ヴィシャス(1・2話)

 ストーリー・女を人として見ない父を嫌い、父の嫌がることをしてやるというお嬢さまアンジェラに迫られ使用人ジョンは関係をもってしまう。彼はアンジェラに好かれるが、同じ使用人のブリジェットがアンジェラの父の性欲処理の道具にされているのを見て、ブリジェットを屋敷から連れ出そうとする。




 ・長い。
 1、2話で計約60分ありますが、内容は15分でお釣りが来ます。「ストーリー」の記述4行が1話の全てというシンプルイズベストな作品です。
 それならエロに集中できそうですが、シンプルなのに支離滅裂という逆にすごいストーリーが視聴者を悩ませます。
 父の嫌がることをするアンジェラの行動は父を愛するがゆえの反抗かと思いきや、なんとアンジェラは本当に父が嫌いでむしろ使用人のジョンが大好きとのこと。そう、アンジェラの父を嫌う感情とジョンへの愛情に因果がないのです。というか使用人に手を出す父を責めながらアンジェラのしていることは父と全く同じです。悲 劇を描きたいようですがヒロインに同情できないので全然悲しくなりません。
 アンジェラの行為を「僕のせいだ」と悔やむジョンもおかしい。責任を負うべき親がいるのに思い上がりも甚だしいです。逆に、どうしてもジョンに責任を感じさせたいなら、「僕もアンジェラを愛していたのに、ご主人様を裏切れず本心を偽ってしまった(→正直になっていたら悲劇は避けられた)」などの設定が必要でしょう。
 結局アンジェラの母の死の理由も不明ですし、有名な鬱ゲーの『狂った果実』に触発されたけど何も考えずイメージだけなぞったと言われても文句の言えないストーリーです。
 もっともエロとして良ければ問題ないですが、こちらはもう一押しでしょうか。尺は長くスタッフの迫力も多少感じますが、媚薬のような描写が少しある以外ノーマルなプレイばかりで心情の変化もなく、この長い尺をそれだけで引っ張るには画力が足りない(雑というより純粋に上手くない)感じです。何よりせっかくアンジェラ の父が鬼畜な性格なのに、なぜその設定をプレイに活かさない!と拳を叩きつけたい(笑)せめてプレイ内容にインパクトがあれば視聴に耐えるレベルに届いたと思います。
 抜ける度2です。勢いはときどき感じました。
 
(eternal白)


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