セレン氏・作

 「俺の城」のセレンさんから暑中お見舞いSSをいただきました!

 韓国、グラビティ社の「ラグナロクオンライン」というゲームが元ネタだそうで、女性の一人称で書かれているため、ホンワカした可愛らしい雰囲気のSSになっていますね。

(本家「俺の城」へはこちらから〜)


私、クリス。この世界に来てまだ2日めのノービスです。
初めておとずれた街はゲフェンという街でした。お話によるとマジシャンになるためのギルドがあるらしいです。
でも、私はお母様のように立派なアコライトになるのです。

そんなこんなで、寝る間も惜しんで経験値をためました〜。
ようやく転職が可能になったから神父様のところに行ったの。そしたら試練を受けてきなさいって言われて・・・・。


というわけで、今、狸山に来ております。
話に聞いたかぎりでわ、血に飢えた人たちが獲物を求めて徘徊しているらしいけど・・・・。
「だれもいない・・・・。」
見渡すかぎりひとっこ一人いない。
あたりには木々のざわめきだけが響いている。
「う〜ん、ここのどこかにおじさんがいるんだよね。いったいどこだろ・・・。」
すこし歩いてみることにしたの。
そしたら一匹のたぬきさんがいたの。
「かわい〜っ。」
思わず声を出してしまった私。あまりのかわいさに、なでなでしようと近づいたとき・・・・。
ひゅっ
とすっ
風の切るような音がして・・・・
そしてよく見ると、たぬきさんには矢が刺さっていました。

「うぉぉぉぉぉぉぉ〜っ。」
そしてどこからともなく大勢の男の人の声がして・・・・。
ぼかぼかぼか
たぬきさんは一瞬のうちに天に召されてしまいました(涙)
「次だ、つぎぃぃぃぃ・・・・。」
一瞬の出来事で、私はなにがなんだかわかりませんでした。
「はぁぁ〜、うわさは本当だったんだ。」
すごい世界なんだな、と感心した私は、気を取り直して進むことにしました。

「ふみゅ〜、いったいどこにいるんだろ・・・。」
しばらく歩き回ってみたものの、それらしい人は見つかりません。
ぎゃ〜す、ぎゃ〜す
「はうぅっ。」
急に何かの声が響いたの。
「うぅ、なんだ、鳥の鳴き声か。びっくりさせないでよ〜。」
おもわず座りこんでしまいました。
「ここ、どこだろ・・・・。」
適当に歩いたせいか、まったく見覚えの無い場所です。
それに、なんだか深い森のなかに入ったようで薄暗い。
あれ以来、誰ともあうことも無かったの。
「まいご、なっちゃった・・・かな?」
少し涙が出そうになりました。
「けど、ここであきらめたら立派なアコさんにはなれないのです。」
気合を入れて、立ち上がりました。

がさっ

「ひゃうっ、だ、だれ?誰かいるの?」
立ち上がった瞬間、気合はどっかに飛んでいってしまいました。
「おや、なにやら気配がしてみると思ってきてみたら・・・。」
そこに現れたのはシーフさんでした。
「あ、あの・・・。」
私はおそるおそる声をかけてみました。
「ふふ、こいつはいい獲物だ。」
シーフさんは、そう言うと、ナイフをぺろりと一なめしました。
「あぅあぅあぅぅ・・・。」
私は恐ろしくて、そのばに立ち尽くしてしまいました。
がさり
「ん?どうしたんだ、A。」
そこにもう一人、シーフが現れました。
「あ、Bか。ほれ、見てみろよ。ノービスだぜ。かわいいだろ。」
最初に現れたシーフはAと言うらしいです。でも今の私にそんなのまったく関係ないのです。
「お、ほんとだ。どうするんだ?」
「もちろん、やっちまうさ。お頭に見つかる前にな。」
キラーンと目が妖しくひかりました。

すとん
私は地面にしりもちをついてしまいました。

「あ〜あ、震えてるぜ。脅かしすぎたんじゃね〜か、A。」
Bと呼ばれたシーフが近づいてくる。
「別に・・・。どうせろくな目にはあわね〜だろ。」
「はわわわわ・・・・・。」
私はなにもしゃべることができません。

「おびえないでよ、かわいいこねこちゃん。」
ちゅ
ほっぺにキスをされたのです。
「おいおい、甘やかしてんじゃねえよ。お頭に見つかる前にやっちまうんだろ?」
「そうだったな。」

「・・・・誰に見つかる前にだって?えぇ?」
「お、お頭・・・。」
二人のシーフが目を向けたそこには、いつ現れたのか、人の姿があった。
「あ、あのですね、これから報告に行こうかと・・・。」
「・・・・・・ソウル、・・・ストライク・・・。」
お頭と呼ばれた人が、そうつぶやく。
どががががっ
現れた光の弾が二人のシーフをかすめるように地面に大穴を開けた。
「あたいにだまって獲物をいただこうなんて、ずいぶんとえらくなったもんじゃないか。」
お頭は女マジさんでした。それもかなり高レベルの・・・。
「すいませんっ、もうしません、お許しを〜。」
泣いて謝る二人。
「ふん。謝るくらいなら最初からするんじゃないね。次やったら・・・・。」
お頭さんは手から電気を出す。どうやら雷系のマジさんらしいです。
「ひぃぃぃぃ〜っ。」
「すっぱだかにして、サンダーストームの中心にほりこんでやるわよ。」
無言で頭を縦にふりまくる二人。はたから見たらおもしろい光景なんだろうけど、私はそれどころじゃありませんでした。
そして、二人は一目散にその場を後にしました。
「さてお嬢ちゃん。あたいはジュンコって言うんだ。あんたの名は?」
ジュンコさんが私のあごをくっと、上に上げた。
「あ、わ、私は、く、くりす。」
私は震える声を一生懸命に絞り出しました。
「そう、クリスね。ふふ、素直な子は大好きよ。」
パープルのルージュがいやらしく光る
「あ、あの。私そろそろ、いかないと・・・・。」
私はあとづさりました。
「ふふっ。そんなのあとにしなよ。」
ジュンコさんは、羽織っていたマントを脱ぎはじめました。
「あ、あの、どして脱ぐですか?」
われながらまぬけな質問です。
「ふふっ、今からた〜っぷりと子猫ちゃんに教えてあげるわ。」
鋭く尖ったような笑顔。とっても怖いのです。
そしてジュンコさんは私を押し倒したのです。
「きゃあっ、や、やめてください。痛いです〜。」
女のマジさんなのに、振りほどけません。そんなに私って弱いのかな・・・。
「あぁぁぁ、ぞくぞくするわ。」
そう言いながら、ぺろりと舌で唇をなめる。
「はぅぅ。」
私はもう、どうすることもできませんでした。
「子猫ちゃんの、おっぱいどうなってるかな〜。」

ジュンコさんの手が、私の胸に伸びて・・・・。
「あっ・・・。」
薄いノービスの服の上からもんでいきます。
「いい声出すじゃないか。感じてくるわ。」
かぷっ
「きゃうっ。」
みみを、あま噛みされました。感じたことのない感覚です。
「やっぱり、服は邪魔だねぇ。」
ジュンコさんは、光輝くナイフを取り出しました。うぅ、おそらく私の服はずたぼろになるんでしょう。
ぷすっ
ナイフが私のちょうど胸の真中にさされます。
びぃぃぃぃぃっ
音と共に私の服はびりびりです。真中からこぶりな胸が見えてしまいます。
「かわいい乳首♪」
ちゅっ
ジュンコさんが、さらされた私の乳首にキスをしました。
「んっ・・・。」
私は思わず声が出そうになるのを我慢しました。
「ふふ、感じているのかい?」
そう言ってもう片方の乳首も指でもてあそびます。

なんとか逃げ出さないと・・・。私は、ふとナイフを携帯していたことを思い出したの。
「えいっ。」
とっさに、ナイフをジュンコさんに向かって突きつけました。
「・・・・・・。」
「あ・・・・。」
どうやらはずれてしまったみたい。
つ〜っ
ジュンコさんの頬から一滴の血が流れ落ちました。
「・・・・・・。私の顔に傷を付けるなんて・・・・。少々おいたがすぎるわね・・・・。」
般若のような形相をしています。とってもこわいです。
「あ、あの、別にねらったわけじゃ・・・ないのです。」
もう何がなんだかわかりません。
どがっ
「ぎゃうっ。」
ジュンコさんのけりがみぞおちに入りました。とっても痛いです。
「死すら生ぬるいわね。」
かろうじてそう聞こえたような気がしました。
「あ・・・・・ぅ・・・。」
私は恐怖のあまり気絶してしまいました。


続く・・・・・
おそらく。


●用語解説●

ノービス:ラグナロクオンラインに来たひと全てが通る困難な道♪初期についている職業のこと。

ゲフェン:魔術師ギルドがある町。中央にはゲフェンタワーと呼ばれる塔が立っており上級者が足を踏み入れる。

アコライト:通称アコたん♪回復魔法を使う聖職者さん。そのかわいらしい容姿とヒールは乾いた心を癒してくれる(笑)

ポリン:どらくえで言うスライムにあたる敵。よわいが落ちてるアイテムを拾っていくのでたまにたくさんアイテムを持っている♪

マジシャン:果てしない破壊力を誇る魔法を使いこなす人々。じつは闇マジに進んだらどんなに大変かわかっている人は少ないと思われる(涙)

狸山:たぬきとさるがたくさんいるところ。中級者の狩場となっており、たくさんの人が獲物を求めて彷徨っている。アコライトになるにはここにいるおじさんと話さないといけないという、初心者にはかなりめんどくさい場所。がいじんさんはここのことを、「よーよーらんど」と言う。

シーフ:よく敵の攻撃をかわす人々。

ソウルストライク:マジの必須魔法。極端に詠唱時間の少ない魔法。これを覚えていないことには、中盤からのダンジョンには入れない。

サンダーストーム:ライトニングボルトから派生する上級魔法。指定した地点で多段ヒットするが、ねらいにくいらしい。宴会芸といわれる魔法の一つ。


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