ー龍虎蹂躙戦・伏龍逆襲編ー




月英が呉に捕われ、周瑜の手により調教を受け始めるのとほぼ同時に、それは起こっていた。宿命の強敵、諸葛亮を完全に出し抜いたと思っていた周瑜は、ただひたすらに月英を墜とす事だけに専念していた。
苦戦の末、魏軍から奪取した樊城は呂蒙が守りを固めている。蜀がそれを奪えるわけがない。魏に対しては、若き後継者、陸遜がいる。何も心配することはない。周瑜の思ったとおり、確かに魏も蜀も呉領を
犯すことはなかった。だが、この時周瑜は完全に諸葛亮の手の内にあったのである。そして、妻の月英もその事は知る由もなかった。



「いやいや・・・おまいさんも酷いことを考えるもんだね。良いのかい?あっしはしらないよ?」
「計算の上です。周瑜は確かに知略に富み、呉軍十万を指先一つで動かすことのできる男です。ですが、それ故に彼は己の策の詰めの甘さを知らない。挫折を知らず、己を完璧と思ってしまっている以上、
どんな神算鬼謀の持ち主であっても、私の敵ではありません。それに、月英も私の妻となったときから、その命、その体はわが君の為にあったのです。それが、この乱世の定め・・・。もっとも、まだ
月英の力を今しばらく手元においておきたかったのも事実ですが」
「いやいや・・・本当にひどい男だよ、おまいさんは。昔っから冷徹な部分もあるとは思っていたが、ここまで酷い奴はあっしは始めて見たよ」
「これも・・・漢室復興の為の策の一つです。もとより迷いなどありません」
周瑜のいる呉の都市から遠く離れた荊州南部の都市、長沙。ここに、彼が憎いの一言では到底足りないほどの辛酸を舐めされられた相手、諸葛亮は駐留していた。傍らで彼と話しているのは副軍師のホウ統
である。彼らがいったい何を話しているか・・・それは今、確信へと向かっているのであった。
「んで・・・あっちはあっしらで好きにしていいんだね?」
「ええ、私は魏延と共にもう片方を当たります。諸将によろしく伝えてください」
「いやはや・・・・・・あっしのこの役立たずが使えるもんかねぇ」
「ふふ・・・まぁ頑張っていただかないと、私としても困りますので」
そういうと、蜀の二軍師は行動を開始した・・・。蜀軍は長沙城の外に出ると陣地を築き、たちまち戦の準備が整った。その数、おおよそではあったが五万にものぼった。諸将はこの不可思議な命令に首を
かしげながらも、軍師たちの言うとおりに事を成し終えたのである。そして・・・・・・諸葛亮の恐るべき復習劇は幕を開けたのである。



それからしばらくして、蜀軍の陣地内に一人の可憐な女性が現れた。陣の奥深くから逃げ出してきたのだろうか、息を切らし、まっすぐに出口に向かって疾走している。
「ハァ・・・ハァ・・・」
女の体力では、ここまでが限界なのだろうか?立ち止まって肩を落とし、女は少しだけその場に立ち尽くし、休息をとった。女の格好は、髪を二つに分け、上等な布でできた赤い婦人服に青いスカートを身に纏っていた。
本来ならばもう一つ、女が持っているべきものがあった。大き目の飾り付けられた扇子である。だが、今ここにそれはなかった。自国の都市に、持ち出す暇もなく置いてこられたのである。顔は雪のように白く、
唇はほんのりと上品な赤みをさしている。程よい肉付きのしなやかな体は、下手をすれば折れてしまいそうなくらいに華奢に見える。・・・そう、女は呉軍の将、しかもかなり身分の高い将の妻であった。
(よし・・・帰れる。愛しいあの人の所へと戻ることができる!!)
息の乱れを整え終わり、慎重にあたりを探った女は再び逃走を開始した。だが・・・、
ビュウウウ!バシィィィィン!!
「・・・!」
すぐにその動きは止まった。遠くより放たれた一本の矢が、彼女の行く手を阻んだのである。そして・・・
「おやおや・・・どこへ行くつもりだったんだい?」
「あ・・・あぁ・・・・・・」
女の後ろには、多数の蜀軍が展開していた。先頭に立つ男は「イッシッシッシッシ・・・」といやらしそうに笑うと、
「まぁ無理もない話さね。あんただって元々自分のいた場所に帰りたいだろうしね」
と女に話しかけた。
「・・・・・・」
「本当なら、おまいさんはここで斬首ものなんだが・・・・・・」
男はもったいぶって言葉を一度切り、そして間をおいてこう告げた。
「どうだい、あっしたちのお願い事を聞く気はないかね?」
それを聞いた女は身を震わせながら、
「嫌です!そんな事・・・出来る訳が無いじゃないですか!!」
と拒絶の意思教示をした。それを見た男は、
「そうかい。おまえさんがそういうんなら、仕方ないねぇ。ここで死んでもらうしかないさね」
そういうと後ろに控える兵士たちに合図を送った。たちまち女は多数の弓兵たちに囲まれ、身動きが取れない状態になった。もう、これまで・・・女が覚悟を決めた、そのときだった。
「・・・でも、そうだね。言う事が聞けなくても、こっちが勝手にやっちまえば良いだけのことさね。・・・それじゃ、おまえさんたち」
男はそうつぶやくと、女を囲んでいた弓兵たちに向かって、
「その方の服を全部脱がしてやんな」
そう言い放ったのである。
「!?・・・何・・を・・・何をするつもりなんですか!?」
「おや、死にたくは無いんだろう?いわなくったって、おまいさんの顔にはそうかいてあるよ」
「・・・っ・・・そ・・それは・・・・・・」
「でも、おまえさんはあっしらの望みはかなえてくれないんだろう?だったら、どっちでも同じことさね」
そういうと男は、
「ほら、ぼさっとしてないで、はやく脱がせてやんな」
と兵士たちを促した。兵士たちも男の命令とあってはしかたなく、じりじりと女との差を詰めていった。
「あ・・・嫌・・・やめて・・・やめてください・・・」
女は震える声で哀願するが、兵士たちはそれが聞こえなかった、いや、聞こえないふりをして女に近づいた。そして、兵士の手が女の肩に触れた瞬間、女は悲鳴とはっきりわかる声を上げた。
「嫌アァァァッ!やめて!やめてくださいぃぃぃ!!」
これには流石の兵士たちも一瞬たじろいだ。だが、命令とあらばやり遂げなければならない。気を取り直して、服に手をかけようとしたそのとき、
「ああ・・・ちょっと待った」
男は何故か兵士たちに抑制をかけた。そして、震える女に向かってこういった。
「どうだい・・・おまいさん、今からでもあっしらのお願い事、聞いてはくれんかね?」
「あ・・・・・」
「何、おまいさんが素直にいうことを聞いてくれりゃ、ちゃんと自国に戻してやるよ」
「・・・・・・」
「まぁ受ける受けないは別として・・・ここにはあっしをいれて、ちょうど1000人の将兵がいる。こうも戦が長引くと皆気が立って仕方がないらしくってねぇ・・・。そこで、女であるおまえさんに、
あっしらの慰安をお願いしたいのさ」
「・・・・・・私に、変なことはしたりしないと約束してくれますか・・・・・?」
「それはもちろんだよ。あっしらはお願いしているだけなんだからね」
この言葉に、女は躊躇した。もちろん、変なことをされない訳がないだろう。だが、それでも生きて帰りたいという気持ちを、どうしても抑えることができない。女は葛藤した。そして、ひたすらに
考えて考え抜いた結果・・・、女はそれを受けることを引き受けたのだった。
「そうかい!やってくれるかい。いやいや、ありがたいねぇ」
(孫策様・・・・・・私は生きて、必ず生きて貴方様のところへ帰ります・・・・・・)
女の名は大喬。「江東の二喬」と謳われた絶世の美女の一人だった・・・・・・。



その頃、時を同じくして長沙場内の牢獄では
陣を抜け出そうとしていた大喬によく似た少女が、目の前に迫り来る恐怖に慄いていた。そう・・・少女の名は小喬。江東の若き虎、周瑜の妻であった・・・・・・。
「あ、あっちいって!この変態!!あんたなんか、周瑜様がすぐにやっつけちゃってくれるんだから!あたしに酷いことすると、周瑜様にもっと酷い目に合わされるんだからね!!」
「やれやれ・・・可愛げの「可」の字もありませんね・・・」
そして・・・小喬の目の前には、あの諸葛亮がたっていた。だが・・・小喬が恐怖を感じているのは諸葛亮の方ではなかった。その傍らにいる、全身裸体で見事にそそり立つモノをもった、魏延その人であった。
「先刻お話したこと、ご理解いただけましたか?」
そんな小喬の様子を見ながら、諸葛亮は重々しく尋ねた。話とは他でもない。周喩が自分の妻である月英を捕らえ、陵辱していることである。だが、小喬は信じようとしなかった。当然といえば当然のことだが、
自分の愛する人がそんなことをするはずが無い。ましてや、自分以外の女と体を重ねるなどという事は絶対にありはしない。小喬はそう信じて疑わなかったからである。小喬の変わらぬ態度に、諸葛亮は、
「では・・・仕方ありません。魏延!小喬にも同じ事をしてやりなさい!」
と非常な一言を言い放った。魏延はその言葉に振り向くと、
「イイノカ・・・・?」
と一言だけたずねた。
「かまいません、貴方の思うがままに彼女を貪りなさい」
諸葛亮はまったく変わらない態度で魏延にそう告げた。その言葉を聴いた魏延は、
「ウ・・・ウ・・・ウオオオォォォォォォッ!!!我!女!!犯す!!」
喜びにもとれる雄たけびをあげると、小喬の服に手をかけ始めた。
(っつ!嫌だ!!こんな訳の解らない変態に犯されるなんて嫌だ!!周喩様!お姉ちゃん!助けてっ!!)
小喬の顔は見る見るうちに恐怖と絶望とが織り交ざっていき、見るに耐えない悲壮な表情を浮かべていた・・・。


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