薄暗い作業小屋の中。
りさは一人悩んでいた。
娘のりんの事でだ。
「ったく、せっかく人がお膳立てしてやってるってのに…。男なんて接吻の一つもやりゃ後は流れで…」
一人、そこまで呟いてから、りさはそっと唇に指をやる。
夫・忠興との接吻の感触が残っている様な気がして。
「あいつ…あの時もそうだったな…」
そして想いは思い出の中に、指は口の中に…。
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「あねさ…じゃねえ、り、りさ…」
忠興がりさに思いを告げ、夫婦になったその次の日、宿酔の頭を抱え、忠興は勇気を振り絞り、
初めて公衆の面前でりさを名前で呼んでみた。が、
スコーン!!!
忠興の 顎に当たるは 木槌かな。
「仕事中はあねさんって呼べって言っただろーが!…恥ずかしい…」
顔を真っ赤にし、りさは作業に戻る。今日は新婚二人で水入らず…ではなく、頼まれ物の箪笥などを作っていた。
「じゃ、じゃああねさん!もう板の在庫が無えよ。取りにいかねえと」
「そうか。じゃあ行って来てくれ」
「おいーっす…じゃなくて!!俺はあねさんと一緒に行きたいんだっ!!」
ボフっ!
真っ赤に染まるは二人の顔と林檎の実。
「ふ、ふ、二人でやった方が、その、効率いいから…それで…」
「…しゃあねえなあ…お、お前がそこまで言うなら…二人…っきりで…」
「二人…」
「っきり…」
ドキドキドキドキドキ…
「…あー、もう!とっとと取りに行くぞ!」
「が、合点!!」
材木を取りに行くと言っても別に遠出するわけでもなく、ただ隣の材木置き場に行くだけなのだが、
りさと忠興は妙な雰囲気に始終おどおどしている様子で…。
「あねさん、あ…足元、気ぃつけて…」
「あ、ああ…お前…もな、た、忠興…ってうわぁ!?」
言われた側からお約束、りさは足元の綱に気付かずこれに足を引っ掛けてしまう。綱の先にはこれまたお約束、
材木の束が結わえてあった。材木はガラガラと音を立て、尻餅をついたりさの頭上へとー
「りさ!!」
忠興はりさの身体に覆い被さると、歯を食いしばり材木の衝撃を一身に受ける。
やがて最後の材木がカランと転がると、頭血を垂らした忠興がりさに問い掛けた。
「怪我は無いか、あねさん!」
「忠興…馬鹿野郎っ!お前の方がっ…」
「へへ…オレっちは毎日あねさんの鉄拳で鍛えられてんだ、これくら…い、何とも……」
ドサリ。
「お、おい…冗談だろ?!忠興…忠興ーっ!!」
「脳震盪じゃな。骨も大丈夫。しばらくそっと寝かせてやればいい。ただ、何かあったらすぐに呼ぶんじゃぞ」
村長で名医のオババを呼んできたりさは、布団に横たわる忠興の診断結果を聞いてほっとする。
屋敷に帰るオババに礼を言い、りさは忠興の安らかな寝顔をじっと見つめた。
「…ったく、脅かしやがって…脳震盪くらいで気絶してんじゃねーぞ!」
とは言ってみたものの、庇ってもらえなければ大怪我していたのはりさの方で…。
それは本人も重々承知していて…。
「で…でも、まあ…感謝はしている。しているから…」
何やらもじつきながら、ちらちらと忠興の方を伺うりさ。そして忠興が目覚めない事を確認すると、
四つん這いの姿勢で彼に近づき…
「…許せよ」
……ちゅっ
「……ん…ん、あ、あねさん?!」
「…おはよ、忠興」
頬を紅に染め、何故か視線を合わせないりさ。その指は、唇に触れていて…
「あねさん…?まさか」
忠興は何があったのか悟ったか、顔を真っ赤にして自分の口を押さえる。
「夢…じゃなかったのか?でも…」
忠興は未だ視線を逸らすりさの肩を抱き、その逞しい腕でもってりさを布団に…己の方に導く。
「オレっち達はもう夫婦なんだ…謝る事なんて、無いぜ…りさ…」
その導きを、りさは拒まなかった。
忠興は上半身を起こし、りさと対面する姿勢を取った。逞しい上半身は、治療の時すでに諸肌を脱いでいる。
忠興はりさの着物をはだけさせると、その豊満な胸を揉みしだく。
「りさに結婚を申し込んだ時も思ったけど…まるで夢みてえだ」
りさは力弱く「ん…んっ」と喘ぎながらも、忠興のたんこぶに手を伸ばし、触れる。
「痛っ!…やっぱ夢じゃ無ぇんだな」
忠興はお返しとばかり、りさの乳首をこねくり回す。りさはぴくんぴくんと肩と脚を震わせた。
「りさのおっぱい…ずっとこうしたかった…オレっちだけの物にしたかった」
「子供…赤ん坊が出来たら、その子の…あうっ!もんだ…」
「子供か…娘なら、りさみたいな”ないすばでぃ”な女になるんだろうな」
「息子だったら…んうっ!あんたみたいな軟派な奴にはさせないよ…はぁん…」
「言ってくれるぜ…乳首、弱いくせに。あむっ」
忠興はりさの乳首を口に含むと、ちゅうちゅうと音を立てて吸い始める。
「ああんっ!!だ、だって…胸ばかり…苛めるから…んんっ!吸わないでぇ…」
「ぷはっ!赤ん坊が出来た時の、予行練習みたいなものさ。れろ、れろっ…」
揉まれ、吸われ、舐められて…りさの乳房は一層張りを増し、乳首も存在感を主張するかの様に勃つ。
そして、その胸を忠興に見せつけるかの様にりさは仰け反っていた。
「なあ…りさ、もういいだろ…?」
忠興はりさのスパッツに包まれた股間へと手を伸ばす。だが、
「い、いや…」
イヤイヤをするりさ。忠興は呆気に取られた。ここまで盛り上がっているのに?
「……ってない」
「へ?」
「…って言ってもらってない」
少し拗ねた様な声で呟くりさ。
「”愛してる”って…言ってもらってないから…いや」
「あ…ごめん、りさ…」
忠興は島でも有名な軟派男。女の子を見つけては声を掛ける、本命のりさに想いを告げるまで、
彼はそんな体たらくだった。そして、”好きだ”とは言っても”愛してる”とは言ってなかったのだ。
「気付かなくてすまねぇ……あ、愛してる…」
「ん…許す」
そして二人はまた唇を重ねてー…
「はぁん!ああっ!!気持ちいい…こんな、こんな気持ちいいの、初めて…っ」
「初めてじゃなきゃオレっち怒るぞ」
りさのスパッツをずり下ろし、下着をも取り払った忠興は、露わになったりさの秘所に懸命に指を這わせる。
胸への愛撫で濡れたそこは、忠興の指を拒む事無く受け入れ、さらに濡れる…。
「胸、好きなんだろ…?オレっちが片方をやるから、りさはもう片方を…」
「うん、うんっ…でも」
「わかってる。愛してるよ、りさ…」
忠興からの愛の言葉を受け、りさは乳首を絞り立てる様に乳房を揉みしだく。
と、同時に、忠興はりさの空いた乳房を鷲掴みにする。
「ああああんっ!そんな、乱暴、やめ…」
「愛してる、愛してる、りさ、お前だけを愛してる…」
「卑怯者…そんなに言われたら、あたしっ…!ううふうんっ!」
忠興の乱暴な愛撫も、彼がりさ一筋だったための事。経験が無い故に、伝え聞いた知識しか無い。
だが、りさはそんな忠興のやんちゃを許した。自分が一番じゃなく、自分だけを愛してると言ってくれたから…。
「やあっ…なんか、なんか…来るっ!あたし、狂っちゃうぅ!」
「イクのか?イキそうなのか?りさ?」
「イク…これが、イク?あたし、あたしわからない!怖い!教えて、忠興ぃ!」
「そうだ、イクんだ、イけ、イっちまえ、りさ!怖くなんかない、オレっちが一生付いていてやる!」
「イク…イクぅ!イクイクイクイクぅぅぅ!!!」
ビクン!ビクビクン!
ぷしゃぁぁぁ…
りさは、絶叫しながらイった。忠興に支えられながら背を仰け反らせ、お漏らしをして…。
「あ…ああ…」
「りさ…大丈夫か…?」
「気持ちいい…それに、忠興、あったかい…」
りさはそのまま忠興にぎゅっと抱きついた。そして彼と布団に寝転がる。
「忠興…あんたの赤ちゃん、欲しい…」
「…いいのか?出来たら、しばらくおあずけだぜ?」
「それは…やだ。嫌だけど…一生あたしだけを愛してくれるなら、いいよ…」
「へっ…オレっち、ハナっからそのつもりさ」
「こ…これを、しゃぶるのか?」
りさの目の前にあるのは、先走りの汁をどくどくと垂れ流し脈打つ忠興の逸物。
父・勝元の物は幼い頃に風呂で見た事があるが、子作りの為の状態になったソレを見るのは初めてだった。
「あ、ああ…よくしゃぶって、濡らさないと…お互いに痛い、らしい」
「痛いのは…嫌だな。わ、わかった…でも、初めてだから…」
「そうじゃなきゃオレっちが困る。それに…オレっちもは…初めてだから…」
「そうじゃなきゃあたし怒るよ。…い、いくよ」
「お、おう…まずは舌で舐める…らしい」
「舌で…こうかな…れるっ」
りさのぎこちない、ただ「舐めた」というだけの行為。しかし、童貞の忠興には…想いの補正もあって、
効果は抜群だった。
ビクンっ!
「わわっ!?お、驚かすんじゃないよ、忠興!」
「こ、これは条件反射みたいなもんだ!その…気持ちよくて、つい反応を…」
「そうか…気持ち、良かったんだ…れるっ」
「うあ…極楽だあ…信じらんねぇ…あのあねさんが…りさが、オレっちのを…」
「ふふ…現実だよ、忠興…神社のちづるに聞いたけど、こうもするんだろ?」
ずじゅるる…!
先走り汁を吸われる忠興。腰が砕けそうになるくらいの衝撃と、電撃に似た痺れが脊髄を伝う。
「ふぁああああ…り、りさ、そのまま、歯を立てない様に、口に含んで…」
「う、うん…聞いてる…はむっ」
ずびょっ!ずぼぼっ!!
りさは忠興の逸物を、まるで千歳飴の様にしゃぶる。口内に溜まった唾液と先走り汁が、
忠興の逸物をぬらぬらと濡らしていく…。
「うあああああっ!りさ、りさっ!オレっち、オレっち…出る!出ちまうっ!!」
忠興は強引に逸物を引き抜く。と、同時にそれは溶岩の様に熱い精液を噴射する。
精液は、りさの顔、髪、胸、そして口内へと飛び散った。
「うわっ?!…あ…ぬるぬるするぅ…」
「す、すまねぇりさ!今、拭いて…」
「ううん、あたし、忠興のだったら…いいよ。ん、うんっ」
ごくっ…
りさは目を瞑ると意を決して口内に残った精液を飲み下す。そして蕩けた微笑みを浮かべ…。
「喉に絡みつくけど…おいしい」
精液塗れになりながらも、健気にそう言うりさの愛らしさに、忠興の少し萎えた逸物はまた勢いを取り戻す。
それを見たりさは、
「準備…万端だね」
ずり下ろされただけで脱がされていない、ふとももに引っ掛かったままのスパッツを目一杯に開き、
股と秘裂を開いて忠興を誘う。
「来て…あたし、もう我慢できないよ…あ」
忠興に寝かされたりさは、自分はこんなにも弱々しい存在なんだと改めて感じた…。
「いくぜ、りさ…でもオレっち初めてだ。優しく出来る自信は無ぇ…」
「いいよ…あたしの初めて、忠興の好きな様にもらって…」
「りさ…愛してるからな」
ずっ…
りさの秘裂に、忠興の亀頭の半分が入ろうかどうか、という所で…
「あ、入ってる…入って、きてるぅ…」
「力を抜いてくれ…緊張しなくていい、相手はオレっちなんだぜ、りさ…」
「うん…こ、こうかな…?」
その答えはすぐに明らかになった。
ずっ、ずずっ…
「あああああっ!い、痛いっ!痛いぃぃぃ…」
「わ、わりぃ!りさ!」
「待って!抜かないで!」
「えっ…?」
「あたしに…恥、かかせないで…でも忠興、お願い、もう一度、言って…愛してるって…そしたら我慢できる…」
「あ、ああ、愛してる、りさ、おまえだけを愛してる!」
りさは、自分の胎内で何かが切れる感触を味わった。それが破瓜であると…未だ当人達は気付かず。
ずっ、ずっ、ずるるっ…
「あ!あ!奥、当たって、奥当たってるぅ!」
「りさの膣中、気持ちいい…すげー気持ちいい!でも、オレっちばっかりじゃ…あむ」
忠興はりさの乳首を口に含み、それを優しく甘噛みする。
「ひうぅぅぅん!忠興、ただのりっ!とぶ、あたし、とんじゃうっ!!」
「オレっちも、もう…りさ、りさ、愛してる、りさぁぁぁぁっ!!」
「「ああああああああああっ!!」」
……………………………………………………………………………………………………………………
誰も居ない、薄暗い作業小屋の中、りさは、イった。
口に指を這わせた後、その指を胸に…そしてアソコに…ただ、想い人の事を考えながら。
一心に。
だから気付いていなかった。
来訪者があった事を。
「り…りさ、さん…」
ゴクっ
少年は鼻血を出しながら、その痴態に見入っていた。
初めて見る光景だった。
「はぁ…はぁ…はぁ…?!ボ、ボウズじゃないか!!」
りさは慌てて着物の乱れを直すと、少年…東方院行人に話しかける。
「見…見てたのか?」
…コクリ、と頷く行人。すぐさま謝罪して逃げ出したかったが、蛇に睨まれた蛙の様に、足が動かない。
「そうかい…なら、口止めをお願いしないとね…」
ゆっくりと行人の方に近付くりさ。
そして鼻血が付くのもお構い無しに、その豊満な胸に行人の顔を埋めさせる。
「来な、ボウズに色々と教えてあげるよ…」
(ごめん、忠興…)
りさは心の中で謝った。
終わり
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