――都内の某マンション。相原岬(あいはら・みさき)は変哲のない古びた集合住宅の15階に住んでいる。
(ふぅ…今日も怖い目に遭ったなぁ…)
岬は嘆息し、転校して間もない中学校から帰宅すべく、エレベーターのボタンを押す。
家に帰れば、多少ズボラだけれど頼れる姉も居る。もう安心かな…
エレベーターの戸が開く。
その時…パーン!クラッカーの轟音。そこに居たのは…
『オメデト〜〜ゴザイマ〜〜〜ス』
「えっ…!?」
(何この人…違う…そんな、またなの!?)
エレベーターに潜む異形にギョッとする岬。
恐怖で体と思考が硬直して動けない岬に、異形の妖怪が迫る。
『私は密室オバケ。お嬢さんはこのエレベーターに乗った999人目の女性でございます!!さて、何階でございましょうか?』
イヒヒヒヒ…
物腰は丁重な密室オバケであったが、毛むくじゃらで醜悪な顔は邪な欲望で歪み、明らかにお下劣でヒワイであった。
「え…あ…15階、です…あっ、違…私、降ろして…」
危機を感じ降りようとする岬であったが。妖怪に出口を塞がれてしまった。
『これは奇偶ですね私もですね15階なのですよ…上までお供しましょうねイヒヒヒヒ』
(ああ、嫌…!どうして私、いつもこんな目に…お姉ちゃん…誰か、助けて…!)
無情にも戸が閉まり…ゴウン…上昇を始める。エレベーターという密室に囚われた少女を乗せて。
(ああ…早く…早く15階に着いて!)
逃げ場の無い密室で祈る岬。妖怪から身を離そうと奥側で縮こまる事が唯一の抵抗だった。
『イヒヒヒヒヒ…ジュルルルッ』
扉には獣のような妖怪が居直り、背後から岬の三つ編のおさげ髪を凝視して涎を零している。
岬は怖くて振り向く事が出来ず、ギュッと目を閉じる。
『お嬢さん…』
「ひっ!?」
ビクリと震える、岬。密室オバケの生臭い息が耳元にかかり、背筋に悪寒が走る。
『お嬢さん999人目の方には私の接吻を…』
ダラァ〜。岬の華奢な肩にヨダレがかかり、制服にベットリと染みていく。
「接吻…?……っ!?や…!嫌ぁ…!」
(私、キスした事ないのに…初めてが、こんな妖怪となんて…っ)
己の不幸を呪う。霊を引き寄せてしまう体質が故、いつも妖怪悪霊につけ狙われ、苛められてきた。
『お嬢さんは初めてですかイヒヒ。ワタクシも999人目の女性とのファーストきっすなのですよ。998人目の方とも997の娘ともブチューしましたがねイヒヒ』
「…それ、常習犯でしょ!?私は本当に初めてなの!だから好きな人としたいです…助けて…」
『ワタクシ童貞なんですがお嬢さんもどうせ一人ぼっちでしょうイヒヒ』
「…っ、私は…」
岬は霊感体質で周囲から気味悪がられ、彼氏はおろか友達も居なかった。
だけど、今の中学に転校してから、気になる男の子と出会った。
理不尽な悪霊も妖怪モノノケも、問答無用でブン殴るメチャクチャな少年。
オバケに為す術なく蹂躙されてきた岬にとって、その粗暴でヤンチャな少年は、いつも勇気をくれる。
今はまだ、好きかどうかは、わからない。けれど……。
『そんなワタクシとお嬢さん、愛し合いましょう…!』
「嫌」
『このケチンボ…!ワタクシの事もっと愛してやってもいいんじゃないでしょうか?』
「嫌、です」
『ワタクシはエレベーターで生み捨てられて以来一度も愛を与えてもらった事がないのです。だから…お嬢さんを食べさせてくださいイヒヒヒ』
ガシィ!獣のような腕が華奢な肩に食い込み、嫌がる岬を振り向かせ、組み伏せる。
岬は必死に抵抗するが、か弱い少女の力では妖怪に敵わない。
エレベーターの密室。逃れる術は、無かった。
「嫌あああああっ!!」
『なんと可愛い…999人食べてきましたが、上玉ですねぇお嬢さんはイヒヒッ』
ジュルッ…岬を品定めし、極上の獲物に一層下品なヨダレを零し散らす、密室オバケ。
中学三年生の岬は、美少女である。
前髪を中央で分け、後ろ髪を三つ編みに結っている。
霊に狙われる不幸体質故にいつも怯え表情は暗かったが、最近出会ったオバケをボコる少年のお陰で明るい魅力を取り戻しつつあった。
だが折角取り戻せた可愛い笑顔も、今は恐怖と嫌悪で曇ってしまった。
…邪な妖怪にはむしろ一層、怯えきった可憐な少女がご馳走に映るのだった。
『ではお嬢さんのファーストキッスッス頂きま〜〜すイヒッ』
「…っ!!?…っむぐう゛ぅぅ〜〜〜〜っ!!!!?」
密室オバケの、岬の小顔を飲み込まんばかりの巨大な唇が、岬の口も鼻も塞ぎ、蛭のような舌が喉一杯に挿入されていく。
吐き気がするが口一杯に蠢くブヨブヨの異物に抗う術はない。岬は身動ぎひとつ出来ず口内を蹂躙される。
(嫌!嫌あああっ!きもちわるい…苦し…ふ…あぐぅ…ふぁぁ嫌あ゛あ〜〜〜っ!!!)
息ができず、窒息寸前で意識が遠のく。
小さな唇からは妖怪の大量のヨダレが溢れ出し、上半身から伝い落ちブラも、スカートの中までグショグショに汚れていく。
ビチャ…グヂャ…グヂュグヂュグヂュ〜〜〜〜!
(…こんなの、嫌…初めてなのに……助けて…日野…くん…え?私、どうして日野くんの事…?)
妖怪にキスを奪われる絶望の中、クラスメートの少年を思い浮かべ、戸惑い…。
ビチャ…ドチャ…ヂュグヂュグブヂュ〜〜〜〜!
「ふぐ…んん゛〜〜〜〜〜〜〜っっっ」
(嫌ああ゛あ゛ああああ!!!)
…ゴクン。ドクドクドクドク…汚らしい化け物の粘液が喉に注ぎ込まれる。
(ふぁぁ…嫌だ…嫌…なのに…どうし…て…?)
妖怪の怪粘液と舌に弄ばれ、あまりの不快さとショックに気が狂いそうになりながら、岬の中に戸惑いが生まれつつあった。
(…気持ち悪い…吐き出したいのに…カラダが、痺れ…ふぁ…アソコが疼く…熱い…どう、して…?)
蕩けるような刺激に脳髄から背筋を通り奥底から未知の感覚が発生する。
…永遠にも感じる掠奪キスが終わる。
『イヒヒヒお嬢さんのファーストチッスご馳走さまでした〜』
「…はぁ…うぅ…は…ぁぁ…ふぁ…ぁ……っ」
(……もう、ダメ…カラダが動かない…疲れ…眠い……)
岬の腕が、首が、ダラリと垂れる。
酸欠と毒唾液と舌の蹂躙は、岬の体力と気力を奪い尽くしていた。
息も絶え絶えにグッタリと崩れ落ちる岬の身体。
密室オバケの異形の剛腕が、媚薬唾液で全身濡らし震える美少女をガチッと抱き捕える。
『イヒヒヒ可愛いですねぇもっと食べさせてくださいよお嬢さんグヒヒヒ』
密室オバケは獣のような無骨な指に似合わぬ器用さで、岬の制服を脱がしていく。
プチ、ブチ…ボタンを引き千切り…唾液が潤滑剤となり、ズルリ、と上着が床に落ちた。
抱かれたまま、下着を晒される。ジュル、ダラァ〜、密室オバケの唾液がブラジャーにかかり、軟肌が透けて可憐な膨らみが露わにされる。
『イヒヒッ小振りで可愛らしいオッパイパイですねぇ〜少しくらいモミモミしてもいいんじゃないですかヒヒヒ』
唾液で肌色に透けたブラ越しに岬の胸を揉みしだく密室オバケ。
異形の掌は岬の14歳相応の可愛い乳房を一握りで包み、ヒワイな指先がブラ越しに勃起させられた乳首を突き捏ねる。
「ふあ…ふぁぁ……っ!?」
ゾクゥ!ビクッ!ピク…ビクン!
「…んっ!ふぁ…何…この感じ…ふああっ!?」
ビクビクビク…ゾクゥ!
『いい反応ですお嬢さん。ワタクシの媚薬唾液の効果でオッパイパイがビンカンになりましたねイヒヒヒ』
「…どういう事!?…んんっ!くぅ…感じ…ちゃう!やめて!触らないで…」
淫乱になった岬の胸をカラダ中を弄ぶ密室オバケ。
『イヒヒヒ!モミモミしまくりですよ勃った乳首クリクリさせてくださーい!!』
モミモミモミ…クリクリクリッ……!
「あっ!ふぁ!ふぁ!んくっ!あ!?はあ゛ぁ〜〜〜っ!!」
(くやしい…こんな妖怪なんかに…でもダメぇ気持ちいい……)
ビクビクビクン!ガクッ。快感に岬の身体が強く震える。一瞬、意識が消える。
ブラジャーは破られ、媚薬唾液の水溜まりに沈んでいた。
スカートもパンツも脱がされた岬は、エロ妖怪の前で裸体にされてしまった。
「はぁ…はぁ……う…うぅ…」
『イヒヒヒ可愛らしいハダカですねぇ…お嬢さんの中身もうんまそ〜ですねぇヒヒッ』
「……なか、み…?」
『はい。ワタクシは毎日孤独でさむいのです。なのでワタクシをあたためてくださいイヒヒヒ』
そう言うや密室オバケは自分も全裸となった。尤も獣同然の怪物、服を着る意味は無い。
だが密室オバケの露出した下半身から屹立するモノは…
『ご覧くださいお嬢さんワタクシのオチンチンを…!愛を知らず、毎日エロ本を朗読して慰めてきたら巨根になりましたイヒヒヒ』
グイ!欲望でビンビン怒張するチンゲ小僧ボウボウの男根を、岬の顔に押し付ける。
無垢な少女は人間では有り得ぬ、怪物の凶器を目の当たりにし…
「ひいっ……!?あ…嫌…嫌あ゛あああっ……!!」
(怖い…!そんなモノで、私をどうするの!?)
『イヒヒ…コレをお嬢さんのナカに挿れるだけなのです。ワタクシの子供を産んでくださいませんでしょうか』
ガバッッ!密室オバケの剛腕が岬の両足をロックし、広げられた恥部に、凶器があでがわれる。
「嫌!やだあああっ!そんなの入らないよ!お願い助けてええ……!!!」
『イヒヒヒ大丈夫。お嬢さんのカラダはワタクシの媚薬唾液がタップリ染み込み、ワタクシの愛撫でインランランなのです。さあ受け容れてください!』
(嫌…私…死んじゃう……お姉ちゃん…お姉ちゃん助けて…)
岬は最早抗う気力もなく、虚ろな瞳で凶器を見つめる。
どうして私だけ、こんな目に…
理不尽すぎる。嫌だ。誰も助けてくれないの…?
『さあ挿入開始です。人間のお嬢さんと妖怪のワタクシの子が出来たら半妖ですねぇ。女の子だったらセツ、なんて如何です?』
「…………」
『きっとハーンと化蛇さんの娘ちゃん並みにカワイイでしょう…その子もワタクシが食べますけどねイヒヒヒヒ』
「助けて………助けて耳雄くん!!!!」
岬は無意識にクラスメートの名を求めた。
もうダメ…もうすぐ、処女を巨根が切り裂き幼い膣を子宮を怪物の欲望がドクドク注ぎ込まれ…。
岬が祈った、その時。
グイ〜〜〜〜〜ン!ガコン。
急にエレベーターが加速、15階に到着した。
そして扉が開いていく。
『イヒ!?ワタクシの【エレベーターの速度を操る程度の能力】が急に切れるとは!?
マ、マズイ男が乗り込んでくる…まだお嬢さんの霊プ終えてないのにィィ〜ひとまず隠れねば!』
霊プ妖怪密室オバケは忽然と姿を消した。
『お嬢さん…続きはまた今度ヤりましょうイヒヒヒヒ!』
(…………原……相原!?オイしっかりしろ!)
(………んっ?この、声…?)
「大丈夫か相原!何があった!誰がこんなフザケたマネを…!待ってろ俺が千裂きにしてやる!」
「日野、くん…私…私っ……」
(また…今度も来てくれたんだ…耳雄くん……)
安堵の吐息を吐き、相原岬は意識を失った……。
―――15階。岬の家。
姉の水面は帰宅しておらず、日野耳雄は岬が置き忘れたプリントを届けに来ていたという。
その後。岬から事情を聞いた耳雄は激怒、密室オバケ撲滅を決意する。
耳雄の妹の留渦も協力すると言い出し……
悪質な霊プ魔密室オバケは日野耳雄から地獄の制裁を受ける事になるのは、別のお話。
奇っ怪の68異伝おしまい。
【でろでろ妖怪名鑑68密室オバケ】
エレベーターで生まれた妖怪。女性が一人で乗った時に現れ、自分の貞操を捧げようとする。
5巻参照…ここまでゲスなのはエロ二次創作だけですイヒヒヒヒ。
【あとがき】
ヤンマガで二番目に好きなマンガです。アニメ化してほしかった。
岬ちゃんと耳雄君のカッポリングは鉄板イヒヒヒ。
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