超次元伝説RALL2・ラモー・ルーの逆襲

 ストーリー・ラルに平和が戻ってから3年後、再び甦ったラモー・ルーによって、ユリアや村人たちが洗脳されてしまう。そしてキャロンにも陵辱の魔の手が・・・。




 ・くりいむレモン第15作目。発売当時はよほどの…確かに期待の一品ではあるし、レンタル切れを危惧したのだろう、その店では何十本もダビングし、陳列していた。それなりの棚ひとつが丸ごとだったはず。実行には至らなかったもののその中の一本、盗みたくなるほどに。ダビングテープのレンタル、当時はよくあった。誤解のないように書いておくが、どこかのレンタルでダビングしてもらったのを貸し出していたのではなく、あくまでその店で入荷してダビングしたものだ。少なくともオレの入会していた店は。そしてそのテープを借りる者は承知のうえで皆、借りていた。貸し出されるのはダビングテープというわけではなく、あくまでマスターテープの不足を補うためのものだし、ただ入荷されただけの作品は、マスターテープを借りれただろう。ダビングテープは飽くまで需要と供給の差を埋めるために用いられたはず。大量ダビングで備えたりしてくれたそのビデオレンタル店は2002年前後だと記憶しているが閉店、クリーニング店になってしまった。地元では老舗の最古参だったその店は。値段はそれなりに高かったが、品揃えも一部のマニアには垂涎のものが多数。だが時代の流れか、アニメで言えば1本の傑作映画よりも3本の中堅OVAを、そのOVAよりも10本のありふれたTVアニメシリーズを。そんな時代に店のスペースが追いつけなかったんだろうな。

・三部作の話は何処から出てきたのかはオレは知らないが、小説版が出ており、そちらでは全三章構成になっている。そこのストーリー内容から出てきたのかな?確かにストーリー上、合致するし。んで、まぁ、小説版の方が思い入れの強い作品でもあるな。発売当時は、見れなくも無かったとは言え、おおっぴらに見れたわけでもなかった。そこで、このころに出たくりいむレモンシリーズの小説版はだいたい買ってたんじゃなかったかな?おおっぴらにエロアニメなぞ見れん身の上なればこそ、小説版に走ってたんだな。そうそう、パソゲーで「3」が出てたけど紹介本によると、「3」と名乗ってるがまるっきり別物であるとのこと。その作品の対応機種が「PC-9801」ではムリだ、動かん、どうにもならん。

・86〜87年度のくりいむレモン作品は、特に他の年度の作品と根本から食い違ってる流れがある。それは「人の死」をかなり直接的に描くことだ。…なに?なら「媚・妹・BABY」の亜美の場合はどうなる?実の母は死んでるよなって?でもそれって、ヒロシと絡ませる言い訳みたいなもんだし、直接何か描いた?例えば葬式の場面とか。何もないでしょ。さて今回の場合は、冒頭の村人だか行商人だかが黒騎兵に斬られるシーン、まさか気絶ではあるまい。もうひとつ、ラモー・ルーに取り付かれた男(小説版ではマリオと名づけられてた)が頭の中身をぶちまけ、そこからラモー・ルーが姿を現すが、あれもやはり死んでるよな。生きてるはずが無い。実際にそれまでの作品を見ていただくと判るが、誰も死んでないのだ。せいぜい怪我した程度。あのバズーカだのマシンガン撃ちまくりの「ポップチェイサー」でも、クロこげだの打撲だの…の、ありえない症状だよ。ならば本作の元になった「SF・超次元伝説ラル」はどうだと聞かれても…だから「人の死」についてですよ。黒騎兵の中身が人間なのは今回だけのようだ。それにラモー・ルーは人間じゃないし。あれ?でもその後の「アスタロト」では、あれはどうなんだろうな?おっ、他にも「続・黒猫館」にも遠まわしだがそれっぽいのがあるのだが…誰か!そこんとこっっ!レビューしてくれぇ!!

・作画のミスが目立つ。彩色ミスは少なくとも二箇所の発見。時間は本編に入ってからのもの。一つ目は4分15秒あたりで画面に入ってくるペルルの髪の色が、ブルーでなければならないがキャロンと同じ黄色に。二つ目は9分20秒あたりで黒騎兵の剣を受け止めたカット、キャロンの腕輪(?)の色が赤でなければならないが、これまた黄色に。特に一つ目はかなり目立つ。どないしたんじゃ?ついでに無駄に長時間の止め絵…違う。背景がスクロールしてなきゃならんカットでそれをしてなかったし、色の塗りわけをしていないカットもある。発売ペースから言えば十分な時間はあったはずなのだが…何やってんだろ?さすがは86年度旧シリーズ作品だ。いろいろと「らしくない」な。

・抜ける度は1。キャロンのもユリアのもあるが、尺が短いし、モザイクの入るカットで入って当然のカットがある反面、入れる程のものにもなってないカットも。なんだかエロアニメとしておざなりな感じが。キャロンの服を脱がす段階…たとえばラモー・ルーに操られてる村人数人でとか、あの男が引きちぎるとかも欲しかったし、何よりも直接の「触手」表現がないのが気に食わん。やはり「触手」あってこそのラルだと信じる。

・アニメとしてのお勧め度は2。いろいろと体裁を保っただけのただの続編。金田カットや金田アクションと言うべきあれは、作品の中で活かされていると言うには…あれはSF作品のための技法に感じられ、ファンタジーには似合わんみたい。あの頭の中身のぶちまけも少し浮いて…いや、あのシーンは浮いてはいるが、他のシーンに比べると気合が入りすぎている。…全てがあれだけがんばっていたら、この作品自体の出来はどうあれ、評価も大分変わっていたんだが。エンディングにおいては前作のように後日談のシーンもなければ単にカットを適当に並べただけにしか見えない。作品の総尺も何処となく短めだ。いっそ小説版の第三章をリメイクして出した方が良かったかも。アニメはアニメ、小説は小説として。今となってはどうにもなりませんが。
 入手に関して言えば、やはりアナログメディアであるVTやLDが、より良い。だがストーリーを知りたいだけならば、やはりDVDだろう。「エスカレーション3」とのカップリングの単品のやつがあれば。とは言え新品でも半額、中古でも1000円以上はちょっと。
(輝川流一)

・大人気作の続編なのだが、何やら印象の薄い小粒な作品という感じ。前作にあったパイオニア精神は全く残っていない。ノリも良くないしね。
 キャラも3歳年をとったということで設定が一新され、ロリ味は影を潜めた。それ自体は悪くないのだが、どうせならエロとしても色々工夫して新味を出せば良かったと思う。
 キャロンのレイプシーンは前作よりも突っ込んだ描写になっているが、拘束シチュがなくなったのは痛い。ユリアとの百合描写なんかもあれば良かったのだが・・・。
 結局大きな支持は得られず、三部作の予定だったらしいシリーズは、本作で中途半端に打ちきりになっている。人気作の安易なシリーズ化はやっぱりダメだね。「抜ける度」は2。
(イボイボ)


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