シオン

Vol.04 堕ちた魔法の天使

 ストーリー・ウルフガイストとして覚醒した弘樹を抹殺するため、ドール戦士の長がやって来た。その強大な戦力に弘樹は手も足も出ない。彼を愛するようになったシオンはどうするのか?・・・




 ・シリーズの最終巻で、発売は2010年です。

 3巻目を見て、「本シリーズのテーマは主人公のデビルマン化と、彼によるヒロインらの支配を見せることではないか」と予想したのはマチガイではなかったようで、この4巻目では主人公とヒロインらの奴隷調教プレイがタップリの尺で描かれます。
 何しろ始まってちょっとするとそのプレイシーンになり、あとはほとんどの尺をそれだけで押し切ってしまいます。
 故に文芸としてのバランスは甚だしく欠きますが、シーンの内容はそこそこに濃厚でエロいので、かえってその思い切りが気持ちよく思えます。
 二人の爆乳ヒロインが主人公にバキバキ触手責めされ、互いに競わされたりジラされたりして泣き悶える様は、ちょっと「
ナチュラル Another」なんかを想起させて面白かったです。
 やはりエロは優等生的にまとまり良く作るより、勢いこそが一番大事だよなあと感じさせられましたが、それだけにシリーズ全体の構成がギクシャクしていることや、ヒロインのシオンをはじめ、キャラクター像の平板さは残念に思います。
 この4巻の「抜ける度」は3と少し。
 ちなみにエピローグ部分は個人的にかなり後味が悪く、ぶっちゃけ蛇足に感じました。

 コメディ要素も強い作品なのですから、あのままハッピーエンドで終わらせた方が美しかったのではないかと思います。(彩雲11型)


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