臭作 Liberty(全二巻)

 ストーリー・高部絵里は名門粛正音楽学院に通う女子学生である。彼女は女子学生寮に住んでいる。ここに住んでいる数人の女子学生はあるお方に自分達の体を犯されていた。絵里はうすうす彼の存在に気づいていたが、彼女はなかば現実逃避をするかのように彼を見ないようにしていた。ある日、彼は自ら積極的に彼女に接近してきた。彼女の私生活はそれから一変する。そして彼女は彼の真の姿を知ることになる。




 ・この作品は事実上臭作Replayの続編である。すなわち、これらは臭作Replayの5巻目、6巻目である。臭作Replayの中でヒロイン的役割の高部絵里は結局一度も臭作に犯されなかった。これに関して、視聴者の不満は爆発した。実際私もこの展開にはがみした。そして臭作Replayの最終巻が発売されてからおおよそ2年後、いまさらながらこの作品が発売された。どのアダルトアニメにおいてもシリーズを通して純潔を貫いてきた女が最終的に犯され、汚される様を人は大いに期待してしまうものだ。今までの展開
がまるで嘘であったかのように、この作品中で絵里の体は臭作のみならず、様々な人物によって弄ばれる。
鬼畜三兄弟シリーズの一つ、遺作Respectに比べると、画質は格段に高い。だから、視聴者はそれなりには抜けるだろう。とりわけ、1巻目の絵里及び彼女の先輩、近藤と水無月のレズシーンはなかなかエロい。ただし、残念なことに、このシーンに含まれている脱糞描写は非常にお粗末である。絵里の肛門からまるで精液のような白い液体が数滴したたり落ちるだけである。水無月がそれを見て、「たくさん出ましたわね。」と言う。このセリフは全く説得力をもたない。この一連の流れは私をしらけさせる。いっ
そのこと、いつものピンクパイナップルらしく脱糞描写を全てカットしてしまうほうが幾分ましであった。もう一つ、私は失望させられた。このシーンの絵里は全裸であるはずだったのに、最後の数コマで彼女はなぜか靴下を履いている。このような細かい描写ミスの1、2個はアニメや漫画ではしかたないし、もしそれに気付かなければ、私は何も感じなかっただろう。しかし、いざそれに気付いてしまうと、私は非常に気になってしまう。
2巻目の後半はエロシーンのオンパレードである。案の定、これらはあまりエロくない。ピンクパイナップルの怒涛のエロ描写はなぜこんなにもエロくないのか?なぜならば、欲張って女を一斉に出しすぎるからであろう。そのこともあって、シーンが数十秒で目まぐるしく変わり、視聴者が落ち着いて抜く暇を与えない。ピンクパイナップルはいつになったらこの過ちを改めることができるのか?
臭作Replayのストーリーは非常に不可解だった。だから、その延長上にあるこの作品のストーリーもまた不可解である。遺作Respectのように男キャラが一切しゃべらないといった類の不可解さならば、私はそれを嘲笑するだけであっただろう。しかしながら、この作品のストーリーは私を不愉快にさせる製作者のメッセージを含んでいる。この作品中のキャラクターは全て創作物である。これは当然であるが、問題はそれをキャラクターの1人の臭作が自覚しているということである。もちろん、彼以外のキャラクターはそれを知らない。すなわち、彼は特別な人間として、もとい神として描かれている。臭作は、我々視聴者が2次元創作物の女に発情する感情の権化であり、彼は我々の性欲を満たすために粛正音楽学院の女達を創造したそうだ。彼は数回女達に「おめーらは絵にすぎねーんだよ。」と言う。製作者は彼にこのような発言をさせて、一体何を表現したかったのだろうか?彼らは我々にアダルトアニメなどというくだらないものを見るなと説教したいのだろうか?アダルトアニメで飯を食っている彼らが・・・
さらに悪いことに、この作品には臭作と一心同体の我々視聴者を象徴する人物が登場する。彼は我々と同様に、臭作が女達を陵辱しているのをスクリーン上で見る。そして突然苦しみ始める。私は彼が頭を抱えているのを見て、製作者からの2つのメッセージを読み取った。一つ目のメッセージは、前述のようにくだらないものを見るなという説教であり、二つ目のメッセージは、この作品それ自身が陵辱物であるにもかかわらず、陵辱物を否定しろという説教である。私は勘ぐりすぎているのかもしれないが、これはそうみなされても仕方ない描写である。私も彼と同様に頭を抱えた。なぜならば、私は製作者にこのようなくだらないストーリーを見せられたからだ。
絵里は臭作が苦しんでいる様を見て、「私は貴方に私の愛を差し上げます。」と言う。彼は「おめーさん、こんな俺(臭作すなわち、視聴者)を愛してくれるのか?」と返答する。そして彼らはセックスをし、満たされた彼は消滅する。まるで聖職者が未練たらたらの悪霊を成仏させるかのように見える。このように視聴者を小ばかにした偽善的な愛の描写をもって、ストーリーは終演を迎える。臭作の原作の内容を私は知らないが、製作者がアニメを作るにあたって、ストーリーは相当歪められたのだろう。原作者はこのアニメを見て一体どう思うのだろうか?抜ける度は2.5とする。
(りぷとー)


→戻る