廃人の廃人氏・作

 廃人の廃人さんによる、人気キャラ「サイコ」シリーズですが、今作は外伝扱いとなっています。

 どうして外伝「2」なのかというと、「ばかずきん」が外伝1なのだそうです。

 毎度全く容赦のない、サイコの痛快な暴れっぷりをお楽しみ下さい。でもスプラッタが苦手な方は今すぐ逃げて下さい(^^)


山中の夜。

山腹にぽっかりと明いた洞窟の前には、
サイコが故郷のポートから強奪して持ち出した、軍払い下げのインターセプターが
ステルスモードで置かれている。
そして、サイコは洞窟の入り口付近で焚き火をしていた。

サイコは焚き火を見つめながら、ブラスターにライフルにブレードに火炎放射器に……と武器を並べていく。

「フウム……」

どれも、サイコの手に馴染んだ武器である。
故郷の銀河では既に世代遅れの様な武器も、
元々猟師として、また戦士としての才能に長けたサイコの手に掛かれば
今でも恐ろしい凶器になるのだ。
ましてや、未だに火薬に頼っている地球では彼にかなう者は誰一人……。

「フッハッハッハッハッハ……」

その時、少しずらしたサイコの足に何かが触れた。

「ン?」

何かを拾い上げると、凄く汚れているものの辛うじて割れていないビンだった。

『錠ンポロヒ !晰明脳頭!率能よげ上』

サイコには読めなかったが、中からカランカランと、何か粒の様なものが入っている音がする。

「ホウ……」

〜〜〜

翌日。
ハイキングに来ていた私立女子高の二年生の団体は、山のゆるやかな遊歩道を歩いていた。
女子生徒たちはガイドを先頭に、教師を最後尾にして、あとは各々固まって進んでいく。

「ここ廃人山は、かつて戦国時代には自然の山城としても使われ、今でも皿や武器が出土し……」

おばさんガイドの案内をよそに、セーラー服姿の女子高生たちはまったく山の事なんか気にせず、
コイバナだのジョシリョクだのの話をしている。

「でさー、私って、ほら、綺麗好きじゃん?」
「わかるー、シオリってちょー綺麗好きだよねー」
「でしょでしょ?」
「ヨシコはあんまりファッションセンス無いよねー」
「うっさいわねー、あんたなんていつもファッションセンター『むらむら』の服じゃん」
「『むらむら』じゃなくて『ヤラセロ』ですよーだ」
「どっちも同じよ」

列の最後尾には太った女教師が付いているが、
ゆるやかな斜面に対しても顔を引きつらせて、汗だくだくで登っている。

両脇の木々は少しずつ本数が少なくなり、良く見えなかった廃人山の側面も見えてきた。
その内少しばかりひらけた、中腹の休憩所に付いたので、ガイドは立ち止まり振り返った。
ノロノロやってくる女子生徒も次第に揃ってきた。

「皆さん、この辺りから洞窟が見えますかね、あー見えますよね」
「……だよねー……キャハハハ……」

女子高生達はまるで意に介さず、自分勝手に話を続けている。

「ガイドのおばさん何か臭くない?」
「カレーシュウって感じ?」
「やだーもう」
「それより光子先生いないじゃん」
「やだーあのデブセン、生徒より遅いのー?」
「デブって言う人がデブなんだよ?」
「うっさいわー」
「キャハハハハ」

ガイドはため息をつきながら、説明を続けた。

「あの洞窟は戦時中には旧軍の物資貯蔵庫としてウギャアアアアアアアアアアアアアアアッ」

ガイドの頭がいきなり吹き飛んだ。
肉片が、一番前で話を聞いていた女子生徒の顔や衣服に飛び散る。

「へ、へっ?」

女子高生たちは一体何が起きたのか分からず、一瞬が無限の様に凍り付いた。

「え……」
「ひ、ひいいいいいいいいいい」

次の瞬間、何もない所から急に黒い人型の何かが現れた。

「え、ああ、ああああ!?」

前の方にいて凍り付いていた女子生徒数名が一気に首を跳ねられた。

「ぎゃっ」「ぎっ」「ぐえっ」
「きゃあああああああああああ!」

女子生徒達はようやく逃げ出したが、その後ろから今度は光線が飛んでくる。

ジャアッ!ジャアッ!と言う音のたびに、
女子高生達の何人かが胸や頭を撃ち抜かれ、バタバタ倒れていく。

「フアアアアアアアアッハッハッハッハ!」

黒い人型の主は……サイコだ!

バタバタと逃げ出す生徒達だが、急の事で、上手く逃げられない。

「ああっ」

一人の生徒がこけた。
おさげの髪がバラバラに解ける。

「は、ハナちゃん、助けて……!」
「サキ!ごめんね、ごめんねっ無理っ!」

自分を捨てて逃げようとするハナと言う友人の足を、サキは這い蹲りながら掴んだ。

「えあああっ!?」
「私を置いていかないで!たすけてえっ!」
「何すんのよこのバカ!離して!」
「助けて!たすけギャアアアアアアアア!」

急に飛び跳ねてきたサイコに腰の辺りを踏ん付けられ、口から血をドバドバ吐いた。
ハナの足に血がビシャアと掛かる。

「キャアアアアアアアアアア!」
「フハアアアアハハハハハ!」

サイコはもう一歩踏み出し、サキの頭を踏みつけた。
サキの頭は歪み、眼球が飛び出した。

ハナが最後に見たのは、サイコが自分の顔面に銃の様な物を突きつけながら、
さらに前に進もうとする状況だった。
次の瞬間、ハナの頭は、両親が「花の様に綺麗に育つように」と名付けた名前の通り、
花の様に全快に飛び散り、脳髄が遊歩道に飛び散り、茶の髪の毛がバラバラに吹き飛ぶ。

教師の光子は、生徒たちが遊歩道の向こうから駆け下りてくるのを見た。
だが光子は腐っても引率教師だ、汗を飛び散らしながら、ずぶとい声で一喝する。

「コラアアアア!まだ自由時間でも下山時間でも無いのよォ!」
「先生!怪物が!怪物があああ!」
「アアアア!?寝ぼけた事をッ」
「デブ!そこどいて!」

問答している内に数人の生徒が光子の前に駆け込み、ドンと跳ね飛ばした。
光子はそのまま遊歩道に倒れてしまう。

「ギャッ!だ、誰がデブッああああああ」

さらに駆けてきた生徒達に体を踏まれる。
脂肪がグニャリとしなり、その奥で骨が軋む音がした。

「ウオッ!教師を踏むなコラッああああがああ」

黒い何かが向こうからやって来た。
管の様な物を突き出し、こちらに猛スピードで近づいてくる。

「あ!あ!あああ!?」
「キシャアアアアアア」

怪物と目が会った。
見たことも無い、むき出しの骨格の様な顔から出る鋭い眼光に、光子は声も出ない。
そして管からいきなり炎が吹き出た。

「ぎゃああああああああ!あついいいいいいい!」

光子は良く燃えた。
サイコの腰に付けられた小型高性能高圧ボンベから出た炎は、
さらに周りの木々にも引火していく。

「ひいっ、ひいっ……」

シオリは、逃亡する生徒達の一番先頭を駆けていた。
行きはおしゃべりしながらで、まるで知らない内にどんどん行程を進んでいたが、
今はどんなに走っても、遊歩道の出口が見えないし、後ろを振り向く暇も無い。

だが後ろから絶望的な音がしてきた。

「ギャアアアアアアア!」
「きいいいいいあああああ!」

ジュバッ!ジュバッ!
その音の度に光線の異様な光が飛び散り、悲鳴が飛ぶ。
血と肉が飛散り、遊歩道に赤くそまらない場所は無い。
内臓だとか肉片だとかが、遊歩道の柵にこびり付いている。
血の匂いが全てを包むのだ。
一体何がこんな事をしているのか!

「アッハッハッハッハ」

悪魔の様な高笑いが響く。

「シオリ!シオリぃ!」
「……!(ヨシコ!)」

後ろで、直ぐ後ろで、恐らくヨシコが死んだ。
「恐らく」と思った次の瞬間、シオリより前に、ヨシコの首が転がって行った。

「あああ……!」

先に、遊歩道出口のアーチが見える。

「もうすこし、もうすこ……ッ!」

スカートの裾を掴まれた。

「アッ!」

シオリはそのまま引き倒され、その次には仰向けにされた。
ロングの黒髪がさらさらと広がる。

「ああっ、あああああ!いやあああ!」

怪物の目は異様に見開いている。
シオリの体を押さえつけ、覆いかぶさる様に身を近付けてきた。
怪物は、黒い革の様な物で首から下をピッチリ着込んでいるが、
それでも全身の骨格が浮き出て見える。

「フハハハハハ」

セーラー服を剥ぎ取り、スカートを引き裂いた。

「あああ!やめて、やめてええ!」

しかし、誰も来ない。
後続の者は皆殺されただろうし、遊歩道は今は貸しきり状態なのだ。

〜〜〜

白いブラが外れ……怪物の口から二本の触手が出てきた。

「い、いぎぎい、キモいっ、やだやだやだやだいやあああああああああ!」

シオリが拒もうと身をよじる度に、むしろ胸は揺れた。
触手が胸に張り付き、執拗に絡みつく。

「ああああああ!ぬめ、ぬめぬめやめてええええ!」

手足をバタつかせるが、怪物の異様な力には叶わない。

「フハハハハ、ヒハハアアア……」

触手ではベロベロといやらしい音を立てながら、
サイコの手は下に向かった。
下着の中にごつごつとした手が入り込む。

「んあああああ!やめ、やめて!私嫌っ!あああ」

さっきまでキモいだのダサいだの騒いでいたが、
今目の前で、まったく理解できない人型の何か「キモ」いのに襲われ、
シオリは口だけでは拒否できても、もはや手足は上手く動かない。

怪物の指が、シオリの陰部にねじ込まれた。

「あああああっ!」
「フムウ……」

サイコは気圧服の股間の部分を空けた。
ただでさえ巨大な陰茎が、今日は盛り上がっている。

「な、なに、それ……チンチン?ねええええっ、やめ、それ入れるのッ?いや、いやあああああ!」
「キシャアアアアアアアアア」

サイコはシオリの喉を押さえた。

「いっ、ひいいいっ、ひっ、ひいいい」
「フン」

一度手が陰部から退くと同時に、パンティが裂け、
そして同じ場所にサイコは下半身をぶちこんだ。

「んがあああああ!いいぎぎいいっ!」

喉を押さえられ、上手く声がでないシオリ。
だが、目はむしろ快感を表している。

「おおっ、おおきっ、大きいいいぃ!」

ズボッ!ズボッ!と、先ほどの怪音とは別の、
肉と肉のぶつかりあう音がこだまする。
陰部から血が吹き出、シオリは下半身を浮かした。

シオリからはサイコの体が陰になって見えないが、
周りは死体だらけの修羅場なのだ。
たくさんの死体の顔が、自分を見ていると言う妄想を浮かべ、
シオリの膣は更に締まっていった。

「わ……私ぃ……!」

バッツン!バッツン!
豪快にサイコの股間は打ち込まれる。

サイコは相手の女子の顔を意識してはいなかったが、
今見ると、中々の女性だ。
自分から一番最後まで逃げる女を襲おうと考えていたサイコにとって、
これは嬉しい結果だった。

「フッ、フッ……ン?」

しかし、サイコは、急に自分が何をしているのかと言う事が分からなくなった。
目の前の女は既に歓喜とも苦痛とも取れる顔を浮かべている。

「いいいっ、もっ、もおおおおうあああああ!」

豊な胸が揺れ、細い肢体がぶらぶらと上下する。



「ンッ……グッ」
「いくううううううう!」

サイコの精液が放たれると同時に、シオリも腰を突き上げた。

「フウッ」

股間を離し、未だいきり立つ陰茎を出したまま、サイコは立ち上がった。
そしてゆっくりと、周りを見る。

「ンー」

多分、自分がやったらしい事が、山の上へ続く道々で示されている。
確かに、自分がやった事だ。

サイコは腰の道具入れから、例のビンを取り出した。

「フンッ、チッ」

そして、ビンを投げ捨てた。

サイコは、朝方にビンの中身を興味本位に飲んでからこうなったのだ。
事後の気分はすこぶる悪い。

「フムムム」

足元では、相手した女が股間から血と精液と小便とを垂れ流しながら、
もぞもぞしている。

「らく……らくにして……」
「フーム」

一瞬周りが光り、シオリは望んだとおり、
頭にブレードを突き刺されて楽になった。
青白いレーザーブレードに鮮血が飛散り、美しく光っている。

そしてサイコは宇宙船に戻ろうとしたが、
道中の死体の数々、そして途中で発見した山火事、
さらに遠くから聞こえてくるサイレンの音などを聞いて、
思ったよりマズい事をしたかも知れない……と思ったかは定かではない。
ともかくサイコは急いで宇宙船に戻り、発進させた。

そして、十分な高度まで上がった後……
インターセプターの誘導ボムが廃人山に打ち込まれた。
山崩れがおき、遊歩道が埋まっていく。

「バイ、バイ」

山火事の方を受け、現場に到着した消防隊は、
しかし到着の直前に起きた山崩れによって遊歩道に入る事が出来ない。
山火事は山崩れで消えたが……

「なんだ、何が起きた……」
「気をつけろ、一度署に戻った方が良い」
「変だぞ、すごい血の匂いがする……」

消防隊員たちは山崩れの起きた、元の遊歩道をふもとから見ながら、
非常に冷たい何かを感じていた。

それと同時に、カラカラカラと消防隊員たちの足元に何かが転がってくる。

「ん?」
「何だ?」

「ンポロヒ?」
「何かおもしろい名前ですね」

(おわり)


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