この街には女の反応が少ない。
この辺りに降り立ったのは二日前だった。
廃工場の中にインターセプターを止めたのは良いが、さっそく廃墟探検の少年たちが
音や光に引かれて近くに来たので、サイコは一人残らず殺して、一人食べてみた。
しかし筋肉質すぎてどうも美味しくない・・・。
そしてしばらく休んだり、充電や武器の準備を整えてから、
ガールハント兼狩猟兼食料調達に出向いたのだった。
「フウッ」
サイコはステルスプロテクターの電源を入れ街の外れを歩いてみたが、
さっぱりつまらない。
黄色いスポーツカーがこちらに向かってきた。
「亜美とヒロシでちゃんと留守番出来るのかしら・・・」
運転手の女性は、もちろんサイコの存在にも、サイコが理不尽に腹を立てている事にも気付かなかった。
鈍い音を出しながら、サイコのすぐ横に迫る。
「新千歳への便の時間が・・・?」
サイコは腹いせに、スポーツカーの開いた窓に、小型有害獣退治用のハンドボンバーを投げ込んだ。
助手席に、上手くそれは収まった。
「何これ、どこから・・・!」
女性が小さい緑の円筒形の物体を掴もうとした時。
遥か後方で、スポーツカーがボゴンと爆発したのを、サイコは手を叩いて喜んだ。
「ハハハハッ・・・」
小さい頃は良くこのハンドボンバーを地面に浅く埋めて、地表には小さいネズミの様な生き物を縛り付けておいて、
爆発時にどれ位ネズミ(大概爆発時に死ぬが)が飛ぶか遊んだりしたものだが、こう言う遊び方もあるのだ。
〜〜〜
母親が黄色いスポーツカーで空港に行くのを、亜美とヒロシは見送った。
そして、しばらく家の前で立ち尽くしていた。
「・・・お兄ちゃん、どこか行こうよ、今日はせっかくの日曜日ですもの」
「いや、読みかけの本が有るから、読んでしまいたいんだ」
「・・・亜美にも、何かご本貸して・・・」
「愛と性のフーガなんて、まだ早いかな?」
「ううん?亜美、読んでみるわ!」
二人はそうして、家の中に入っていった。
その直ぐ後、サイコは家の前を通り掛った。
「・・・ムッ」
レーダーが大きなエネルギーを捉えた。
「・・・ホホウ」
この家の中に居る。
一つ、男らしき余計な物が居るが、サイコにはそれは居ないも同然だった。
ドアをこじ開け、サイコは家の中に入った。
もう、ステルスプロテクターを付ける必要も無い。
ブオンッと音がして、サイコは姿をあらわにした・・・。
〜〜〜
机に向かって、ヒロシは本を読んでいる。
読んでいるのはジョナサン・スィフトのガリバー旅行記だ。
「・・・うへえ、気持ち悪い」
本の中では、ガリバーがヤプーに辟易している。
そしてヒロシは、ページをめくろうとした。
「んっ?」
視界が飛んだかと思うと、感覚ももちろん痛みも無く、意識が無くなった。
「フン」
サイコは、上手く首を撥ねた事を自分でも良く思った。
なんにでも、綺麗に作業をこなせるのは良い事だ。
だが、綺麗に作業しなくても良い物が有る。
その一つが・・・
〜〜〜
「亜美、あんまり難しい本分からない・・・」
亜美は、ベッドに寝そべりながら本を読んでいた。
だが、貸された本は亜美には難しすぎる。
そろそろ、眠たくなって来た。
その時、ドアが開けられたのだ。
「お兄ちゃん・・・!」
居たのは、黒い、人型の何かだった。
「あ・・・貴方は・・・きゃっ!」
サイコは女に飛び掛った。
そして、無理やり衣服を引き破る。
「やめてっ!ああっ!」
サイコと亜美の目が合った。
「ひっ、ひいいいいいいいい!いやああああああ!」
異形の何かに襲われている。
ヒロシはどうしたのだろう。
「お兄ちゃん!助けて!おにぃっ・・・ああ!」
サイコは口から触手を出し、亜美の未発達な胸に張り付かせた。
そして片手は亜美の右肩を抑え付けて動けなくし、もう片方の手で秘部を攻めた。
「ああっ!いやあっ・・・おにぃ」
片手で亜美を持ち上げると、サイコは気圧服の前面を開放した。
「・・・!」
巨大な陰茎が聳えている。
「やめて!いやっ!いっ・・・」
サイコは亜美を逆さに持つと、そのまま陰茎を口に押し込んだ。
そしてサイコの目前の秘部に触手をねじ込んだ。
じゅるっ・・・じゅるるる・・・
「んぐーっ!ぶげっ・・・いやっ・・・んぐうっ!」
「フハハハハハハ」
青白いシーツに、シミが広がっていく。
ワニのぬいぐるみの様な枕が、ぼとりとベッドから落ちた。
「ふはあっ・・・ああっ・・・うぐっ!」
サイコが、口内に精液を放った。
「うー!うあああっ!」
「フウッ・・・フッ」
そして、クライマックス・・・サイコは亜美を手早く持ち替え、陰茎を秘部に差し込んだ。
ずぶりっ!ずぶりっ!
「いやああああああああああ!」
サイコは激しく腰を動かす。
ベッドが壊れ、サイコは少し後ろによろめいたが、何の事は無い。
だがこの衝撃が、亜美にはさらに深く伝わった。
「ああっ・・・お兄ちゃん!イイッ!イイッ!」
黒く太い手に両腕を掴まれ、赤い触手に胸を弄られながら、
亜美は絶頂を迎えた。
そしてサイコも・・・
「あああっ!」
「フウッ」
大量の精液と共に、亜美は下された。
「ああ・・・ん」
サイコは、気分を良くした。
久しぶりに、良い原住民の女を見つけたのだ。
再び、サイコは空間の中に掻き消えていく。
「お兄ちゃん・・・」
〜〜〜
一日経った。
「亜美ちゃん!学校の時間だよー!」
家の外から、友達が声をかける。
だが、返事は無い。
「・・・おかしいなあ、いつもは出てくるのに」
良くない事と知りながら、ちょっと家の中に入った。
「亜美ちゃんは居るー?・・・」
奥の方で音がする。
モゾモゾ、ドンドンと。
そして、亜美の声。
「ああっ・・・ん」
音のする部屋の前に、彼女は立った。
「亜美ちゃん、居るの?・・・!」
首の無いヒロシの死体の下腹部に、亜美は跨り股間をすらしていた。
「お兄ちゃんお願いっ、お願いっ、お兄ちゃん・・・ああん」
(終わり)
〜〜〜
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