肉体転移(全二巻)

 ストーリー・とある高校の考古学クラブ・・・。そこに持ち込まれた古い祭器が突然謎の光を発し、それを浴びた生徒たちの精神が互いに入れ替わってしまうという事件が起こった。同時に校舎の外は異空間と化し、クラブのメンバーは学内に閉じ込められてしまう。




 ・グリーンバニーさんから頒布された作品で、原作はシルキーズというメーカーさんのPCゲームだそうです。
 内容的には、昔はラブコメマンガの定番ネタであった「精神入れ替わり」モノと、「漂流教室」のような異世界サバイバルアドベンチャーのニコイチ企画という感じです。
 見てみて思うのは、これゲームとしては面白く成立していたかも知れませんが、アニメとしては消化不良かつ無駄が多い印象です。
 精神が入れ替わるというネタ自体は良いとして、そのことが登場人物たちの心情を効果的に動かしたりひっくり返したり混乱させたりという要素が薄く、まあ他人の身体なんだし無責任に乱交でもしましょうかという程度の安いドラマになってしまっているのは残念です。
 またキーキャラであるメガネっ娘があまりにえげつなく動き回る一方、本来の主人公とヒロイン(なんだろうなあ・・・)の心情は平板かつ素っ気ない描き方しかされておらず、視聴者としてはどこに思い入れながら見て良いのか戸惑うばかりです。
 そもそもたったこれだけのオハナシを語るのに、こんな仰々しい舞台が必要でしょうか。
 原作ゲーがどうだったのかは知りませんが、アニメの尺で出来ることには限りがあるわけで、ですから視聴者をパッと作品世界に引き込むためにも、構成は、舞台ではなくキャラを軸として組み直すべきだったと思います。端的には「精神入れ替わり」と「異世界」という、二つの要素のどちらかを思い切って切り捨てるべきだったのではないでしょうか。
 エロシーンは上下巻とも非常に多く、絵柄も可愛くて悪くないんですが、上で書いたようなことからそもそもキャラに入り込めず、それがひいてはエロ度数を下げているように感じます。
 でも全体に女の子のオナシーンが多いので、自慰ネタの好きな人にはアピールするかもしれません。また下巻の姉妹調教ぽいシーンは、百合ネタの好きな人には良いでしょう。
 オイラ的には、男の子に女の子の精神が入って「いけないわ〜」とか男声で喘ぐシーンで激しく萎え。カマネタみたいでゲッソリです。
 あとラストは、まあ気持ちは分からなくもないですが、青姦なんぞしないでお家に帰ってからゆっくりすればイイのにと思いましたです。
 「抜ける度」は2。
(彩雲11型)


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