄なのです。
 キャラ同士が会話をするシーンもなく、ヒロインのCVが延々独りで喋り続けるという構成も、作品の「紙芝居」的印象に拍車をかけています。
 ストーリーも陳腐極まりなく、ムチムチ爆乳だけど貞淑な若妻が暴漢に犯され、イヤなのに感じちゃってアアーンという類型的なモノ。
 シンプルで分かりやすいのは結構ですが、ただそれだけの内容をエロアニメとして見せきるには、やはり動きやカラミの面白さが必要なはずです。しかるに本作はほとんど動きませんし、修辞だらけのセリフでクドクド説明されるだけの展開ではどうしても退屈してしまいます。
 冴えない作品だなあとクレジットを見てみたら、監督としてあの早川ナオミ氏が関わっていることが分かり、またこの人かとウンザリしてしまいました。
 氏についてはいつも個人攻撃的なことを書いてしまって恐縮なんですが、何の新味もないステレオタイプのお話しを、やたら勿体ぶって語ろうとする作風には辟易させられてしまいます。 
 「ちちのや」レーベルについては、オッパイにこだわったユーザーの絞り込み、コンパクトで安価な商品展開等、意欲的な取り組みを高く評価しているだけに、早川氏を「巨匠」などと持ち上げてのシリーズ展開にはちょっと「?」な気分にさせられました。
 それはレーベル独自の味をスポイルすることにもなってしまいますし、そうするだけのネームバリューが早川氏にあるとも思えないのですが(重ねて失礼)。
 「抜ける度」は1.5。
 キャラや作画自体はそこそこ可愛くて綺麗なので、人妻のボイスドラマを絵付きでちょっと楽しみたいという人には良いかもしれません。
(彩雲11型)


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