ヤスジのポルノラマ やっちまえ!!

 ストーリー・1971年の東京都内(?)に住む独身のダメ男&金無しのプス夫(資料によってはブス夫)は、赤線地帯が消え去った日本でセックス等に飢えていた日々を送っていたが、自動車会社に就職した彼は、ユキ子に懇想するも、ユキ子は当然ながら彼に見向きもせず、嫌なエリート部長にデレデレ気味。ユキ子を自分の物をにしようと、セックスセールスマンと化した彼は欲求不満な女性たち相手に車を売って、会社の売上と成績が向上したプス夫にようやくユキ子がプス夫の心へ惹かれて行くもライバルのエリート部長の妨害工作に遭って、一度はユキ子に振られてしまったプス夫だが、最終的に刺身包丁で脅してユキ子と愛でたく結婚。だがここからがプス夫にとっての転落の人生の始まりであった事をこの時はまだプス夫自身知る由もなかった…。



 ・1971年9月24日に日本ヘラルド映画系で劇場公開され、「男一匹ガキ大将」「赤き血のイレブン」等を手掛けた東京テレビ動画にとっては初の劇場アニメ。「千夜一夜物語」と「クレオパトラ」を手掛けてた虫プロダクションに代わって東京テレビ動画が社運を賭けた劇場用アダルトアニメーション映画で、谷岡ヤスジ氏を招き、物語は辺見マリの楽曲名にちなんだ「私生活」「経験」「めまい」の全3部構成で1971年の劇場アニメ映画の中で一番カオスと言える程のサイケデリックな印象が濃くあまりもぶっ飛んだやりたい放題のアダルトアニメ映画作品。勿論、公開当時は当然ながら8日間から1週間で上映打ち切りという悲惨極まりない結果となり、この作品を制作した東京テレビ動画は当然ながら倒産。1972年に日本テレビ動画として再建するも、1973年の日テレ版「ドラえもん」を最後に新倉雅美氏(渡辺清氏)が日テレ版ドラえもんの放映途中に夜逃げして、日本テレビ動画が倒産すると言う憂き目に遭います。おっと話が日本テレビ動画関係に移ってしまって申し訳ない。私は2018年3月3日にこの映画が東京の京橋で再上映される事を知った私は京橋でこの作品を視聴。令和元年の2020年にDVDがリリースされ、幻の劇場用アニメ映画が数世紀の眠りを経て解放されたお宝映画だと認識しております。さて本作品の抜ける度は4.7、アニメとしての完成度は4。あまりにもエログロ色の濃いアバンギャルドなサイケデリックなアダルトアニメ映画と言う事を考えると見る麻薬(ドラッグムービー(おいこら))の色が濃く、まさかここまで点数をはじき出すとはなぁ…。なお当時の映画評論家からはボロクソ叩かれましたが、今現在はカルトアニメ映画としての人気を誇っているけど、あの当時でこんなカオスな作風のアニメ映画を1971年当時に公開しても、時代が早すぎた感が…。さて日本のアダルトアニメ映画は2年後の虫プロ制作の「哀しみのベラドンナ」を最後に日本のアダルトアニメ映画は事実上を消滅、1984年のワンダーキッズの「ロリータアニメシリーズ」、フェアリーダスト(創映新社)の「くりいむレモン」を待たなければならぬ冬の時代を迎える事となったとか…
(マイケル・イリモル)

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