紐緒結奈

 紐緒結奈はきらめき高校の二年生。

 しかしただの高校生ではない。

 世界中の科学者が結集しても果たせないような大発明を、まるで枝毛でも切るようにサクサクズバズバやってしまう、史上最高のスーパーマッドサイエンティスト女子高生なのだ!

 今日も彼女は自宅の研究室・・・と言っても、地下200メートルを穿って極秘裏にこしらえた秘密研究室なのだが・・・で、恐るべきマッドな研究に打ち込んでいた。

 今彼女が手がけているのはクローン人間の実用化。それも遺伝子構造が同じというだけでなく、記憶から何からオリジナルと同一な、つまり人間の完全な複製なのだ。

 「出来たわ」

 大きな円筒型の培養器の前に立ち、
結奈は無感動に言った。

 並みのマッドサイエンティストであれば、研究が完成したとき、稲光を背に「ウハハハハハ」などと高笑いなどしてみせるものだが、結奈はそんな俗なことはしない。

 天才の彼女にとって、研究が成功したり完成したりは当たり前。取り立てて喜んだり浮かれたりする価値など無いのである。

 「さあ、出てきなさい」

 培養器のドアを開けると、中からは全裸の少女が立ち現れた。

 きつく目の吊った、少々険のある面立ちだが、なかなかの美少女だ。

 そのルックスは
結奈と瓜二つ。つまり結奈は、自らのクローン体を作り出したのである。

 「状況は分かっているかしら?自分が誰だか分かっている?」

 そう問いかける
結奈に、クローン結奈はチラリと視線を向けて、

 「勿論よ。あなたは紐緒結奈で、私はそのクローン体ね」

 「そうよ。では自分がどういう目的で産み出されたのか、それも分かっているわね?」

 クローン結奈は、今度は問いに答えず、全裸のままスタスタと培養器から歩み出ると、散らかった実験台の上をガサガサと物色し始めた。

 「ちょっと、何してるのよ!」

 オリジナル結奈は険しい声音で言った。

 「実験室内の物を勝手に触らないで!私が作った天才的発明品の数々が置いてあるのよ。壊れたらどうするの」

 「バカね、あなたの発明品ってことは、私の発明品でもあるわけじゃない。私だって紐緒結奈なんだから」

 「クローン風情が何を言ってるのよ!大体あなたは、私の助手として使うために産み出した・・・」

 言いかけたオリジナル結奈に向けて、クローン結奈は台の上にあったピストル型の器具を取り上げ、引き金を搾った。

 「ギャッ!」

 銃口から飛び出したワイヤー付きアンカーが肌に突き刺さり、そこから強烈な電撃を受けて、オリジナル結奈は仰向けにひっくり返った。

 ピストル型の器具は結奈が開発した強力なスタンガンで、人間を2、3時間は行動不能に出来るのだ。

 「こんなバカ女がオリジナルかと思うと泣けてくるわね」

 床の上でピクピクと痙攣しているオリジナル結奈を傲然と見下ろし、クローン結奈は言った。

 「わたしは紐緒結奈のクローンなのよ。偉大な紐緒様が他人の助手なんかやるわけがないじゃないの。」

 酷薄な調子で言いながら、クローン結奈はオリジナル結奈の白衣と下着を剥ぎ取って裸にしてしまった。

 「私に生意気な口を利いた罰を与えてあげるわ」

 研究室の隅にある巨大なタンクから伸び出しているジャバラホースを手に取ると、金属製のノズルが付いた先端部をオリジナル結奈の女淫へグイとねじり込む。

 「ぐうっ!」

 くぐもった呻き声を上げて身をよじる結奈の胎内へ、ジャバラホースを通して、タンクの内容物が注ぎ込まれ始めた。

 「ふァ、いはッ、いはァあああああーッ!!・・・」

 結奈の裸身が床の上で跳ね悶え、狂気じみた悲鳴がほとばしる。

 「どう?『イダイナヒモオサマ』の味は?快感で気が狂いそうでしょう?」

 カラカラと笑って、クローン結奈はジャバラホースをさらに奥深くへと挿入する。

 『イダイナヒモオサマ』というのは、結奈が研究費を稼ぐために製造している非合法媚薬だ。

 あまりの強力さ故、精神に異常をきたす利用者が後を絶たないのだが、社会的なモラールなんか知ったこっちゃない結奈は、これを闇ルートで販売することにより、莫大な利益を手中にしているのだった。

 その麻薬によって、あろうことか我が身を冒されてしまった結奈の秘花からは、たちまち大量の淫らな蜜があふれ出し、床の上をヌルヌルと汚していく。

 同時に全身が淫靡に波打ち始め、魚のようにパクパクする口からは、白痴めいた喘ぎ声が漏れるばかりとなった。

 「えあ・・えああああ・・・・」


 天才科学者とは言え、肉体的にはどこにでもいる普通の女子高生・・・いやむしろ、この年頃の少女としては十分以上にグラマーな肢体を持つ結奈は、性感も当然によく発達している。それが麻薬によって暴走させられ、理性を消し飛ばして、彼女からまともな思考能力を奪ってしまっていたのだ。

 「いいザマね。そのまんまクルクルパーになっちまえば良いわ。この世に私のような天才科学者は二人もいらないもの」

 嘲笑いながら、クローン結奈はオリジナル結奈のおとがいに手をかけ、白目を剥いたその顔を覗き込んで言った。

 「だけどあなたを殺しはしないわ。一生この研究室に繋いで飼ってあげる。さらに多くのクローンを作り出すための素体として利用出来るからね。それらクローンも全員薬でクルクルパーにして、生きたダッチワイフ商品にするのよ。どう?ナイスアイデアでしょう?」

 すでに意識のないオリジナル結奈に語りかけながら、クローン結奈の高笑いは、次第に狂気じみた響きを帯びながら、研究室内に木霊し続けるのであった。


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