ラグナ氏・作


 ラグナさんによるエロパロ短編です。

 「シュミッドディーヴァ」というカードゲームがネタとなっているそうで、カードのキャラとハメてしまう、幻想的なエロシーンが印象的な作品です。


ゼーレンシュトルムと呼ばれる国の城の一角。
与えられた小さな部屋のベッドに身を投げ出し、俺は束の間の休息を得ていた。


正直、国だの主君だの過去の因縁だのといった事は俺にはどうでもよかった。
過去幾度となく戦争だの戦いだのといった事に関わっていた俺には、戦争というものがどれほど愚昧で意味の無いものかが解りきっているからだ。
戦争では勝った者こそがすべて。
物、金、土地、魔力、女、命。
何をしようが許されてしまう。
そんなくだらない事と解っていながら、俺が戦争に関与し、前線に出て戦っているのは一重に嫁の為だった。
嫁と言っても現実に存在する女じゃあない。
戦争の力となる、あるカードの事だ。




俺がゼーレンの一士官となって一月経った頃だったか。
突然、主のヒルダ姫に呼ばれて参上してみれば
「お前に与えたマナを使い、新たな力を得よ。そして我とゼーレンの為に尽力せよ」
と来たもんだ。
(階級の低い下士官にまで頼らないといけないなんて、この国も落ちぶれたもんだ…)
そう思いながら、俺は新たな契約を結ぶべく貯めに貯めていたマナを解放する事にした。
どうやら今度の契約はこれまでとは全く違った僕や魔法を行使できるようになるらしい。
戦いは嫌いだが、自分の力が上昇するのは正直悪い気分ではなかった。


…マナの解放に合わせて、新しい魔物や魔法の力が流れ込んでくるのが解る。
一度に大量のマナを放出することは、それだけ多くの力を得やすい事に繋がる。
そして最後に残ったありったけのマナを使い切ったとき、そいつは俺の目の前に立っていた。
…美しかった。
流れるように長い髪は海のような青色で。
その癖燃えるように赤い瞳で。
輝く白い衣を身にまとい。
初め驚いたような表情を見せたが、すぐにそれは微笑みに変わった。
そして両の手をこちらに向けてくる。まるで抱きしめてほしいかのように。
俺に抗する手段などなかった。いや、男としてそんなものは初めからあるわけがない。
わずかに躊躇って見せた後、俺はすぐに求めに応じて女を抱いていた。






抱きしめた体からぬくもりが伝わってくる。
柔らかな双球が衣の下で穏やかに、だが確実にアピールしてくる。
鼻腔に漂ってくる、女独特の臭い。
理性が限界を迎えると同時に、迷わず唇を奪っていた。
相手のことなどお構いなしに口をこじあけ、舌を入れる。
女は処女なのだろうか。初め抵抗はあったものの、少し経つとすぐに向こうからも舌を絡めてきた。
口付けを交わしながら胸をもみしだいてやる。
少しずつ頬が赤くなっていく様を見ると、普段抑えている激情が燃え上がって仕方がなかった。
早くこの女を鳴かせてやりたい。
口付けを止めると、やや乱暴ではあったが女を押し倒して衣服を脱がせる。
抵抗があろうが無かろうが、最早関係なかった。
服と同じ、純白の下着を剥いて秘裂を拝見する。
純情そうな癖してそこはもうしとどに濡れていた。
そこから男を狂わせるものを漂わせて仕方が無い。
もう夢中になってそこにむさぼりついた。
「・・・ッ!」
事ここに至ってようやく喘ぎらしきものを上げる。だが。
足りない。とてもじゃないが満足できるものではない。もっとだ。もっと全てを曝け出せ。
体勢を横に変えながら、俺は女の口元に自分自身をあてがってやる。
「咥えろ」
面倒なので一言で済ませる。
もう相手にも理性など残っていないのだろうか、自身が生暖かいものに包まれることでそれが解った。
「んっ・・・んんふうう・・・」
咥えながら何事か呟いているのが聞こえる。
だがそんなものよりも女の舌技の妙味といったら例えようが無かった。
ちゅるちゅると子供が飴か何かを舐めるように愛しいかのように舌を滑らせたかと思うと、激流のように急な動きに変わる。
それに呼応するかのように腰が動いてくる。太ももで頭を挟みこまれると、否応がなしに秘所に顔をうずめる形になった。
(良いだろう。たっぷりと蹂躙してやる)
指を入れてやると何の抵抗もなしにずぷずぷと奥地へと誘う。
そのまま思いのままに掻き回してやると、モノを咥えたままの女は一層喘いでくる。
もういい。このまま一思いに貫いてやる。
女の口淫から自身を抜き去ると、獣のような後背位で覆いかぶさる。
「あっ・・・」
思わずあがった声が更に欲情を加速させる。
わざと息を荒げながら秘裂に自身をあてがい、耳元で呟いてやる。
「狂わせてやるよ。だからお前も俺を狂わせてみろ」
それを合図代わりに一気に挿入してやった。






「うおおっ・・・?!」
そこは予想を超えたなんて表現じゃ例えようがなかった。
ぬるぬるとしていて、絡みつくかのようにくわえ込んで…
そして暖かかった。当たり前なのだが、それがモノだけではなく全身に伝わっていくのが解った。
これは・・・やばい。脳が焼け付くのを感じる。
そして気がついたときには無意識のうちに女を貪っていた。
これでもかというほどに力を込めてえぐってやると、ようやく大きな嬌声をあげる。
「あああっ・・・ふああん!」
そう、もっとだ。もっと鳴け。俺色に染まっていけ。
腰をつかんでいた手を前へと伸ばすと、膨らみを思うままに弄り倒す。
桜色の乳首を摘み、無茶苦茶に乳房を揉みまわしてやる。
「あふぅ・・・あううぅ・・・」
辛いのか、切なそうな声をあげる。
こういった声もたまらない。
体位を変えて正常位にすると、女は俺の責めに耐えながらも必死に両手を伸ばしてくる。
…なんという顔をするのだろう、この女は。
切なさと快感とに歪んだその顔が、たまらなく可愛く思える。
決めた。
出してやる、思いっきり出して孕ませてやる。
そして俺のことを忘れられなくしてやる。
激しく腰を打ち付けてやりながら抱きしめてやると、きつい位に抱き返してくる。
「膣で出すぞ・・・っ!良いなっ!」
限界だった。返事もまたずにそのまま精をぶちまけてやった。
「っ!?ああああああっ!!」
身体を震わせながら、女も絶頂の声を上げた。
そのまま搾り取るように膣が蠢き、精を奥へと誘っていくのを感じながら、俺はぐったりと身体を女へと預けた。
「はぁっ・・・はぁっ・・・」
俺はそのまま異常なまでの疲れからか、ゆっくりと眠りに落ちていった・・・









気がつくと、自分にあてがわれた部屋のベッドの中だった。
後から聞いた話によると、俺は契約の儀式の前と同じ格好で姫の前へと戻り、そのまま気を失って倒れたのだという。
あれは夢か現かと思う間も無く、ヒルダ姫にこれでもかというほど罵倒されてしまったが。
…全裸じゃなかっただけマシというものか。
「レアクラスとの契約に成功したのは良いものの…貴様。腑抜けているのではないだろうな」
「レア・・・クラス?」
「…貴様には一度、ゼーレンの士官としての自覚と責任というものを思い知らなければならないようだな」
…そういってこれでもかというほどに教育だのお仕置きだのをされたのは言うまでも無い。
だがはっきりと解ったことは、あの女との契りは文字通りの契約であり。
あの女の名前も、存在意義も、何もかもが理解できた。











「・・・」
くたくたになって部屋に戻ると、俺はベッドに身を投げ出す。
疲れきっていて何も考えたくなかったが、それでも気合を入れて身体を起こし、1枚のカードを取り出す。
そこにはまぎれも無く、あの女。
「ティニア」の姿があった。
「七つの海の一つを治めし海の女神…か」
誰に言うともなく呟き、その名を呼ぶ。
「ティニア…」
その途端。カードはマナの力を借りて輝くと、たちまち目の前にあの女が現れた。
そしてこちらを見ると、あの変わらない微笑を向けてくる。
「…夢じゃないんだな」
震えながら、ティニアを抱こうと手を伸ばす。
そこにはまごうこと無き暖かさがあった…







今も俺は自由気まま、勝手にやらせてもらっている。
それもこれも俺の嫁、ティニアのおかげであるのだが。
女としての魅力だけではなく、海を支配する神の名にふさわしい強さを兼ね備えていたからだ。
今の俺は完全に彼女の虜だった。
ティニアを現世へと呼ぶ為には、大量のマナと水の加護が必要だったからだ。
彼女の為に。
またあの繋がりを味わう為に。俺は下らない戦争に身を投じ、マナをかき集めるのだった。


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