廃人の廃人氏・作

 廃人の廃人さんによるオリジナル短編で、以前に書かれた「キ、現る」の続編となります。

 あの基地外が、今度は列車に乗って大暴れ!目指すは大都市か?まるでクロコダイルダンディのエロ小説版!・・・・なワケないか(^^)


シュボボボボボ……!

「お父さん!汽車って早いね!」
「ハハハ、そうだろう、そうだろう」

一等客車のコンパートメントで、貴族だろうか、
高貴な身なりの父親と女児が座っていた。

「しかし……客が少ないなあ」
「シーズン外して買ったんでしょう?」
「まあ、な」

シルクハットを取りながら、父親は娘を見つめる。

「早くに母親を無くさせてしまって……」

「お父さん?どうしたの?」
「ううん、いや、何でも無い」

彼らは父子家庭だった。
車掌が廊下で怒鳴るように伝える。

「まーもなく、ヨークタウン、ヨークタウンー」


〜〜〜


閑散としたヨークタウン駅。

入り口の駅員はあくびをしていた。

「ふぁあああ」

「なあジム、こんなトコに駅作ったって意味ねえよなあ」
「近くに国鉄のお偉いさんの奥さんの家が有るらしいからよ、それでだろ」
「そんなモンでか」

駅前にも、大よそ人の好奇心を満たすような建物は何も無い。
売店、郵便局、寂れたパブ……

「……」

そして、怪しい男。
ボサボサの髪や鬚に鋭い眼光、そして半笑い、ボロボロの服、そして手にライフル、腰にナタ。

「こんな所にこんな物が出来たのか!」

彼の声に驚く者も居ない。

「……でもつまんなさそうだなあ!」

男は、駅舎に向かった。
ゲートを無視して近付こうとすると、メガネを掛けた温和そうな駅員が出てきて静止した。

「ああ、あ、お客さん、お見送りでも切符を買って下さい」
「キップ?なんだそりゃ」
「お兄さん、鉄道の事知らんのか……と言うかその身なりは」
「んなこたあどうでも良いんだ、それで何だ、身なりがどうしたんだよ」
「あまり……清潔でない身なりで駅舎に入ってほしく……」

ズダン!

「俺は差別がダイッキライだ!」

他の駅員も飛び出してきた。

「何だ!」
「うわあっ!」
「おんやあ、仲間が居たのか!」

「ジム!あいつライフルを持ってるぞ!」
「逃げ……」

ズダン!ズダン!」

ヨークタウン駅の少ない駅員は全滅した。

「フアアアッ、退屈だな」

男は急に尿意を催したが、便器が近くにないので死体のポッカリ空いた口に放尿した。
しかし当然収まらないのでボゴボゴ溢れ出す。

「きたねえなあ」

その時、遠くから轟音がした。

「ハハア、あれが汽車か……」

汽車はヨークタウン駅に入ってきた。
車掌が外に出て駅員と連絡しようとしたが、駅員が居ない。

「どうしたんだ?姿が見えんな」

しかし、降りる客もいない。

「……仕方ないな、発車させるか」

だが、勝手に乗り込んだ客はいた。
車掌が見ていない隙に、裏からあの男が客車に乗り込んだのだ。

「出発進行!」

シュッ……ボッ……ボッ……ボッ……


〜〜〜


「何だここは」

そこは誰もいないサロン室だった。
赤い絨毯がしかれ、あちこちにイスが並べられている。

「つまんねえ部屋だな」

そこへ、テリア犬を連れた貴婦人が現れた。
青いドレスを着て、頭には大きな日除け帽子を被っていて、
さらにリボンをしていた。

「あなた……三等車の方かしら?ここは一等車の乗客しか使えませんのよ」
「……」

男の視線は犬に注がれていた。

「早く元の客車へお帰り頂きたいのだけど」
「何でヒトの俺がダメで、犬は入って良いんだ?」
「えっ……」

貴婦人が驚く間に、男はテリア犬をさっと抱き上げた。

「キャイン!キャイン!」
「な、何を……」
「ナニは後でしてやる、まずはこうだ」

男はそのまま、犬を窓の外へ放り投げた。

「キャン!キャ……」
「ああああああああ!グレンー!」
「グレン?犬には勿体無い名前だ」
「何て事を!アアアアア!このっ、ゲス」

スの音が出た時、男は既に女の胸元のリボン紐を引き寄せていた。

「グッ……」
「まーずー、ワンちゃんとヒト、どっちが大事かレクチャーします」
「アガガッ……」

リボンで首が絞まり、貴婦人は声が出ない。

「ヒトにはー、まず大きな脳ミソがありまーす」

そう良いながら日除け帽子をもぎ取り、リボンを契った。

「ハッ、ハアアッ、ハアッ……何をなさる……の!」

端正な顔立ち、溶き梳かされた金髪。
まさに上流階級の顔だった。

「ナニだよ、お姉ちゃん!」

その時、サロン車の物音を聞いて車掌が入ってきた。

「助けて!キチガイよ!」
「ロ、ロザリーさん……何があっ」

ズダン!

「キャッ……アア……」
「キチガイだって!ヒトを見かけで判断してはいけません!」

力の抜け切った貴婦人を、絨毯に引き落とした。

「ギャッ」
「お前のせいでワンちゃんもこの偉そうなヒトも死んじゃったよ」
「あ、ああああ、アワワワワ」
「ロザリーって言うのか」

男は貴婦人のドレスを破ると、更にズロースをズリ下ろし、
陰部に指を突っ込んだ。

「アアアッ」
「ロザリーさんよ、グレンちゃんにはこんな事出来ないよな」
「ヒ、ひぐうっ、やああああん!」
「今、この状況で分かる事!一より二が良い!そして三がより良い!」

男は人差し指と中指、そして薬指を加え、グッチョングッチョンと花びらを掻き回す。
柔らかい尻の質感、

「誰だ?一等がドウだから三等は出てけって言ったのは?三の方が偉いんだぞ!」
「ヒ、ヒギイイイイ」
「ロザリー、ヒトなんだから何か話せよ」
「ああっ、やめ、やめ」
「や?ヤッテ下さいか、分かった」

男は片手でベルトを外し、ぶっといペニスをさらけ出す。

「やめ、止めてえ!」
「女に二言無し!」
「ああああああ!」

訳の分からない事を言いながら、男は陰部にペニスを突き刺した。
列車の揺れで、快感も増す。

「国鉄万歳!国鉄万歳!」
「いやああああああ!ああああああ!」


〜〜〜


「ねえお父さん、ちょっと外出ても良い?」
「良いけど……列車の中はどこも同じだよ」
「良いの」

父親は、人もあまり乗ってないし、危ない事もないだろうと、
娘をコンパートメントの外へ出した。

「良いかい、直ぐ戻ってくるんだよ、あとさっき犬を連れた人が居たけど、危ないから犬に近付いちゃダメだよ」
「うん、分かった」

廊下に出ると、当然ながら窓から列車の反対側の風景が見える。
だが、少女には背伸びしないと見えにくいのだった。

「わあ……ヒツジさんかな」

牧草地帯の向こうに、白い生き物が転々と居る。

「もっと前に……」

ピンク色の小さいドレス、白いリボン。
栗色のロングヘア、つぶらな瞳。
父親に言わせれば、母に生き写しと言うだろうか。

少女は進行方向へ進み始めた。
すると、あるプレートを見つけた。

「この先、サロン車 一等乗客専用」

「サロン車?何かあるのかしら」

少女は先へ進み、大きな扉と向かい合った。

その木の扉の向こうからは、楽しそうな声が聞こえる。

「……万歳!……ザリーも幸せ……な!」

シュボボボボと言う音で、良く聞こえない。

「誰かいるのかな?」

少女は少し背伸びしてノブを回し、臆せず中に入った。


〜〜〜


「も、もうやめっ……イグウウウウ」

目の前では、裸の女とズボンを少し下ろした男がくっついていた。

「おや、お客さんだぜ」
「き、来ちゃダ……」

ガン!

男は女の顔を絨毯に叩き付けた。
そして、モゾモゾ動いて、女から離れた。

ぬめって光るペニスをさらしながら……

「やだ、お兄ちゃん、チンチン……」
「どうしたのかな?迷子かな?」
「え……その……あ、今何をしてたの?」
「触れ合いだよ」
「ふれあい?」
「そう、裸でふれあうと、とっても仲良しになれるよ」

早く母をなくし、友人も少ない少女にとって、ふれあい、そして仲良しと言う言葉は深い意味を持った。

「……私とも触れ合える?」
「もちろん!」
「どうすれば良いの?」
「そうだな、まずなめてごらん」

少女の前にペニスが突き出される。

「こ、これを……」

少女はゆっくり握り、そして小さい口にほおばった。

「ん……ぐう」
「良いぞ!良い触れ合いだ!」

ジュバジュバ、ベロベロ……

「もっと激しくやってごらん」

ジュバジュバジュバジュバッ……

「ところで、お名前は?」
「ファファフィン」
「ん?」

少女は一旦外して言った。

「キャサリン!」
「そうか、幾つ?」
「もうすぐ十歳」
「一と三はどっちが強い?」
「え……三?」
「ほらロザリー!子供も三だって言ってるぞ!」

だがロザリーは動かない。
股間をヒクヒクさせている。

「ねえ、お姉ちゃんどうしてああなったの?」
「知りたい?」
「うん!」
「じゃあ体験させてやろう」

男はテキパキとキャサリンの服をぬがすと、
白い下着も剥ぎ取り、素っ裸の状態にした。

「やだ……なんか変」
「変じゃないさ」
「えっ?」

男はイスに座ると、キャサリンを抱き上げて、股間に引き落とした。

「あっ……ああっ!」

ズブブッ、と二人の頭の中に音がした。

「いいいいぎいいい!おにいっ……ちゃん、へん、へん……」
「変とは何だ、これは触れ合いだ、神聖な行いだ」
「し、しんせえ……」

男はズブズブとペニスを差し込んだ。
つぼみがビクビク開いていく。

「あん……あああああ!」
「触れ合いって楽しいね!」
「た……楽しくないよう……」
「楽しくないだと!え!」

男はキャサリンを激しく降り始めた。

「あっ!うううっ!」
「楽しいか!楽しくないか!」
「たの……たのしい……」
「よな!楽しいよな!」
「ああっ……変な感じ」

キュウッと奥が締まった。

「いっ……イグウ!」
「おおっ、シマルッ……」

ドピュシャッ……




〜〜〜


「あああん……」
「どれ、仲良くなれたね」
「う……ん」

男はキャサリンを抱きぬくと、ロザリーの方へ向かわせた。
しかしロザリーは未だに言葉が不明瞭だった。

「ああああ……」
「おねえ……さん……」

車窓の向こうは酷く曇っている。

その時、キャサリンの父親が入ってきた。

「う、うわあっ……」
「お父さん……」
「だ、誰だ!お前か!」

男は急な事でも気にしなかった。

「まあ、そうかも知れん」

そう言いながら、ライフルで撃とうとした。
だがライフルが無い。

前に床に置いたままだったのだ。
それも、ちょうど今父親の足元にある。

「この野郎!娘を……たぶらかしやがって!殺してやる!」
「お、お父さん止めて!」
「黙れ!」

父親はライフルを持ち、男へ向けた。

「あぶねえよ」

男は平然とナタを取り出し、ブーメランみたいに投げつけた。

ヒュル、ダン!

父親の首がはねとび、シルクハットと頭が仲良く、窓の外へとんで行った。

「お父さん!ああ!お父さん!ど、どうしてっ……」
「お父さんと一緒が良いの?」
「きゃあああああああ!あああああ!」
「そうか、良いのか」

男は今度はじたばたするキャサリンを抱き上げ、車窓の外へ放り出した。

「お幸せに!」

サロン車には、もうろうとしたロザリーと、首のない死体、胸を打ち抜かれた死体、そして男だけがいる。

「ふうむ……」

男はふいに首のない方の、キャサリンの父親だった死体のペニスを切り取ると、
ロザリーの前に放り投げた。

「ああっ……」

ロザリーはそれを大事そうに……犬のようにくわえ、なめている。

「何だ、飼い主も似たようなもんだな」

その内、列車の速度が遅くなってきた。
近くに、町並みが見える。

「……ああ、今度里帰りでもするかな」

男は、身なりを整えると、駅舎に停車する前に列車から飛び降りていった。


(おわり)


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