夜勤病棟 Kranke 児玉ひかる

 ストーリー・竜二の罠にかかり、性の奴隷へと堕ちてしまったナース、児玉ひかる。夜の診察室で秘部へ極太バイブを挿入され、実験を施される。従順な姿勢を見せているものの、時として凶暴な素顔を現すひかるに対し、竜二はユリアンナ病院に入院している義理の妹・児玉あいを利用することを思いつく。あいの病室に現れた竜二は、あいの前でひかるに嫌がらせを行うのであった・・・。そして、その夜竜二はあいの病院でひかるへの実験を開始する・・・・・・。




 ・あくまで私が便宜上勝手に定義したことだが、夜勤病棟Karte. 5までを第一部、Karte. 6からKarte. 10までを第二部とするならば、今作は第三部の1作目ということになろう。時間軸としては、ひかるが従順な雌奴隷になる前、すなわち、Karte. 8のひかるの回想シーン(彼女が竜二に悪態をついている時期)とほぼ同じころの出来事を今作は描写している。
今作は第2部と違い、現在と過去が複雑に絡み合う構成になっていない点において、ストーリー展開がわかりやすい。今作では竜二とひかるの関係をあいが知るという展開になっており、これはKarte. 8の描写(ひかるが刑事たちの取り調べを受ける前、彼女は比良坂と自分との関係をあいに絶対に知らせて欲しくないと彼らに懇願した。)と大きな矛盾をきたしており、第三部は第一部と第二部の展開とは直接関係のないアナザー・ストーリーであるとみなしたほうがよいのかもしれない。
まず、今作の総合的な評価を簡潔に一言で表すと、アダルトアニメによくありがちな凡作であると表現するに尽きる。Karte. 9以降、私はこのシリーズをほぼ見限っていたので、大きな落胆はなかった。それでも、今作の発売が決定されたときは微かな期待を抱いたものだ。しかしながら、夜勤病棟シリーズの落ちこぼれようをこれ以上見たくないという心理が働いたのか、私は今作を鑑賞するのを躊躇した。その結果、私が今作を鑑賞するまで、発売日(2005年5月27日)からおよそ2年の月日を要してしまった。鑑賞し終えた後は、前述した通り、落胆こそ少なかったものの何とも言えない白けた気分になってしまった。今までの夜勤病棟シリーズの魅力は一切の妥協を許さず、丁寧に描かれた脱糞描写にあったと言える。もちろん、それだけではない。脱糞描写をしっかりと描いているアダルトアニメは数少なく、ディスカバリー以外の作品で私がすぐに思い出すことができるのは、「堕落 女教師破壊 下巻(ファイブウェイズ, 2003)」、「レクイエム(ミルキー, 2005)」くらいである。
私はこれらの作品にあまり魅力を感じなかった。その理由は女キャラの「顔形」、「体つき」が私の趣向に合わなかったからである。「顔形」、「体つき」について論じることは、私にとって非常に難しい。それには2つの理由が考えられる。まず一つは、私には絵心が全くないということである。とある何かに対して素人と玄人の見方が大きく異なることはよくあることだ。それはスポーツであっても料理であっても何でも良い。例えば、TVでプロサッカーを観戦する場合、一度もサッカーをプレーしたことのない時に見たときと、玄人とは言えなくとも、ある程度実際にプレーしてきた後に見るのとでは、その印象は絶対に大きく異なってくるはずである。ここで、私はある事柄について経験者以外は論ずる資格はないと言いたいのではない。内燃機関を理解しなくとも自動車の運転を楽しむことができるように、絵心がなくとも絵を楽しみ、そして評価することはできる。ただし、その評価に関しては、専門性の無さのためにどうしても言葉足らずになったり、玄人からしてみれば嘲笑すべき批評をしたり顔で行ってしまったりする。2つ目は、縦い玄人がどんなに理論武装したとしても、絵の評価は最終的には個々人のフィーリングに委ねられてしまうということだ。私が拘っている「女性語」の使用の有無のように明確に定義できる評価基準を「顔形」、「体つき」はほとんど有していない(「女性語」を使う女キャラを好むか否かに関しては、結局個々人のフィーリングに帰結されるわけではあるが。)。
以上の点に注意して、アダルトアニメにおけるエロさには何が重要なのかについて述べると、「顔形」、「体つき」の他に「アングル」、「モーション」が挙げられるだろう。これら4つの項目を考慮に入れると、最近見たアダルトアニメでは「新・最終痴漢電車 Rail-3(ミルキー, 2005)の由奈のエロシーンは非常にエロいと個人的には思った。ところで、「体つき」には1つ明確であると思われる評価基準がある。それは胸の大きさである。私は基本的に小さい胸、俗に言うペチャパイを好むが、アダルトアニメではビデ倫のせいあるいは自己規制のせいかどうかは知らないが、どんなロリキャラ(ここでは、年少キャラではなく、童顔キャラという意味で用いた)でも、その容姿からは想像し難いほどの大きな胸をしている。
私は巨乳キャラを大いに嫌う(ある程度の大きさまでは許容範囲だが)。なぜならば、巨乳は女体の美しさを大きく損なうからである。乳房の9割は脂肪でできている。だから現実世界では、痩せている(体脂肪率の少ない)女は、当然個人差はあるが、必然的にペチャパイとなる。一方で、デブの女は体中に脂肪を蓄えているわけだから、相対的に乳房も大きくなる。これは女に限らず、デブの男にも言えることで、例えば相撲取りを見れば分かる通り、彼らの乳房は女でもないのに垂れ下がっている。要するに、痩せていてかつ巨乳というのは胸パッドで誤魔化しさえしなければほとんど有り得ず、非常にアンバランスな体型であるというわけだ。私は「犠母妹(ディスカバリー, 2002)」の悠奈くらいの胸の大きさが理想的だと考える。一方で、非常に醜悪だと感じたのが「継母(バニラ, 2005)」のシルビアの胸だ。
胸の話はここまでにして、話を夜勤病棟に戻そう。今までの夜勤病棟シリーズは「顔形」、「体つき」、「アングル」、「モーション」が私好みだったと言える。ならば、今作はどうか?
とりあえず言えることは、竜二やひかるの「顔形」が今までと大きく異なっている(第1部と第2部に関しても、実際それらを見比べてみると、かなりの差があることが分かるが)。
夜勤病棟を、シリーズを追って見てきた者にとっては違和感を覚えることだろう。他には、アニメーションのレベルが全体的に下がっているように感じたが、この手の知識が浅学な私では、これ以上の説明を付加するのはどうやら無理そうである。夜勤病棟恒例の脱糞シーンに関しては、一応あるにはあるのだが、全作品の中でもそのクオリティーは最悪最低であることをここに断言する。それは脱糞描写がもっとも控えめであった夜勤病棟 Karte. 1以下である。今回竜二は蜂蜜とヨーグルトの混じった液体をひかるの肛門に注入する。アナルセックスの後、ひかるは脱糞するのだが、浣腸液が飛び散るだけであった。私は最近AV女優に浣腸して排泄させる実写のスカトロビデオを鑑賞した(案外気持ち悪くない。私はすぐに慣れた。それはやはり映像では便臭がないからであろう。映像だけでは感覚が麻痺する。人間は五感で感じてこそ始めてリアリティーを得るのであろうか。)。それによると、当然腸内の便量に大きく依存するのだろうが、始めに透明な浣腸液が吐き出され、次第に液の色が茶色となり、最終的に固形糞が排泄された。これと今作の夜勤病棟を比べてみると、今作の脱糞描写は全然写実性がないことがわかるだろう。私はKarte.6やKarte.8と同等の脱糞描写のクオリティーでなければ決して満足できない。今のディスカバリーにそれが達成できるとは毛頭思ってはいないが。
今作は脱糞描写以外に前半と後半に嘔吐描写がある。前半では、ひかるは竜二に喉の奥までバイブを突っ込まれ、咽頭反射で嘔吐した(嘔吐物は描写されているが、ひかるが嘔吐しているシーンはカットされているので、正確には、これは嘔吐描写とは言えないかもしれない。)。後半では、ひかるは竜二に排泄物の混じった蜂蜜とヨーグルトを強引に飲まされ、その直後嘔吐した。アダルトアニメでは、脱糞描写以上に嘔吐描写を扱っているものは少ない。私が思いつく限りでは、「夜勤病棟 Karte. 9 (ディスカバリー, 2003)」の恋の嘔吐、「ブラッドロイヤル Princess.1咲夜(ディスカバリー, 2002)」のミルテの嘔吐くらいである。
嘔吐描写は私の心をそそらない。その理由は、まず、嘔吐物の描写はアニメでは難しいからである。今作の嘔吐物は淡い黄色一色の液体であった。もし胃が空っぽならば、胃酸のみが吐き出されて、嘔吐物は描写のように黄色の液体となろう。但し、嘔吐の前にもし何かを食していたならば、未消化物がそのまま吐き出されるはずである。その未消化物をアニメで繊細に描き出すことは、よほどげろに対する思い入れがない限りは不可能であろう。
もう一つは、嘔吐描写は顔主体だからである。やはりエロさを醸し出すには、顔描写は副次的なものであり、陰部の描写が主体となる。その点を踏まえると、今まで敢えて触れてこなかったが、性器を隠すモザイクはエロの天敵である。私はモザイク反対論者である。
瀕死のアダルトアニメ市場をささやかながらも復活させるには、モザイクを撤廃することが最も効果的であると私は考えている(実現は難しそうだが)。よく考えてみれば不思議なものだ、我々男どもは、グロテクスとも言えるウニの中身の如き女性器にあれほどまでに発情するとは。これも神のプログラムの一部なのであろうか。
最後に、今回のメインキャラであるひかると竜二について自分が思ったことをいくつか述べようと思う。エロいかどうかは別として、私はひかるというキャラを好まない。夜勤病棟に出演する女キャラの中で最もいけ好かない奴だと考えている。その理由は彼女の性格や態度にある。これらについては私の夜勤病棟 Karte. 8のレビューに具体的に書いてある。
第1部の彼女には非常に好感がもてた。そして、第2部での彼女の豹変ぶりには目を疑った。その点、第3部の彼女の性格・態度は第2部と辻褄が合っていると言えよう。第2部以降の彼女は竜二に常にタメ口で言葉を交わし、反抗的である。要するに、私は彼女の言葉遣いに著しい嫌悪感を催したわけである。原作「夜勤病棟(ミンク, 1999)」での彼女の性格設定は一体どのようになっていたのか?今さら原作のエロゲーをプレーする気は更々ないが、ひかるがどのようなキャラとして描写されているのかは興味を引く。竜二については、アダルトアニメ史上最強の鬼畜キャラであると信じて疑わなかった。それこそ、臭作、遺作、鬼作等の他の鬼畜キャラなど問題にならないほどに。Karte. 9での竜二の衝撃的なフェミ発言(私の夜勤病棟 Karte. 9のレビュー参照)以降、その信念に幾分懐疑的になってしまったが。それでは、今回の竜二はどうかというと、ただの痴呆キャラに成り下がってしまったように思われる。ここに彼のマヌケな言動を2, 3個表記しよう。
・バイブに「ひかる5号」というセンスもへったくれもないネーミングを行う。
・蜂蜜とヨーグルトの浣腸液をひかるの肛門に挿入し、排泄させた後にその排泄物をひかるの喉に流し込む実験に対して、
「今日は二段構えの実験だ!上手くいけばノーベル賞ものだぞ!」
・上記の実験後、嘔吐するひかるに対して、
「素晴らしい!なんて哲学的な光景なんだ!」
文章だけではその滑稽さは伝わりにくいと思うが、こんな馬鹿げた台詞を平気でいう彼は本当に国立医大でトップレベル(夜勤病棟 Karte.1参照)だったのだろうか?彼が看護婦に行う行為はどんなにキチガイじみていてもいい。しかしながら、台詞に関しては、もうちょっと医師らしく知的であってもよかったんじゃなかろうか?もっとも、第1部のころから彼はマヌケな台詞を連発していたように思われる。それでも、我々視聴者が白けもせず、彼の台詞に説得力があったのは、アニメの台詞以外の演出力のおかげであったのだろう。
夜勤病棟の新シリーズ。これが「夜勤病棟」というタイトルさえ冠していなければ、近年よく見かける‘普通’のアダルトアニメと言えただろう。但し、「夜勤病棟」を名乗っているからには、その輝かしい歴史に対する責任と成果が求められる。そのことを考慮に入れると、今作はシリーズ史上最低の駄作である。よって、抜ける度は1とさせてもらう。
(りぷとー)


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