奴隷市場 SLAVE3「Myia(ミア)」

 ストーリー・ビアンカ、セシリアとの度重なる別離に落ち込むキャシアス。心配したファルコは彼に新しい奴隷を贈った。彼女の名はミア。ノドを傷付けられて声の出せない彼女を、キャシアスは散々に虐待する。最初から人間として扱わなければ、もう奴隷を失っても心が痛むことはないのだと。しかし・・・・




 ・シリーズの完結編です。さすがに3巻目ともなると展開はマンネリ気味なのを否めませんが、ではつまらないのかと言えば全然そんなことはないです。この哀しいお話しを最後まで高いテンションで見せきる手腕は見事です。
 今回のヒロイン、ミアちゃんはこれまでに増して「良い娘」であり、それだけにその運命の悲惨さが際立ちます。
 相変わらずクズ人間のキャシアスは彼女を虐め抜き、オシッコの中にパンを投げ込んで「食え」と命じるなど完全に暴走モード。しかしミアちゃんは彼のそんな行為にすらペコペコ謝意を表すのです。キャシアスはその姿に打たれて思わず彼女に詫び、償いを誓うのですが、このシーンはなかなか感動的でした。
 エロシーンはほぼ全編に渡り、結構濃厚です。ミアちゃんは犯されまくりますし、排便などのスカシーンもあります。しかしエッチな気持ちになるかと言えば、少なくともオイラ的にはそうではありませんでした。と言いますのも、ストーリーがあまりに可哀想すぎて、脳がエッチに働かないのです。その代わりに別の色々なことを考えさせられました。
 これはあくまでアニメでありフィクションですが、扱っているテーマは現実世界でも人類が普遍に直面しているものです。つまり世の中にはなんと多くの理不尽な不幸が降り積もっているのだろうかということです。
 戦災や、奴隷制度を始めとする残酷な因習・・・我々はいつまでそれに向き合わなくてはならないのか。
 この物語のヒロイン達も何ら罪を犯したわけではない。むしろ人並み以上に優しく純真な娘たちばかりでした。その彼女たちに何故幸福が約束されないのか。神の視座からすればそれも正義の一部なのでしょうか。人は永遠にこうして原罪を清算せよと?
 現世がそうであるならば、幸福はここでは決して得られないとでも言わんばかりに、キャシアスたちの魂は安息の地を天に求めます。至福の表情で絡み合う4人を映し出すこのラストシーンは、あまりにペシミスティックではありますが、それ故激しく胸に迫ります。まことにお恥ずかしい話ですが、オイラは思わず泣いてしまいました。
 かよう本作はエロとしてやや弱い部分もありますが、エロアニメでもその文芸部分のみで人の心を打てる場合があるのだという証左として強く推したいと思います。エロエログチャグチャやりまくりの脳天気な作品ももちろん楽しいですが、こういうストーリーで魅せる作品もたまにはないとつまらないと思うからです。文化は多種多様でこそパワーを増すのですから。
 3巻の「抜ける度」は2とします。しかしエロさは別として、その全編を貫く深い哀調は一度味わってみても決して損はないと思います。力作。
(彩雲11型)


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