Sdkfz.666氏・作

 Sdkfz.666さんからオリジナルの異世界エロテキストをいただきました!

 囚われの身となった美しい女性バウンティハンターに、恐るべき陵辱を加えてゆく謎の男たち。その正体は?・・・って感じの、重厚で淫靡な雰囲気が素晴らしい作品です。


 血の色に近い落日が、冬の平原の地平を染めている。奇怪に節くれだった枯れ木が点在する中に、人家は見えない。ただ、小高い丘の上に小さな灰色の城館がぽつんと存在していたが、不思議なことに人の住む気配は全く感じられない。それは、先だってやっと百年ぶりに終戦を迎えた、ババリア公国と『帝国』の戦争の間、若者達が一旗上げようと両陣営に志願して出ていったせいであろうか?
 ほとんど太陽が地平に沈もうとする頃になって、城館の入り口に数人の人々が現れた。
何か、大きな袋に入れた荷物を担いでいる。城門で彼等は所在無げにうろうろとしていたが、どこからともなく現れた『影』が彼等を取り巻くと、声を上げる間もなく、次の瞬には皆絶命して倒れていた。もし、誰かが近寄ってその死体を観察したならば、辺境で良く見られる農作業用の皮服を来た犠牲者の体からは皆血を抜かれ、眼球は腐って眼窩に黒いくぼみを見せていることに気付いたであろう。
 『影』は、上空を数周旋回すると、大きな布袋に気付いた様子であった。その布袋は浮かび上がると、城館に向かってゆっくりと移動していった。


 その日の真夜中。
 四方の壁で何百本もの蝋燭がゆらめいている城館の一室。そこで、一人の女性がその四肢を白い粘着物によって、いつの時代、どこの国とも知れぬ言葉を書き記された木の床の上に、大の字になって固定されて横たわっていた。年の頃は10代後半から20代前半、全く身じろぎしないところを見ると、意識は未だ回復していない様子である。女性が身につけているものは、この東方辺境で農村に住む女性の部屋着として良く見られる袖なしの皮製の短胴着と、膝まである腰布のみであった。だが、全身から漂う雰囲気は、この地方の人間のものでは無い。この東方辺境の平均的な男性の身長を優に上回る身長がある。三角筋が発達した肩幅は広く、すっきりと長い手足は細身でありながら筋肉質で、瞬発力としなやかさを見るものに想起させる。鎖骨のすぐ下から盛りあがる胸は、豊かな弾力を暗示している。肌は小麦色に日焼けしているが、どうやら農作業による日焼けではなさそうだ。
 やや赤みの混じったくせのある金髪は、乱雑に肩にかかる程度に切りそろえられ、組み紐で額に掛からないよう束ねている。若干頬骨の高いその顔は細面であるが、眉は意思の強さを象徴するかのように太い。化粧ッ気は全く無いにも関わらず、北方人特有のきめの細かいなめらかな肌と、やや突き出し気味の下唇が、見る者に煽情感をかき立てる。
 女が目を覚ました。鋭く、油断の無い大きなツリ目で周囲をちらと観察し、ついで自分の置かれた状況を確認する。美人の範疇に属する顔立ちではあるが、どこにでもいる市井の民間人、というわけでも無さそうだった。
 女が横たえられている床の、足に向かっている側の壁には二つの巨大な木製のイスがあり、座している二つの人影が見えた。一つは少年、一つは青年らしい。青年とおぼしき影が言葉を発した。
 「気がつきましたか?」
 「ここはどこだ?」
 女は平板な口調で問い返した。青年の影が椅子を降り、ゆっくりと歩み寄る。続いて、やや背の小さな少年の影が椅子を降り、やはり女に向かって近づいてきた。二人ともゆったりとしたチュニックを身に纏い、一見地方の青年領主の兄弟といった風情だった。
 「・・・私のささやかな館ですよ。しかし、あの村人達も酷いもんですねえ、雇ったあなたを騙してここまで運んできたんですよ?」
 不意に屈むと、女の顔を覗きこむようにして青年が言った。ほっそりとしたその体格、端正なその表情からはなんの邪気も感じられない。しかも、都でもめったに見ないほどの美形である。にこやかな笑みを浮かべたその視線を、(やや内心ドギマギしながらも)女は真正面から受け止めた。
 「あなた・・・都から来た賞金稼ぎですね?あの可愛そうな泥鬼達を殺したのもあなた、でしょ?」
 どきり、とする質問を投げかける。
 「だったらどうした?」
 にべも無いその言葉に、フンッ、と軽く鼻を鳴らして、青年は立ちあがり、拘束された女性の周囲をゆっくりと回りながら言葉を続けた。
 「これはこれは・・・素晴らしい、まったくもって素晴らしい意思力を秘めておいでの方のようだ。思うに・・・あなた、ただの賞金めあての流れ者ハンターではありませんね?」
 再び立ち止まり、
 「是非、御名前を御伺いしたい。」
 「シルメリア。」
 あっさりと女は答える。
 「シルメリア、シルメリア・・・どこかで聞いたかもしれないな・・・その御名前からすると、公国人でしょう?」
 女は再び口を閉ざした。
 「どこのご出身かぐらい、教えてくださっても構わないじゃないですか・・・私、貴方のような美人とお話するのはひさしぶりなんです・・・貴方についてもっと知りたいなあ。そう、年はおいくつでしょうか?」
 「24。」
 小馬鹿にしたような口調で今度は答えた。
 「お前達、女性にだけ名乗らせるつもりか?」
 シルメリア、と名乗った女の態度は自信に溢れ、この状況にも微塵もうろたえていない。
 「おお、私としたことが。これは失礼したしました。私めはリルド、このポーゼン地方の領主を先祖代々仰せつかっております。ここに控えておりまするのは弟のアンディルにございます。」
 明かにおどけた口調で、青年は自己紹介した。
 「・・・で、どうなんだ、お前が一人で殺したのか、あの泥鬼達を?」
 唐突にリルド、と名乗った青年の口調が凄みを込めて変わった。
 「ま、そういう事になるかな、結果的に。」
 相手の過剰反応を引き出すため、シルメリアはわざとぞんざいな返事をした。リルドはサンダルの足音をカツカツと響かせて歩み寄ると、いきなりその拳を垂直に、横たわるシルメリアの腹部に振り下ろした。
 「ふうッ!」
 胃を狙ったつもりなのだろうが、引き締まって筋肉質のシルメリアの腹部には大したダメージとはならない。
 『この様子だと、コイツ、あせり始めたな・・・』
 大きく深呼吸して息を整えると、無表情にシルメリアはリルドの顔を見据え、次のチャンスを覗う。だが、次にリルドが取った行動は、シルメリアの予想を超えるものだった。
 柔和な、だがぞっとする雰囲気の微笑を浮かべると、驚くべきことにリルドは両手両足を広げて大の字の姿勢のまま動けないシルメリアに覆い被さってきた。シルメリアはありったけの力を込めて両手と両足を動かそうとしたが、手足を拘束している白い粘着物は、わずかに伸びるだけである。リルドは、骨が軋みそうな握力で、シルメリアの両手首をぎゅっと掴んだ。
 「くっ・・・!」
 シルメリアは歯をくいしばり、顎をひいてリルドの顔を睨み付けた。
 「あなたは、私に任せて大人しくしていればいいんですよ。お互い楽しもうじゃないですか。」
 「・・・」
 唇の端から食いしばった真っ白な歯を覗かせながら、シルメリアはハンサムな青年の顔を凄まじい形相で睨み付けた。並の男ならば、その猫科の猛獣を想起させる鋭く大きなツリ目を見ただけで萎えてしまいそうであった。だがリルドはいわば、これから強姦するぞと宣言したわけである。にっこり笑ってシルメリアの視線を受け止めると、リルドは無遠慮にも唇を重ねてきた。
 「んんっ・・・!」
 シルメリアの目が驚愕に見開かれる。お構いなしにリルドは、執拗にシルメリアの唇全体をちゅぱちゅぱと音を立てて吸い、舐めまわした。いきなり口の中に舌を入れてこないのは、噛み切られないための用心であるらしい。そして、キスをしたままでリルドは皮製の胴着の隙間から右手を差し込み、シルメリアの胸を揉み始めた。
 「あっ・・・!何を、何をする!!やぁ・・・め・・・ろ・・・」
 シルメリアは必死に顔を左右に振りかぶって抗議するが、唇を塞がれているために、くぐもってなかなか言葉にならない。一瞬の隙を見つけてようやく唇をもぎ離すと、女賞金稼ぎは直に乳房を掴まれているにもかかわらず、毅然とした態度でリルドを睨み付けた。
 「き、貴様・・・貴様があの泥鬼共を操っていたのか?人間のくせに何故・・・?」
 リルドはおどけるように小首をかしげた。
 「いやあ、操るだなんてとんでもない。あの哀れな、あなたに皆殺しにされた泥鬼達は僕の子供達ですよ。なかなか可愛いヤツ等だったでしょ?」
 「・・・何?」
 リルドは少し哀しそうな表情を、その線の細い面長の顔に浮かべた。
 「元はといえば、みんな人間が悪いんですよ。だから、あなたにも償ってもらいます。僕達にたっぷりと協力してもらってからね。」
 なにか言い返そうとするシルメリアの唇を、リルドの唇が再び塞いだ。リルドは左手でシルメリアの頭を掴んでいるので、顔を動かすことすらままならない。シルメリアの口腔内にリルドの舌が侵入し、シルメリアの舌と絡み合った。そのまま大量の唾液を口移しで飲まされる。シルメリアはむせ返ったが、リルドはなおも夢中で彼女の唇を犯し続けた。シルメリアの顔が真っ赤になり、口と口の間から苦しそうに熱い息を漏らすようになって、やっとリルドはちゅぽっと音を立てて唇を離した。シルメリアとリルド、二人の唇の間にどちらのものとも知れぬ唾液が吊り橋を作る。歯を食いしばってにらみつけるシルメリアを、さも愛しそうなふりをしてリルドはみつめた。
 「私も、あなたのように美しい真人の女を抱くのは、五十年ぶりのことです。どうもここらの垢抜けない獣人の村娘はすぐに悲鳴を上げるばっかりでつまらない。」
 シルメリアのけげんな表情は、すぐに苦悶の表情へと変わった。リルドが丹念にシルメリアの乳房を揉みほぐし始めたからである。単調だが、粘っこい手の動きに、次第に痛み以外の感覚が混じるようになった。
 「ああっ・・・くっ・・・くそっ・・・貴様を必ず・・・殺すぅうッ・・・」
 シルメリアの口からはいまだきつい言葉がこぼれるが、何かに耐えるように吐息は荒い。
 「兄さん、この女、兄さんに抱かれてまんざらでもないみたいだよ?」
 部屋の隅で膝を抱えて眺めていたアンディルが楽しそうに言う。リルドは、手の動きに変化を加えた。人差し指と親指でシルメリアの両胸の乳首をつまむと、精密な楽器を爪弾くように、くりゅっ、くりゅりゅッ、と乳頭を微妙にこねくり回し始めた。
 「・・・っ!・・・ああっ・・・うっ・・・やぁああっ・・・」
 シルメリアはリルドを調子付かせないよう無表情を装って、乳房の先端から送りこまれる痛みと快感の入り混じった強烈な刺激に懸命に抗った。
 「ふふ・・・なかなか、いいでしょう?」
 リルドはさらに執拗にシルメリアの乳首を責め続けた。自分の手に落ちた女を自由に嬲り者に出来る満悦が、その顔にはありありと浮かんでいる。だがその満悦は性的なものというよりも・・・どこか、捕食者のそれに近い。
 「くっ・・・ふぅんっ・・・ん・・・」
 シルメリアは眉間に皺を寄せ、歯を食いしばってうめき声をかみ殺す。金髪を短く刈り込んだ、鍛えぬいた体を持つ野性的な美女にのしかかるほっそりとした美形の貴族然とした青年。傍目には美男美女が睦み合う神話の絵のような光景である。が、青年の表情に浮かぶものはひたすらに欲望のみで、このような場面で当然有ってしかるべき愛情は一片も感じられず、また美女の顔には憎悪と、体の奥から突き上げてくる感覚に必死に耐える苦悶の表情が浮かんでいることが、その光景を異様なものとしていた。

 ようやく乳房への責めを諦めたリルドは、いきなりびりっ、とシルメリアの薄い袖なしの胴着を破いた。胸から下腹部までが突然露わになって、さすがのシルメリアもたじろいだ。リルドはゆっくりと撫で回しながらその掌をシルメリアの下半身へと降ろしていった。
 強張った腹部からは、はっきりと腹筋の起伏も感じられ、相当に鍛えぬいた体であることがわかる。
 「ほぉ・・・どうもきつい感じの方だと思ったら、この鍛えた体、軍人あがりですか?怖い御方だ。」
 微笑みながらリルドはシルメリアの膝までの腰布の中に手を入れ、尻を撫で回し、尻の割れ目にも手を差し込んだ。そしてたくましい太腿の内側にぴったりと手を這わせ、そのまま柔らかいショーツの上から、シルメリアの足の付け根をつかんだ。
 「・・・!」
 リルドの体温を、布地越しに体のもっとも繊細な個所に感じ、シルメリアは咄嗟に言葉を発することも出来なかった。リルドの右手は布地越しにシルメリアの陰唇を優しく円弧を描くように軽くなぞっていたが、やがて陰部の割れ目に沿って執拗に人差し指を這わせるようになった。次第にショーツが湿り気を帯びるようになり、シルメリアの肉門の構造が布地越しにくっきりと浮かび上がる。股間を大きく開いて固定されているシルメリアの長い両足が虚しく痙攣する。
 「き、貴様、今すぐ手を離せ、さもないと後で貴様のチンポを貴様の口に突っ込んでやる・・・あぁっ・・・っう・・・」
 股間からの疼きに動揺するシルメリアは、勇ましい脅し文句も言い終えることは出来ない。
 「やれやれ、せっかく私が優しくリードしてあげているというのに。顔に似合わず下品な方だ。」
 肩をすくめると、リルドは一気にシルメリアの腰布をたくし上げ、白いショーツにつつまれたシルメリアの股間を剥き出しにした。ショーツはくっきりと陰唇に食い込み、かすかに甘い香りが漂っている。普通の男なら我を忘れてしまう視覚と嗅覚への刺激であるが、リルドは余裕の表情を浮かべて、冷静にショーツを剥ぎ、臍のほうにたくし上げた。シルメリアの股間からショーツが離れるとき、かすかに糸をひくものが幾筋か見られた。
 今やリルドの目前に、シルメリアの一糸まとわぬ股間が暴かれた。頭髪よりもさらに赤みのかかった陰毛が、まるで羽根を広げた蝶のような形で広範囲に股間を覆っていた。しかもその密度はかなり濃い。
 「これはこれは、あなたは都から来た方だとばかり思っていましたが・・・辺境の村娘よりもひどいじゃありませんか。このザマでは、好きな男に抱かれる時に笑われますよ。」
 「・・・・・」
 ここまで言われて、羞恥を覚えるな、とはいかに軍人出身シルメリアでも無理な相談である。シルメリアは真っ赤になって俯いた。リルドはシルメリアの茂みをまるで梳くようにかき回してから、肉門を弄り始めた。シルメリアの大陰唇はきれいにぴったりと閉じ合わされており、肉のはみ出しは無い。リルドは両手でそこをにゅっ、と広げてじっくりと観察した。シルメリアのなかは既にきらきらと輝くほどにじっとりと濡れていた。あまり使いこんでいないのか、色素の沈着もみられず色もつつましく落ちついたピンクである。細かな襞が入り組んだ奥には、指が一本入るのもきつそうな膣口がひくひくと蠢いている。
 その上部にはポツンと針でついた程の尿道の孔が、そして包皮にくるまれてかすかに頭を出しているクリトリスがあった。その中心に、リルドは端正な顔を埋めた。
 「・・・ふうッ!」
 シルメリアは唇をわななかせ、美しいアーチ状の眉をひそめた。辛そうなその表情は、凄絶なほどに色っぽい。
 リルドの鼻腔を、シルメリアの体臭―――汗のそこはかとなく甘い臭いや、じわじわと分泌されてくる体液のツーンとした臭いが混じったもの―――が、刺激する。リルドは、その臭いの中心に向かって舌を這わせた。広げたシルメリアの肉門から、固く尖らせた舌の先端を、徐々に胎内へと差し入れる。ヌルッとした熱い襞肉を、くちゅくちゅとわざと音を立ててしつこく舐め上げた。
 「ぎゃッ!・・・ん・・・んんッ・・・」
 シルメリアは腰を僅かに浮かせて喘いだ。滑らかな額には脂汗が浮かんでいる。今や三角筋が発達した広い肩から、大きく息をつく度にくっきりと腹筋の陰影が浮かび上がる、引き締まった腹部に至るまでポツポツと大粒の汗が滲み出ていた。リルドはぴったりと顔面をシルメリアの陰部に押し付け、思いきり舌を尖らせて膣口の廻りをかきまわすように動かした。リルドの高い鼻が、シルメリアの恥骨の膨らみを捉える。リルドはじっくりとシルメリアの体液の味と香り、襞の感触を楽しんだ。粘度が低いシルメリアの体液は、瞬く間に肉門から溢れ出し、彼女の股間全体とリルドの顔を汚した。
 「くふッ・・・そ、そんな・・・ひあッ・・・」
 丹念に、襞の一枚一枚をかきわけてまさぐるようなリルドの粘着質な舌の動きに、たまらずシルメリアの体は本能に従って反応してしまう。シルメリアの股間に埋めた顔に、にやりと笑みを浮かべると、リルドはクリトリスに舌を這わせた。
 「・・・んッ、ん―――ッ!」
 シルメリアは下唇を噛み締め、顔を歪めて必死に耐えているが、引き締まった下腹部から筋肉質の内腿は痙攣を起こしたように波打っている。シルメリアの弱点を捉えたリルドは両手を彼女の豊かな腰にまわして抱え込み、しっかりとホールドすると集中的にクリトリスを責め始めた。次第に痙攣が激しくなり、悲鳴すら上げないものの、自制を失ったシルメリアは拘束された両手をわなわなと震わせ、短くカールした金髪を振り乱して悶えた。
 不意に、リルドは舌を使った責めを止めた。
 「・・・あッ?」
 もう少しで達しようとしていたシルメリアは、思わず『やめないで』と口にするところであった。シルメリアの股間から顔を上げ、リルドは蔑んだ表情でシルメリアの顔を見下ろした。リルドは、シルメリアの顔に一瞬浮かんだ失望の色を見逃さなかった。
 「ほお、下品な口を聞く割にはウブなものじゃないですか、この程度の責めでイキそうになるなんて。体つきもしっかりしているし、僕等の子供を孕んでもらうにはぴったりだ。」
 リルドは体をずらし、大きく開いたシルメリアの両脚の間に、自分の腰を持ってきた。
 「今すぐ私を殺せ、さもないと後悔するぞ!貴様の目の前で弟をじっくりと切り刻んでから貴様も殺してやるッ!!」
 最終的な屈辱がわが身に加えられるであろうことを悟って、シルメリアは紅潮した顔で叫んだ。そんな彼女の様子を、リルドはただせせら笑うばかりである。
 「まぁまぁ、そうあせらないで。そろそろ挿入れ[いれ]てあげますから、賞金稼ぎさん。」
 ゆったりとしたチュニックをたくし上げると、リルドのペニスが現れた。
 『・・・な、なんだ?』
 シルメリアは驚愕に目を見開き、リルドのペニスに思わず見入ってしまった。性経験もそれなりにあり、しかも先ほどの湖畔での一件からしてやや奔放なところのあるシルメリアであったが、リルドの男性器には凄みすら感じた。その天を向いて反りかえった肉の幹は、青年の臍を越える程の大きさである。表面には大樹の根のような青黒い血管がゴボゴボと浮かび上がり、先端は赤黒く拳のように怒張している。リルドの、いかにも地方領主然とした冷たい美貌とその外見に似つかわしくない凶悪に勃起した一物を見て、シルメリアの下腹部が本能に従ってキュッ、と疼いた。
 「ちょっと苦しいかもしれませんからね、息を吐いたほうがいいですよ。」
 と、リルドはわざと優しげな口調で囁くと、シルメリアの股間に跪き、右手で彼女の膣口を探り当て、左手で自分のペニスを支えて、挿入角度を整えた。シルメリアの心臓はどきどきと高鳴り、呼吸の間隔が短くなる。

 「・・・いきますよ?」
 リルドは亀頭をシルメリアの膣口にあてがうと、結合点に一気に体重をかけて挿入した。
 グニュゥゥゥ・・・・・・!
 「ん・・・んんぁぁあああッ!・・・ぎゃぁッ!!」
 太いペニスが凶暴に肉襞をかきわけて胎内に押し入ってくる圧迫感に、シルメリアは体をのけぞらせて絶叫した。リルドは両手で彼女の肩を掴むと、「ふんッ」という掛け声とともに一気に腰を深々と押し込んだ。
 「・・・んぐッ・・・くっそぉ!・・・あッ、ああッ・・・い、痛いッ!」
 リルドのペニスは、息が止まりそうな程の強烈な圧迫感をシルメリアに与えていた。ほとんど下腹部を剣で刺し貫かれたかのような、痛みと異物感に、犯されたことをはっきりと自覚させられる。大戦中、降下作戦に失敗して『帝国』の東方兵に包囲された時でも、これほどの絶望感と敗北感を味わったことは無かった。シルメリアのツリ目に、うっすらと涙が浮かんだ。いかに彼女が蛮勇を謳われたツェレウスキー皇太子の元親衛隊士官であっても、やはり女であった。シルメリアは泣き出さないようにぎゅっと目を閉じると、剥き出しにした歯をぎりぎりと食いしばり、リルドの肉体を受け入れた。
 「あ、やはり痛かったですか?すみませんねえ、先ほども申し上げたように真人を相手にするのは私も久しぶりでして・・・」
 リルドのペニスは十分な長さがあるため、亀頭の先端がしっかりと栓をするようにシルメリアの子宮口に押し付けられている。体の最も深い部位に与えられるこの狂おしい感覚は、シルメリアにとって初めてであった。しかも、呼吸の度に膣壁が収縮し、ペニスを強制的に胎内に受け入れていることを思い知らされる。
 「お、おおッ・・・これは・・・なかなか・・・イイ・・・ですね。」
 リルドは、根元までしっかり入れると、さすがにうめき声を漏らした。そのままじっと動かずに自分の分身を咥え込んで蠢く女賞金稼ぎの膣孔の感触を堪能する。鍛えぬいた体を持つシルメリアである。勿論、膣口から産道にかけてを締め上げる括約筋も、同世代の民間の女性にくらべて遥かに発達していた。
 「兄さん、そろそろ人間ごっこはやめたらどう?もう時間も無いんだしさ。」
 なんの興奮もなく、涼しい顔で兄が女賞金稼ぎを犯す現場を眺めていたアンディルが肩をすくめて言う。
 リルドは、シルメリアの肩に両手を突き、じっと彼女の目を覗きこみながら結合部に体重を乗せながら恥骨で恥骨をコリコリと刺激した。リルドの腰はそのままゆっくりと、円を描くような動きを始めた。それはけっして暴力的な律動ではなく、ひたすら慎重に、じっくりと継続的に、女体の奥深くをほぐすような運動である。
 「・・・くぅッ・・・んあッ・・・」
 呻き声を漏らしながら吐くシルメリアの息は、リルドのたくましい胸や腕で吹きかかると火傷しそうなほど熱い。結合部からはぬちっ、ぬちっ、という湿った音が聞こえてくる。
 リルドはやや上体を起こすと、今度はゆっくりと、シルメリアに突き立てたペニスを抜き差しし始めた。
 「・・・ああッ、あッ、ひいッ、ひぐッ、ひぃいいやあぁぁッ!」
 ペニスを突き込む時は結合部に細かな泡がじゅぶじゅぶとあふれ、抜き出す時は結合部から陰唇がめくれあがる。
 シルメリアの呻き声が、次第に悲鳴に変わって行く。そして、のしかかっているリルドの顔が・・・一瞬蜃気楼のように歪み、この世ならざるものの姿と入れ替わった。だが、すぐに一方的な快楽に顔を歪める青年の顔に戻る。リルドは腰の動きを早めながら、右手を結合部へと降ろし、クリトリスの位置を探り当てると指の腹でクニクニと弄った。
 「はぁッ、ひィッ!!や、やめ・・・ろぉッ・・・」
 普段の彼女からは想像も出来ない、女の声でシルメリアは叫んだ。こね回されたクリトリスは包皮から剥き出しになってしまっている。そこを集中的に弄られた。シルメリアの熱く火照った上半身には脂汗が滝のように流れ、歯を食いしばって耐えていても股間から全身を駆け巡る感覚には抗いようも無くうめき声が漏れ、意思とは無関係に生理的反応に従って膣の中全体が収斂してリルドのペニスを食い締める。
 「おオッ、こレは・・・久しブリに産卵を楽しメルゾッ!」
 リルドの瞳孔が縦に細くなり、薄い唇から覗く歯はまるで肉食魚のように小さく鋭い。シルメリアはその変化に気付いたが、それをいぶかしく思う間もなく、リルドが腰を猛烈なピッチで動かし始めた。
 ズン、ズン、ズゥ―ン・・・・・・・!
 「はぁぁッ、ああッ、そんなぁッ・・・!」
 さすがのシルメリアも悲鳴を上げる。もしも手足を拘束されていなかったら、身も世も無く脚をリルドの腰に絡みつけていたことだろう。深く貫かれて子宮口を亀頭でノックされる度に、踏みにじられ汚し尽された屈辱感が増幅してゆく。だが心とは裏腹に、シルメリアの健康な24歳の体は、狂おしく愉悦を求めていた。いつしか、リルドの腰使いに合わせて、シルメリアは腰を小刻みに動かすようになってきた。
 「ホオオッ、オマヘモ楽シンデルミテェジャネエカ!コレナラドウダ!!」
 リルドの瞳孔は細長く紅に染まり、唇は無くなって、一本の切れ目のような口元には明らかに人間のものでは無い鋭い歯がびっしりと生えている。細く通った鼻筋も消失し、鼻梁は単に顔の中央に開いた二つの穴と化していた。リルドは、人間離れした怪力でシルメリアの両足を固定している白いゼリー状の塊を引き千切ると、小脇に彼女の両足を抱え込み、凄まじい、もはや常軌を逸したというべき勢いでどす黒いペニスをシルメリアの胎内に叩きこんだ。この体位では、ストレートに亀頭が深く子宮口を突き上げてくる。子宮口にグニュ、グニュッと亀頭がめり込む猛烈な刺激に、とうとうシルメリアの理性は吹き飛んだ。
 「あぁんんッ!、あッ、う、ううン、うッ、うッ、うッ・・・」
 シルメリアはただすすり泣きながら、薄れ行く意識の中で自分が強制的に高みへと押しやられていくのを感じていた。半ば閉じられた目には、幸いなことに強姦者の姿は映っていない。興奮の極みに達した彼女の胎内では、激しく叩きこまれるリルドの亀頭が下がってきた子宮口にはまり込み、その先端はほとんど子宮頚管内に達しようとしていた。
 「・・・あ・・・イ・・・く・・・あふッ!」
 かすれた声を漏らし、白目を剥いてシルメリアは恍惚の表情をさらしていた。だらしなく半開きになったその口からは涎が糸を引いている。だがこれが強姦である証拠に、彼女の瞳からは涙が押さえようも無くこぼれていた。
 リルドは人間離れした絶倫で抽送のピッチをさらに上げる。並の女性なら、とうに気絶していただろう。だが鍛えられたシルメリアの体は迎え撃つかのように、膣口から子宮口にむかって膣壁が波打ちながら収縮を繰り返し、リルドの射精を促した。
 「†ε※≒%&!!Gruuuu!!デ、出ルッ!!」
 耐えきれずにリルド・・・いや、かつてリルドと呼ばれた生き物の口から漏れた唸り声は、最早人間のものではなかった。
 「ああッ、あああッ、あッ・・・い、イヤ、イ・・・く・・・イクッ!」
 シルメリアはただ喘ぐばかりで、何も認識できなかった・・・このまま悶絶死していれば、彼女は幸せだったかもしれない。
 リルドであった生き物はその魚に似た細長い顔を歪めた。シルメリアの胎内で暴れている『それ』の生殖器が膨れ上がり、ビキビキッと痙攣していることは、薄れゆく彼女の意識でも感じとれていた。『それ』は何かを、哀れなシルメリアの胎内で放出しようとしていた。『それ』はシルメリアの腰を鱗で覆われた両手で抱えて持ち上げ、それこそ内臓まで突き破るのではないかというほどの勢いで生殖器をシルメリアの胎内深くに突き込み、冷たい鱗で覆われた腰を彼女の腰に密着させた。そして・・・人間のものではない汚液が致命的な一撃となって放たれた。
 「ちッ、畜生―――ッ!!い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」
 シルメリアは背筋を仰け反らせ、野獣のように絶叫した。『それ』は、放出の間がくがくと全身を痙攣させていた。その水かきと鱗に覆われた手は、暴れるシルメリアの腰をしっかりと掴んだまま離さない。シルメリアの子宮口にはまり込んだ『それ』の生殖器の先端から、びゅりゅっ、ずびゅっ、と大量の液体が叩きつけるような勢いで彼女の子宮底に向かって噴出する。女体の神聖な奥底でその汚水を受けとめるたびに、まるで体の内側から殴られるようにシルメリアはびくんッ、びくんッと痙攣した。そのあまりの放出量に、結合部からは人間のそれにくらべてやや茶色味を帯びた汚液が激しく飛び散る。その凄まじい量と勢い、そして異様な臭気は、人間を遥かに超える生命力を象徴するかのようだった。

 長い放出が終わっても、『それ』は生殖器を異種族であるシルメリアの胎内から抜き出そうとはせず、内部に執念深くとどめた。

 シルメリアは靄が晴れるように、強姦によって受けた放心状態から回復していった。衝撃を受けはしたが、戦場の過酷な経験によって鍛えられた頭は状況を分析しつつあった。
 『一パツ抜いたら、こんな地方貴族のボンボンなんておとなしくなる。どうやら脚も自由になったみたいだし、隙を見てコイツを殺して証拠の首を切り落とそう。その後でさっきの湖でアソコをていねいに洗えば、妊娠することもないだろう・・・・・・。ん?』
 ようやくシルメリアは、自分を犯した生き物に気付いた。細長い瞳孔、真円に近く目蓋の無い目、鋭く細かい歯を覗かせる小さな切れ目のような口、なによりヌメヌメと輝く鱗で覆われた体・・・頭頂には毛は無く、幾筋かの鰭のようなびらびらしたものが背面へと続いている。体の大きさも、リルドであったころに比べて2廻りは大きくなっている。肩は無く、先端の分かれたたくましい鰭のようなものが腕替わりとなって胴体の横から生えている。そんな生物が、しっかりと自分の腰をかき抱き、生殖器を胎内に突き込んでいるのだ。
 『・・・コイツは・・・ダゴンだ・・・』
 ダゴンは、最も危険な獣人・・・高い知能と真人には無い特殊能力を備えた魚人の一種であり、真人の天敵、つまり捕食者である。遥かな過去に聞いたその名を思い出し、シルメリアは気が狂いそうに絶望的な恐怖に襲われた。顔がひきつり、口が悲鳴を押し出そうとわななく。たった一人で『帝国』の首都に降下するほうがずっとマシだった。

 「ひ、ひいいっッ!!」
 なんとか結合部をもぎ離し、おぞましい生物の体の一部を胎内から抜き出そうとしてシルメリアは必死に腰を左右に振った。だが、『それ』・・・ダゴンは彼女に圧し掛かったままびくともしない。
 「Gruuuu・・・・・Haaaaa・・・・・」
 ダゴンの口腔からうなり声とともに湯気が立ち上った。と、シルメリアは恐ろしい事に気付いた。射精を終えたばかりのダゴンの生殖器が、彼女の膣内でゆっくりと膨張しているのだ。
 「ああ、兄さんの人間ごっこにわざわざつきあってくれて、ごめんね。僕達の本番はこれからなんだ。ちょっと人間とは違うけれど、まあ、我慢してよ。」
 アンディルの中性的な、さわやかとすら言えるような声が虚しくシルメリアの耳に届いた。ダゴンの疑似ペニスは、その亀頭に相当する部位の膨張がひときわ烈しい。今やシルメリアの膣壁は握り拳の大きさ程になったダゴンの亀頭によって押し広げられ、子宮口は出産時のようにぽっかりと口を広げていた。
 「Gruuaaaa・・・・Gha、Gha、Gha・・・」
 ダゴンの口から唸り声と異常な臭気が立ちこめる。
 「兄さん、久しぶりの産卵で気持ち良さそうだなあ。贄も丈夫そうだし、今度こそ元気な子供が生まれるといいんだけど。」
 アンディルは、土気色になって脂汗を垂れ流しているシルメリアの耳元に顔を寄せた。
 「別に知って損は無いだろうから、これから兄さんが君にすることを詳しく教えてあげるよ。僕らダゴンはね、両性具有なんだ。だから、射精したあと卵を産み落とす。海に僕らが住んでいた頃は、海藻の間に精子をぶちまけて、産卵したんだ。でも君達真人が海を鉄の船で汚したせいで、僕らはもう海に住めなくなった。陸に上がっても暮らせるけれど、ただ子供が育たないんだ・・・土の上で精と卵を混ぜても、知能の無い奇形児が生まれるだけ。あの泥鬼がそうなんだよ。まあ親の言うことは聞くけどね。」
 「で、仲間にも聞いてみたんだけど、海に似た環境でやってみりゃいいらしい。つまりね、哺乳類の雌の腹の中だよ。でもこれもいろいろ判らないことがあってねえ・・・獣人の女の腹を借りると、まず確実に死産する。もっと進化の段階の高い生物じゃないとね、だめなんだ。」
 「ダゴンの子供が育つのは、真人の雌の腹の中だけなんだよ。真人の腹の中を精で満たし、その中に産卵する。兄さん、五十年ぶりだからきっとたっぷり溜まってるよ。」
 アンディルはくっ、くっと忍び笑いをもらした。
 「そうそう、兄さんが終わったら、僕も後ろの穴の方に産み付けさせてもらうよ。僕もけっこう溜まってるんでね。」

                            続く


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