ZERO SUM GAME(ゼロサムゲーム)

〜SEX CRIME〜

 ストーリー・戸叶優香は美貌の女子大生。憧れていた先輩・矢崎とも両想いの関係になり、幸せ一杯の毎日だ。しかし人気バンド「ゼロサム」のライブを矢崎と一緒に訪れたことから、思わぬ不幸が彼女を襲って・・・・




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2001年に「blue eyes」から頒布された作品で、同レーベルのデビュー作となりました。
 原作は
百済内創(現・葉月京)氏のコミック作品で、氏が女流作家だからなのか、登場人物のドロドロした心理にスポットが当たっていたり、またボーイズラブっぽい要素も入っていたりという作品カラーになっています。
 内容はシンプルで、恋人とラブラブモードのヒロインがいて、しかし人気バンドのライブを見に行った際、そのバンドのメンバーらに輪姦されてしまうと。
 一方で、バンドのリーダー(?)はゲイらしく、ヒロインの恋人を以前から憎からず想っており、ヒロインと恋人の仲を裂こうと色々奸計を廻らせ始めると、そういうオハナシです。
 ある種の寝取られモノと言えましょうが、ヒロインがどんどん転落していって淫売と化すのか、あるいは途中で正気を取り戻してハッピーエンドとなるのか、作品は途中で尻切れトンボに終わってしまっているため、その終着は不明です。

 そしてその尻切れトンボぶりが、本作のエロとしての迫力を弱めてしまっている気がします。
 つまりエロというのは、「こういうイヤらしいテーマ、展開が描かれますので、趣味の合う人は見て下さい」と最初に作中で表明されてこそ、視聴者はワクワクして集中できると思うんですが、「どうなるか良く分からないけど、とにかくエロです」では、ティンコも対応の仕様がないのではないでしょうか。
 もっとも本作は、連続モノだというパブリシティこそありませんが、本来は2巻、3巻と続いていく予定だったのかも知れません。
 しかし「
blue eyes」は事実上の休眠状態となってしまい、続巻は実現不能でしょうから、エロとしての本作もまた、評価自体が難しいままに忘れられていくしかなさそうなのは残念です。
 ちなみに作画はなかなか上質で、ヒロインもとても可愛らしく、レーベルさんがデビュー作にかける意気込みが伝わってくるのは好印象。

 またボーイズラブ要素も、そんなモノを見たがる男性視聴者が少ないことを勘案してか、セリフでサラリと触れられるだけという割り切った演出なのは良いと思いました。
 「抜ける度」は2。
 そこそこの良作としてエロアニメ史に記憶される可能性も無くはなかった、惜しい作品だと思います。
(彩雲11型)


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