ストラトスフェラの妖精(全三巻)

 ストーリー・2062年・・・成層圏に浮かぶ不思議な少女が、戦闘機パイロットによって目撃された。その後、街には奇妙な少女たちが現れ始める。彼女たちは性を渇望しつつ、しかし性器を持たないというのだ!・・・




 ・2002年に「有限会社こわれもの」から三巻構成で頒布された作品です。
 販売元の名称からも分かるとおり、
「こわれもの」シリーズのスタッフが制作に当たっており、当然おたっきい佐々木氏も絡んでいるようです。他に片山有紀という人が原作としてクレジットされていますが、果たしてどんな人なのかは浅学にして存じません。
 さて本作は、およそ日本で制作されたエロアニメ史上、最もアバンギャルドな作品の一つと言えるのではないかと思います。
 と書くと何やら高級そうな気もしますが、実際は全然そんなことはなく、ハッキリ言って、アニメがどうしたエロがどうしたとか言う前にゴミ箱へポイしたくなっちゃうような愚作です。
 劇中の世界には、頭に羽根の生えた不思議な少女たちが徘徊しています。彼女たちは女性器を持たないクセに常時アヘアヘ発情しており、男女を問わずに性の相手を求めようとします。
 しかしそんな彼女たちをただ慰み物にしようという鬼畜共も街には多数おりまして、彼女たちを監禁したり銃殺したり刺殺したり撲殺したりします。
 だから何なんだよと視聴者が呆れているうちに、物語は何の落着も余韻もなく終わってしまいます。しかも通巻90分にも及ぶダラダラした上映時間の間、セリフらしいセリフはほとんど無く、ただ少女たちのアヘ声と、唐突に挿入される電波調のポエムや独白しか情報らしい情報はありません。アバンギャルドだなあ(笑)
 要するに不思議な少女たち(妖精)は、アダルトアニメなんぞを見ているキモヲタチェリーボーイたちが、脳内で散々慰み物にしている幻想上の女の子のメタファーなのでありましょう。故に性器が明確な形で存在せず、しかしエロ気満点で、美しさも完璧なワケです。
 しかしそんなモノを、当のエロアニメによって再認識させられても面白いと感じるヲタがいるとは思えず、制作者の手前勝手な電波映像を垂れ流されても白けるばっかりです。
 何と言いますか、「オレは芸術家だ!」などとほざいてる中学生の文学ごっこを延々見せられているような気分。もう氏んでくれと。
 「こわれもの」でも厳しく書きましたが、おたっきい佐々木氏は、ラジオでアホなことをくっちゃべってる分には結構ですが、エロアニメなんかに首を突っ込まないでいただきたい。個人攻撃のようなことは書きたくないですが、世の中のどえらい迷惑ですから。
 三巻通しての「抜ける度」は1。
ちなみに作画は中の下くらいかな。(彩雲11型)


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