どんぶり家族(前・後編

 ストーリー・雪子は美しい人妻だ。マジメな夫、良くできた子どもたちもいて、家族は一見円満に見える。しかしその内情は、互いを思いやることのない仮面一家で・・・・




 ・2006年にバニラレーベルから頒布された作品で、同レーベルによる原作公募イベントの第一回金賞受賞作ということです。
 つまりユーザー側が企画にも参加しているわけで、そうしたアグレッシブな試みは、業界の活性化という意味でも大変素晴らしいと思います。
 しかしそれがそのまま作品の面白さに繋がったかというと正直「?」でして、どうも何がやりたいのか良く分からない、あやふやな印象の仕上がりとなってしまっていることは残念です。
 まず拙いのは、作品の世界設定が上手く説明出来ていないこと。
 本作には兄妹が出てきますが、彼らには血の繋がりはないそうで、ということは夫婦それぞれの連れ子か何かと思われ、故に夫婦は再婚なのでしょうが、そのあたりが詳しく描かれないため、何だか見ていてそぞろな気分になってしまいます。
 そこがまずあやふやであるため、「仮面家族が乱交を通じ、共同体として再生する」というドラマの流れまでが分かりにくくなっており、何だかただ家族でやりまくっているヘンなオハナシという印象に見せてしまっています。
 色々業界タブーなどもあって、ストレートな表現はしにくいのかもしれませんが、近親相姦を扱うなら扱うで、「どんぶり」というタイトルにふさわしく、もっと真っ向から取り組むべきだったように思います。
 エロシーンは、爆乳妻が義父に犯されたり3Pに興じたり、兄妹のラブラブHもありと、そこそこに盛り沢山。
 しかし上で書いたようにドラマ構成が混乱しているため、エロとしても何処を見せたいのか、何処で抜かせたいのかということがボンヤリしてしまっています。よって抜き用には使いづらいでしょう。
 ラストは何やらスラップスティック調になったりオカルト調になったりしてドタバタと終わり、最後までピンのボケたような印象を拭えませんでした。
 「抜ける度」は1.5。
 ちなみに作画は中程度といった感じです。
(彩雲11型)


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