今は昔の物語。
我が家、帰らんとする者あり。
旅路長い生き様に
路銀尽きるは、偶然では無かった…。
♪ベベン ベベン ベベン ベベン
ベンベンベンベンベンベンベン
チャララララン! チロリーン♪
『真・ナコルルショーダウン 賭博場地獄変。いざ、チンチロリン勝負也!!』
(何なのよソレ!?もう、ツッコミ所多くてウンザリだわ…)
どうも皆さん、ナコルルです(って、私は誰に挨拶してるの?!)。私は今、風邪(自称・風のカムイで、私を甦らせたらしい本人。…いや、本”人”って表現もどうかなぁ…)が『悪ィ!!蝦夷と江戸間違えた!!どうりで恐山からやたら遠いと思ったわ!!』とか言って…つまり、カムイコタンの近くで私を甦らせようと思ったものの、何かの影響で江戸の近くで甦らせてしまったらしい(風邪はあんな風に茶化していたけど、恐らく何か理由がある…風邪と思念を共にしているせいで、風邪の心の動きが何となくわかる)。
で、今江戸の近くから北上してカムイコタンに帰ろうと思うのだけれど…お金が無い。それで賭博場でチンチロリンをやらされるハメになったという訳。
ちなみに、いまの私の服装は、カムイコタンから風邪に持ってきてもらった、…あまり言いたくないけど…妹のリムルルが12才の時に着ていた服だ。だから…
『丈はツンツルテン、オッパイはパッツンパッツン、ふとももはムッチムチだぁ!!クゥ〜ッ、褐色肌のふとももが
タマラン!!想像力豊かな奴は、各自で脳内再生ドン!!』
(各自って誰よ、各自って!?)
もう…風邪は意味不明な事ばかり言うので困る。
「…お嬢ちゃん、丁か、半か、どっちだい!?」
「あ、はい。えーっと、丁!」
「丁だね…よござんすね?せーの、チンチロリーン!」
…ここだけの話、風邪が六・七割くらいの確率で私が勝てる様にサイコロを転がしてくれているので、今の所負けてはいない(まぁ、あからかさまにイカサマすると怪しまれるので、そんなに大勝してないけれど…)。でも、そろそろガッポリ儲けてここを退散するつもりだ。たとえ父様直伝のシカンナカムイ流体術(風邪は私のメノコマキリ・
チチウシを持ってきてくれなかった)を使う羽目になったとしてもね(父様、ごめんなさい)。
「…ピンゾロの丁!っあー、お嬢ちゃんの一人勝ちか!もってけ泥棒!!」
私の目の前にジャラジャラと文銭が集まる…これだけ稼げば、いいかな?
「それじゃ、私はこの辺で御暇を…シクルゥ!!」
「おい、待てよ!」「勝ち逃げたぁそうは問屋が卸さねえ!」等、案の定の罵声が浴びせられたけど、障子を破いて濫入してきた狼のシクルゥ(シクルゥも風邪が服と一緒に連れてきてくれた…いきなり風に飛ばされてこんな所に来たんだから、シクルゥもさぞ驚いただろうと思う)に、男達は腰を抜かす。そのまま私はシクルゥの背に乗り、こ
の場から逃げ去った。…でも、その時はまだ、(文字通り)草葉の陰から私を見つめる暗い視線に気がついてなかった…。
「……ミつけた。このヨならざるモノ…ナコルル………メッする」
羅刹ナコのみなおかシリーズ・弐
決い人真
定女間・
戦王嫌
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「…もういいわ、シクルゥ。ありがとう」
何処か、何かの街道の途中。私はもう追っ手が来ない事を確認すると、シクルゥの背から降り、シクルゥの頭を撫でてあげた。
『くぅぅ〜…羨ましい!!俺様も(亀)頭を撫でて貰いたいぞ!!同志は各自で脳内再生ドン!!』
「各自って誰よ、各自って!?」
…(亀)頭というのを聞くのはやめておこう。風邪の事だ、どうせロクでもない事に決まっている。ちなみに今は真夜中だ。街道といえど、人はいない。私も心置き無く声を出してツッコめるというものだ。
『心置き無く突っ込めて声を出せるだと!?ちょっと待て!おま、○こ、その発言は巫女の端くれとしてどうかと…
言うと、俺様はアリだ!!アリだという同志は各自で脳内再生ドン!!』
「各自って誰よ、各自って!?」
あーもう、コイツは勝手に人の考えている事を覗くので困る。何日も毎日同じ様な事の繰り返し、ツッコミも疲れるわ…はぁ。
『何日も毎日同じクリ返しで(御主人)様に突っ込んで突かれるだと!?それは聞き捨てならんな!ケシカラン!だが、イイ!いいと思う同志は各自で脳内再生ドン!!』
「だから各自って誰よ、各自って!?」
…もういい。余計な事を考えると、風邪が茶化して話が進まない。
「それよりも風邪、これからどうしたらいい?」
『そうだな…江戸に向かうか。江戸に行けば、柳生のおっさんや慶寅のあんちゃん、半蔵のおっさん辺りに会えるだろ。そうすりゃ手形もどうにか手に入る。最悪、千両一座のドサ周りについてって、北上してもらうって手もある』
「あなたに風で飛ばして連れていってもらうのは?」
『できたらやってるよ。だけどな、お前だけは…げふんげふん。や、なんでもない』
「…何よ?」
『なんでもない、って言ってんだろ!?あんましつこい女は、青いニンジャさんに嫌われるぜ?』
「な……ガ、ガルフォードさんは関係無いでしょ?!」
『ほへー、”ガルフォードさん”、ねぇ?俺様青いニンジャさん、としか言ってないけどなー♪』
〜〜〜っ!!こ、殺したいコイツ…。
『ま、話は戻るがよ、俺様ぁ江戸に行った方がカシコだと思うぜ?…武士道烈伝じゃ蝦夷直通の船もあったし』
「は?」
『や、なんでもねぇ。とにかく江戸に向かうぞ。名付けてしるえっとみらーじゅ計画だ。俺様を信じてゴーです』
「汁…えっと?なによ、それ。食べ物?」
『何いっ!?俺様の汁を飲みたいのか?!今早速準備を…』
「違うっ!!」
『各自で脳内再生』
「それはもういい!!…ぜー、はー、ぜー、はー」
『連続で突っ込み突かれるとは…お前もわかってきたじゃねーか!!各自』
と、風邪がいつもの台詞を言おうとした、その時!!
「…!カムイリムセ!!」
私は咄嗟にカムイリムセを(籠手は私の物だったから)出し、私めがけて飛んできたソレを跳ね返した。何ていうんだろう、風邪に甦らされてから、風…空気の流れが、敏感に察知できる様になっていたのだ。
「誰!?」
私は何かが飛んできた方に向かって叫ぶ。”何か”は私の頭を狙っていた。殺意がある事は間違い無い。何者…?
「出て来なさい!そこにいるのはわかっているんだから!」
『お、おい…こいつぁ…』
風邪が何か言いたそうだでも、今はそちらに気をやる訳にはいかない。と、”何か”の主…射手が闇から姿を現した。え…っ?
「真鏡名…ミナ……さん!?」
「ナコルル…このヨならざるモノ…メッする……」
それは数年前、日輪國の乱で命を落とし、私が最期を看取ったたはずの妖滅師…琉球の弓使い、真鏡名ミナさんだった。なんで…どうして!?
『ナコルル…こいつ…こいつぁ……』
「…風邪、何か知ってるの?」
私は完全ではないにせよ、風邪が焦った時や本当に興奮した時に、その心の中を少しだけ覗く事が出来る。風邪は何か、隠している!!
『こいつぁ……ヘソとうなじとチラリふとももがたまんねぇーーーーーーーっ!!』
「そっちかーっ!!」
ふ…深読みした私が馬鹿だった…。
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アイキャッチ・シクルゥに跨っているナコルル(各自で脳内再生ドン!!)
BGM・ちゃっちゃちゃー、ちゃちゃちゃちゃん♪
(様は初代仮面ライ○ーのアイキャッチ風)
「…って、何よコレ?」
『いやー、これからの恒例にしようと思ってな。CM前後のアイキャッチ』
「し、CMって…(嫌な予感…)」
突然ですが、CMじゃい!
アニメスペシャル・サムライスピリッツ、全国ビデオ(テープを扱っている)レンタル店にて、好評レンタル中!!
『ダメじゃないか…借りて見てちゃあ…(by炎の転○生)』
「いや、いいのよ!お店で借りて見る分にはいいからね!!」
BGM・ちゃっちゃちゃー、ちゃちゃちゃちゃん♪
アイキャッチ・シクルゥの背から振り落とされそうになり、必死に尻尾に捕まるナコルル
(各自でネオポケのSNKギャルズファイターズをプレイドン!!)
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『おいナコルル…相手は色っぺぇオネーチャンだが、お前が殺されちゃ意味が無ぇ。…だから…』
(…だから…?)
『逃げるぞオイ!!』
「だよねーっ!シクルゥ!!」
私はシクルゥに命じると、その背に乗って街道脇の森へと逃げ込んだ。森なら樹が障害になって、狙いが定めにくくなる。そして樹の影と夜の闇に乗じて逃げる、という計算だ。…計算だった。でも!
「ナコルル…メッする……」
元から俊足のミナさんはシクルゥの全速力に離される事無く着いてきた!それだけでなく、
「う、嘘よね!?」
彼女が走りながら半ばデタラメに放った矢は、それでも樹と樹の間をくぐり抜け…”樹に当たっても貫通して”、私に降りかかって来た!!
『チィッ!…おい、ナコルル!今から俺様が指示する姿勢を取れ!そうすることで被弾率も下がり、移動速度も上がる!!』
「してもいいけど変な格好じゃないでしょうね!?」
『バカ!俺様だって時と場合は選ぶ!!いいからやる!!姿勢はこう、だ!!』
…仕方無い。私は風邪の指示(頭の中に映像として送られてきた)通りの姿勢をとる。…こ、これは!!速い!!
『秘技・電人ザボ○ガー乗り!!シクルゥの背にうつ伏せになって乗る事で空気の抵抗を減らし、加速させる技!!
しかも横から見た表面積も通常より減って、被弾の危険性も減る!!それに』
「それに?!」
『…後ろから見たら襦袢の裾がはためいて隙間から大事な所が丸チラ見!!くぅ〜っ!たまんねぇ!!』
「やっぱりそういう目的かーっ!!」
『楽しみたい奴は各自で脳内再生ドン!!』
「各自って誰よ、各自って!?」
速いけど…理にかなっているけど…やっぱり風邪は風邪だった…。
【余談だが、この時吉野という侍が道に迷ってこの森をさまよっていた。そして彼は偶然、パツパツ襦袢のナコルルを見かけ…この時の衝撃が、後に離天京でナウなヤングにバカウケになるスパッツの原型を開発する手掛かりとなるのだが…今は関係無いので割愛。待て!蒼紅の刃編!(ウソ?)】
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アイキャッチ・強レラムツベを放つナコルル(各自で脳内再生ドン!!)
BGM・ちゃっちゃちゃー、ちゃちゃちゃちゃん♪
突然ですが、CMじゃい!
ミ・ナ 襲おう ミナ襲おう(オパーイ)
外道を使ってミナ襲おう
ナコ・リム・シャルとミヅキも襲おう
「いだだきまずまずまずまず ごちそうさまさまさまさま」
怒爆 絶命 サムスピ零 SP♪
BGM・ちゃっちゃちゃー、ちゃちゃちゃちゃん♪
アイキャッチ・着地に失敗してベタンと落っこちるナコルル
(各自でネオポケのSNKギャルズファイターズをプレイドン!!)
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「…あー、もう!逃げててもラチがあかない!!」
私はシクルゥを止めると、その背から降りた。
『どうするつもりだ!?あのオネーチャン…』
「ミナさんが正気じゃないのはわかってる!話し合いが通じそうにもないのもね!でも…」
今は、とにかくなんとかして止めないと!
『わーったよ。でも、チチウシが無い事を忘れるな!あと、あのオネーチャンがお前を殺そうとしているのもな!』
「了ー解!打つ手は考えてあるわ!…久しぶりの、イカサマ抜きの大博打だけどね」
打てる手はシカンナカムイ流体術…あとはその間合いに入れるかどうかと、勘が鈍って無いかどうかのみ。
「……オいついた。このヨならざるモノ…ナコルル………メッする」
「はっ!舐め腐らないでよね!こっちはとっくに堪忍袋の緒が切れてるんだから…あなたを倒さなきゃ、治まらないのよ!!」
私もミナさんも身構えた、その時!!
『あいや、その勝負ちょっと待った!!』
「…へ?」
どこにいたのか、暗闇から黒子さんが現れた。この人はいつも何でこう…。それになんかさっきまで殺気(駄洒落じゃないわよ!)立っていたミナさんもおとなしくなってるし!!
「この勝負、この黒子が見届けましょう!!ナコルル!対、真鏡名ミナ!いざ、尋常に…勝負!!」
黒子さんの合図と共に、ミナさんの早射ちが始まった。私は横にサッとよける…これ、なぜか疲れるのよね(意味が分からない人へのヒント…ポリサム64、スタミナゲージ、フリーランニング。あとは各自で検索ドン!!)。射線軸を微妙にずらして…気付かれない様に徐々に接近…今だ!!
「とおっ!!」
私はミナさんに向かって跳び、跳び蹴りを放つ。私が地上に貼り付いていると踏んでいたミナさんは、案の定対応が遅れ、蹴りをモロに喰らってくれる!よし!
「ごめんね…カムイリムセカムイリムセカムイリムセカムイリムセカムイリムセカムイリムセカムイリムセ…」
バシバシバシバシ…と、籠手から出したカムイリムセの布をミナさんに連続で叩き付けていく!!私が、天草が復活した際に使った奥の手だ。でも、これには欠点がある…舌噛みそう。
でも、そんなこんなでカムイリムセ八十六段、カムイリムセ八十七段、カムイリムセ八十八段!!
「一本!ナコルル!!」
「どう!?ミナさん!降参したら!?」
布で叩かれ弓が折れ、くずおれたミナさんに降伏を申し出る。これで聞いてくれればいいんだけど…お願い!
「…………」
ミナさんはうずくまって下を向いたまま答えない。殺気は感じられないけど…でも、油断ならない。私は警戒したまま、もう一度問いかけた。
「ミナさん…?」
「…………メッするホウホウは、ホカにもアる!!」
突如、ミナさんはシクルゥを蹴り、私の両腕に物凄い力で掴みかかり、私の後ろの巨木に私を叩きつけた!
「くっ…なんて力なの…」
『オイ!それはオネーチャンの力が強いんじゃない!お前の力が弱まって…さらに弱められているんだ!俺様も』
「え?何?!」
突然、風邪の声が聞こえなくなった。と、わたしも目の前がグラグラしてくる…
「やめなさい真鏡名さん!仕切り直しですよ!!」
黒子さんがミナさんを離そうとする。でも、
「ウルサい…」
ブォン!!
物凄い突風が黒子さんをどこかに飛ばす!!えっ、これって風邪がシクルゥを連れてきてくれた時の…
「このヨならざるモノ…ナコルル………メッする」
ミナさんは片手で私の両腕を持ち上げると、正気じゃない瞳をこちらに向け…わたしの唇に、唇を合わせてきた。
「んうっ!?ん、んーっ!!」
そのままミナさんは私の口の中に舌を入れてくる。や、やだ、気持ち悪い…。って、えっ!?
「…ぷはっ」
息継ぎのため、ミナさんは唇を離した。でも、一瞬見えたミナさんの舌は、人間のソレとは大きく違っていた。
「舌先が…細かく分かれて…何?何なの?」
「おマエのチカラ…セカイのタメに…モラう……」
ミナさんは答えになってない返答をすると、今度は(リムルルが12の時に着ていた)襦袢の裾をたくし上げ、そこから手を入れてきた。…まさか!!
「や、やめてっ!!そこは嫌あっ!!」
「ここからカゼのチカラをカンじる…カゼはサイコウのえれめんと……カエしてモラう……」
ミナさんの指が、私の恥ずかしい所に入ってくる。痛い!痛いよう…誰か、助けて…私、抵抗…できない…。
「ガウウウウウッ!!」
…その時、お腹を強く蹴られたはずのシクルゥが、ミナさんに向かって体当たり(カムイシキテという技。でも、私は命じていない…シクルゥ…)を行なった!不意である事、そしてミナさんの体重が軽い事が幸いして、ミナさんは遠くに吹っ飛んで行く。私は情けない事に腰が抜け、その場にへたり込んだ。
「ありがとう、シクルゥ…」
私は心配そうに寄ってきたシクルゥを撫でてあげる。そして飛ばされたミナさんの方を向くと…
「……え?」
…ミナさんの身体が、ボロボロと崩れて土になっていく。ど、どういう事なの!?
『…やっぱりか』
「風邪!どこに行ってたの?!」
『ホントに会いたかったんだよー、ってか?』
「…勇気萎えるわ、その返し」
『冗談だ。俺様はどこにも行ってねーよ。お前の力が弱まって、一時的に俺様の声が聞こえなくなっただけだ。それはともかく、あのオネーチャン、死んでた所をお前が甦った事を良く思わねー奴らが甦らせたみてーだな』
「…?それだけ?風邪、あなた何か隠しているんじゃないの?!」
『………ま、な。だがお前が知っても意味ねーし、説明が面倒ちぃんだよなぁ〜』
「何よそれ!?いいから話しなさい!!」
『へーへー、必要な時に必要な分だけ追い追い話してやるよ』
まったく…こいつは肝心な事はいつもはぐらかすから困る。
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ちっ、あいつら…そのヘタレ根性が許せねえんだよ!!…ナコルル、俺様がいる限り、もう馬鹿な真似はさせねぇからな…お前はお前として生きろ。たったひとつしかない命…一生大事にしろよ。
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エンディングテーマ(デビルタカマンのエンディングの節で)
♪だーれも知らない 知ったこっちゃ無いー
零で羅刹ナコ消えたわーけー
何も言えなーいー 知られちゃいけなーいー
企画会議ーであーったこーとー
「真鏡名とーカブるからー」(零開発者・談)
てなわけでー レラと交代
この素晴らしい(レラという)設定をー ほーっとーけーないーだけー(ナコりもの制作委員会・談)
今日もどこかで レラ使い
今日もどこかで ミナつーかーいー
(この歌詞の一部はフィクションです)
決い人真
定女間・
戦王嫌
これにて終了…もしかして続く?
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