そらのいろ、みずのいろ 下巻
「わたしも……してあげる」
ストーリー・水島朝と空山菜摘芽・・・2人の美少女転校生は、弌という1人の男を巡って肉欲に溺れる夏を過ごす。しかしその夏もやがて終わりかけて・・・
・シリーズの下巻ですが、上巻を頒布したひまじんレーベルが撤退してしまったため、下巻は「2匹目のどぜう」という新レーベルさんから頒布されました。 この新レーベルがひまじんさんの残党スタッフ(失礼)によるものなのか、それとも全くの新規立ち上げなのかは良く分かりませんが、少なくとも本作の文芸にはキチンと連続性が感じられます。 文芸と言いましてもストーリーらしいストーリーがあるわけではなく、全編これヤリまくっているだけなんですが、しかし見終えた後には「物語を見せられた」という印象がシッカリ残ります。 それは「思い出の夏」・・・かけがえのない時間が滅んでいくことの哀切というテーマが、濡れ場を通してキチンと描かれているからです。脚本家はなかなかキレる人ではないかと唸らされました。 エロシーンはほぼ尺一杯にありますが、一巻と違って、2人の美少女の対抗心を煽りながら犯したり、またヒロインの方でもそれは承知で楽しんだりというシチュが続きます。 それぞれに濃厚であり、羞じらいつつも官能に呑まれてアヘってしまうようなエロが好きな方には強力にアピールするでしょう。 コスも水着ありブルマあり浴衣ありとバリエーションに富み、プレイの丁寧な描写と相まって飽きさせません。 作画は一巻とは趣が変わっているように感じられました。 デッサンとレイアウトの巧みさ、確かさで魅せ、画面の印象としてはスッキリしていた前巻に比べ、2巻目ではコテコテに陰影が付けられた、ややクドイ味の作画になっています。 と言ってもそれが悪いわけではなく、十分以上に美しい作画なので、見る人の好みで評価は分かれるでしょう。ちなみにそうした差違がスタッフの入れ替えによるものなのかは不明です(あるいはオイラの気のせいか?) 「抜ける度」は3に少し足りないくらい。淫らな季節を美しい絵画として結晶したような佳作として推したいです。 唯一残念なのは、エンディングの後に付いているエピロークが些か蛇足に感じたこと。 「滅びるからこそ美しい時間」を描いているのだから、その後にはあえて触れない方が良いのではと個人的に思いました。(彩雲11型)
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