臭作(全三巻)
ストーリー・加藤臭作・・・彼は粛正音楽学院の女子寮を管理する用務員だ。女体を踏み荒らし、屈従させることに執念を燃やす彼は、美しい寮生たちや女教師を次々と慰み物にしていくのだが・・・・
・大変人気のあるエルフの原作ゲームをピンパイがアニメ化したものです。今さらながらちゃんと通して見てみたんですが、さすが多くのファンを持つだけあって、なかなか丁寧に作られてるなという印象を持ちました。 さて本作の特色と言って良いのは、これが仮想の電脳世界であるということを表明した構成になっていることだと思います。つまりこれがゲーム内の虚構であると作品そのものに言わせているわけで、故にストーリーは時系列を正確には追いませんし、キャラたちも「世界と自分たちが、繰り返し何者かによって操作されている」という奇妙な感覚を持ったりします。 要するに、ゲーム攻略の1パターンを絵的に再現してみましたというのがこの作品の演出の骨子と言えるでしょう。結果的に出来た画面としては、濡れ場ばかりが延々続くという感じになっています。 これはストーリーをキチンと見せようとして失敗してしまった(とオイラは思う)「遺作」への反省からとられた演出方針なのかもしれないなーと想像してみたり。 まあどうせストーリーなんてオマケなんですし、濡れ場中心で実用性の高い造りになっていることは手柄とも言えましょう。反面、虚構だぜ!と開き直ったような構成は、フィクションをフィクションとして見せる「作劇」そのものの否定とも言え、ちょっとロマンを欠くと言いますか、見る人によっては白けた気分になるかもしれません。 さてエロシーンは上で書いたようにかなり多く、それぞれなかなか濃密です。調教モノがお好きな人には十分楽しめると思います。 また少女達はそれぞれ2人一組のようなキャラ配置になっており、つまりめいめい1人ずつ仲良しの女の子というのがいて、片方を調教しながらもう1人にそれを見せつけたり、友情を逆手にとって理不尽な要求をしたりと、キャラ間に緊張感が生じる演出になっているのは楽しい工夫だと思いました。いきおい百合的なシチュも生じるわけで、百合の好きなオイラも楽しめました。(特に緑の髪で清楚な感じの渚ちゃんが可愛いと思いました) 全体に本作は、エロシーンのコラージュ的構成であり、故に作品単体としての文芸はあまり評価できませんが、原作ゲームのファンに対するサービスフィルムと考えれば十分以上の出来だと思います。作画もまあまあ良いですし、臭作のようなオヤジキャラが苦手な人以外は見る価値があると思います。 「抜ける度」は2.5。(彩雲11型)
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