鬼点睛
第一話 「鬼(のぞみ)」

 ストーリー・暴力団事務所で、所属する組員が全員惨殺されるという猟奇事件が発生する。その場で只1人無事だった人物、それは「のぞみ」という少女だった。女刑事麗子はのぞみの理解者たろうと努力するが、のぞみは頑なな態度を崩さない。そして麗子は、のぞみの背中に見事な鬼の彫り物があることを知る・・・・




 ・
「御先祖賛江」等、アダルトアニメ部門にも進出を図ろうとするAICの意欲作で、レーベルはグリーンバニーさんです。2000年度に全4巻が発売されました。
 本作は所謂バイオレンスホラーで、伝説の入れ墨彫り師と、彼の作品を巡って発生する怪奇事件、そして関係者の愛憎を描いていきます。
 刺青が人体から霊のように抜け出して暴れるというアイデアは別に珍しくもありませんが、エロアニメという媒体で、そのストーリーを真面目にしっかりと描いているのは良いと思います。普通エロだとストーリーはおざなりなのが多いのですが、本作はとことん真面目に文芸作品を作っているのです。キャラもそのストーリーのために個性やトラウマを設定されており、その几帳面な仕事ぶりはさすがAICだと感心させられます。
 エロにも力が入っており、冒頭のぞみが緊縛されて刺青を彫られるシーンなどかなりの迫力です。他にも主人公の親友の尼さんが百合レイプされたり、また主人公自身も鬼に犯されてしまうなど、色々なシーンが用意されています。しかもそれがストーリーから乖離していないのは見事です。
 
もっとも劇画調の作画は好みが別れるでしょうし、所謂「萌え」的なノリは全くないので、見る人を選ぶ作品とは言えるかもしれません。オイラ的にはこの程度にエロくてストーリーが面白いならオッケーを出したいですが、まあもうちょっとヌルヌルなリビドー刺激はあった方が良いかな・・・。
 取りあえず「抜ける度」は1.5ですが、作品としてはもっと高得点を与えたい、そんな1巻目です。
(彩雲11型)


→戻る