肢体を洗う(全三巻)

 ストーリー・聖治は医師を目指す青年だが、その資金を稼ぐため、そして医師としての気構えを磨くため、とある医院で「死体洗い」のバイトを始めることになった。しかし異様な職場環境は、彼の精神を蝕み始めて・・・・




 ・2003年から2004年にかけて、ピンパイさんから3巻構成で頒布された作品です。
 原作はPCゲームだそうですが、そのゲームの内容や評価については、毎度の事ながら浅学にして存じません。
 アニメ版を見る限りでは、本作はエロ付きホラーサスペンスという体裁です。
 「死体洗い」のアルバイト(本当はそんなバイトは存在しないらしいですが)を始めた青年が、元々メンヘラ気味だったオツムに更に異常をきたし、女の子を張り倒したり、イラマチオをさせたり、縛り付けてレイプしたりと大暴れ・・・・・というシンプルなストーリーながら、主観を色々と変更したり、時系列をわざと乱したりして、視聴者の不安や想像力を煽るという工夫がなされています。
 つまり見ている方としては、この事件が現実に起こっているのか、それともメンヘラ主人公の脳内妄想なのかとそぞろな気分になり、それがそのままサスペンスの盛り上がりに繋がるわけです。
 手法としてはよくあるものですが、シーンの積み重ね方が丁寧で、またやや意味不明ながらも一応完結しており、文芸的にはそう悪くないと思います。
 一方で難点は、抜き用のエロとしては非常に使いにくいということでしょうか。
 上で書いたように、鬼畜系のエロシーンがシチュも豊富に盛り込まれており、それぞれのテンションも高いのですが、どうもティンコには響いてきません。
 と言いますのも、何しろネタが「死体洗い」です。ホルマリンに漬けられ、アチコチの皮膚や筋肉が脱落し、半ば白骨化したような遺体がゾロゾロ出てきます。
 そんな環境でティンコに空気を入れろと言われてもムチャでありまして、例えて言えばスプラッターな戦場で焼き肉を食えと言われているようなものですから、普通の神経ではちょっと引いてしまうというのが当たり前ではないでしょうか。
 つまり本作は、やたらエロいシーンのあるホラービデオとして視聴するなら良いとして、しかしオナヌー方面にはまず利用不可という感じがします。よって「抜ける度」は1.5。
 エロはエロでそれだけ楽しめるぜという切り替えの早い方、あるいは死体関係が好きでタマラナイというネクロフィリーな方以外にはちょっとオススメしにくいです。
 オイラなんかそもそもグロがダメなので、ホラーとしても二回は見たくないなあというヘタレな気分にさせられました。
(彩雲11型)


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