死妹人形

 ストーリー・レスアージュは妹のミースと2人きりで暮らす学生だ。そのミースは身体が弱く、ある日とうとう病死してしまう。悲嘆に暮れるレスアージュは、学んでいた禁忌の蘇生魔法を用いる決心をして・・・・




 ・2006年に
ANIMACさんから頒布された作品で、原作としてPCゲームがあるそうです
 どうやら数巻分のシリーズものとして企画されたらしいのですが、一巻が発売された時点で
ANIMACさんが撤退してしまい、その後他レーベルによって続巻がフォローされたりもしていませんから、中途で打ち切りということになりそうです。
 内容的にはよくある「禁忌の呪法」ものであり、愛する妹を失った青年が、悪魔と契約したり、その魔力で妹を甦らせたりってドラマが描かれます。
 アニメは尻切れトンボになっていますから結末は分かりませんが、おそらくは、甦った妹がまた死滅したり、あるいは主人公がネクロフィリアになっちゃったりという悲劇が描かれるのではないかと思います。
 エロとしては薄く、脇役のファックシーンが意味もなく挿入されたり、主人公が生贄役の女の子を犯したりするシーンがある程度。いずれも散漫で、抜き用には使いにくいでしょう。
 それにしても、この
ANIMACさんの作品を見ていると、何だか物悲しい気分になってしまう。
 それは、ビジネスとして創作に関わることが、いかにシビアであるか良く分かるからかもしれません。
 本作は脚本が非常にマジメであり、地味なストーリーを訥々と語ります。
 チマチマした世界設定も、キャラ達が丁寧に(棒読みで(^^))説明してくれます。
 そして哀しい運命に囚われた主人公らの心情を、一生懸命に視聴者に伝えようとしていることが良く分かります。
 つまり大変に良心的な制作態度だと思うのですが、しかし出来上がった作品は、何とも垢抜けない、アニメサークルの同人映画のようです。
 小説やマンガといった文芸の世界、そして音楽や落語という演芸の世界では、マジメに稽古や努力をすることも勿論大切ではありましょうが、それだけで報われるとも限らない。
 持って生まれた鋭いセンス、世のトレンドを嗅ぎ取る才能というものが、凡百の努力を簡単に凌駕してしまうことがあります。
 もっと言えば、
ANIMACさんのアニメのように、ただただマジメにストーリーを語るより、脚本なんかムチャクチャでも、オッパイとオ○ンコの絵をド派手に叩き付けてくるだけの方が、エロとしては迫力があり、セールスも奮ったりする。
 それが現実であり、そのための帰結としてか、
ANIMACさんは撤退を余儀なくされたのでありましょう。
 しかしそれでも・・・・マジメに作品作りに取り組むだけの、不器用なレーベルさんが生き残る余地というのも、オイラは市場に求めたい気がするのです。
 そしてそんなことを言うのが、もはや甘えん坊のロマンチシズムでしかない現今に、どうしようもない寂しさを覚えてしまう。
 アニメの評価と関係ないことをくだくだと述べて恐縮ですが、そんなことを考えさせられてしまう作品でありました。
 ちなみに「抜ける度」は1です。
(彩雲11型)


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